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MC修行日記 - 壱 -

こんな程度ではないはずだ、

マイティフロッグ+レンスポルトのパワーってのは!
と、自らに少々の憤りも感じざるを得ない、漢勝負復活後(翌週)の初練習。

前回の勝負では、確実にジョニーとの差は「詰まった」。これは認めてもらっていいだろう。ただ、その前が離されすぎだったから、ダメダメダ〜メダメダメになった程度だ。
都民においての機体の性能差はもはや無いようなモノ、そして最近の練習量も考えると、納得できる成果ではない。
そもそも、前週の練習の最後では29秒台を連発できていながら、塾当日には決勝に入るまで唯の一度も30秒が切れないというのはどうか?朝イチの調子を差し引いたって、ねえ?そりゃ、競技というものは、いつでもベストが出るものではないけど、俺のタイムはまだそこまでシビアなレベルにまで煮詰まってはいないはず。走る度に速くなっていいじゃないか。

まあ、しかしただ怒っても埒は明かないので、落ち着いて理由を考える。
まず、塾の後、各方面から指摘された「立ち上がりが遅すぎ」。これは確かだ。自分でも感じている。ハイサイドのトラウマがあるのだ。だが、そこだけなら、前回までのベストは出てもいいじゃないか。それすらも出なかった理由は、やはり、頭に血が上って体が固くなっていた、というのがあるだろう。

そこで、上体の力を抜きつつ、立ち上がりも少しずつ開けて行く事を考えて練習に向かったのだ。

諸事情(前夜に結構飲んでいた)で体調は良くはなかったが、高速でも走れば頭も冴えるだろうと出発。
到着すると、まずまずの混雑・・・それと、まあ勝手な言い分だが、俺の嫌いなモタードがいるな・・・でちょっとゲンナリ。
一応補足しておくと、街中で爆音を撒き散らして全然進んでいかない「なんちゃってモタード乗り」はともかく、ジャンルとしてのモタードは俺は別に嫌いではない。面白そうだし、金があればセカンドかサードバイクに欲しいくらいだ。
だが、練習するにあたっては、やはりラインもブレーキングも何もかも違い、そのくせ結構ないいペースで走るモタードと一緒になるとなんともやり難い。まあ、それは原付、モタード、ツアラーにスーパースポーツと、およそアメリカン以外の全てのジャンルのバイクが同時に走行する都民のカオスにおいてはお互いの了解事項なので、責めはしない。が、いいとか悪いとかでなく、個人的にはやり難いのは事実だ。

まあ、とにかく練習だから、と思って走り出す。と。なんだかフワフワして上手く行かない。俺のレベルならまだ、微妙な体調如き・・・と思うが、実のところ、まだ走り方自体が模索中でフォームも固まってないから、頭が冴えてないと余計に支離滅裂な走りになってしまうようだ。
なんか俺すっ転ぶんじゃねーか?今日は止めた方がいいかなあ?とか思いつつ、しかし、ちきしょー高速代だって馬鹿になんねーんだぞ、そう簡単に止められるか、と走り続ける。
しかし、やってる内に段々と体調は良くなり(二日酔いが抜け)、いい感じになって来た。
旋回においては、体を内側に入れるようにしつつも、それを意識し過ぎて腕に力が入らないように気をつける。

また、旋回の後半から立ち上がりは、荷重を後ろにというのを意識して、少しずつアクセルを開くように心掛ける。
・・・こう書くと、凄く上達してそうに思えるだろ?しかし、実際には、「意識する」ことと「実践する」ということは等価ではないから、そうそう上手くは行かない。

そんな中で、ラインについてもいろいろと注意しつつ、ひたすら周回を重ねる。
しかしどうにも、「うおっしゃ!これだ!」ってな手応えはない。うーん、少しはマシになったかな?いや、どうかな?という感じで黙々と走る。今日は、知り合いにも会わなかったので、尚更、休憩も少なく黙々と走り続けた。

結果的には、この日のベストは29.423秒。まあ、塾の時よりは若干ね。しかし誤差の範囲みたいなもんだ。

ただ、この日は走り初めて少しした頃には29秒台は出ていた。これは、決勝でめちゃくちゃ気合を入れなければ30が切れなかった前回の塾よりはいい。
後、やはりP-LAPのセンサー位置が悪く、センスミスが多い。2周から4周くらいをまとめて計測しているのがかなり多いのだが、その中で例えば、58秒中盤とかも出ているのだ。
これはつまりどちらかは、29秒前半かそれ以上が出ていることになるが、測れてないところにこれ以上の想像力を働かすのは止めよう。「語るな、走れ」というどこぞの名言もあるし・・・いや、もう既に語り過ぎなまでに語ってるけどさ。
いいんだよ、俺は「騙って走って語る」で。


この日は、途中で電話があって、帰りにジョニー、そして塾長らと飲んだ。梨本塾の太陽系を時折掠めるハレー彗星のような俺にとっては、珍しいことでもあるのだが、何か現状打破のヒントが少しでもあれば、という下心もあったのだが。
で、実際のところ、サスの設定は少し変えた方がいいという話は聞くことが出来た。やはり、タイヤの性能がこれだけ変わると、サスもそれに合わせて変える必要があるそうだ。
ついでに、泥酔したジョニーには28秒が出ないことについて、さんざん「中途半端なヤツだ」と絡まれ(俺は運転して帰るからこの頃はシラフだったので、実際のところ相当に頭に来た)、俺の脳内には広辞苑一冊相当の反論があったものの、やはりバイクで勝負している以上、これで有無を言わせぬ勝利をして鼻っ柱を叩き折ってやらねばと決意を新たにしたのであった。


しかし、ジョニーに言われるまでもなく、いまの俺のマシンで29秒ははっきり言って当たり前のタイムだ。自慢にもならん。
つい2週前までは30が切れないと悩んでいたのだが、ハイグリップタイヤを入れたからには、すでに29秒を切れないことに苛立ちを感じている。
だが、まだまだ自分でも「壁」を感じるには至っていない。なにせウッカリでマシンを壊すワケには行かないので、慎重な歩みになってしまうが、地道に鍛錬を続けよう。
次の勝負では、「いい勝負」とか「差が詰まった」ではなく、勝ちを狙えるように。

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