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育てよ!盆栽

タイヤ交換 - METZLER RENNSPORT RS-2/3 -

Born to race」、「for Race rider」メーカーのサイトにはそんな言葉が並ぶ。実際のところ、日本でもプロダクションレースで高い成績をおさめていて、輸入元のページには、国内レースでの輝かしい成績が誇らしげに発表されている。

さて、その成績一覧の2003年11月欄を辿ると、GSX-R1000でもてぎロードレースオープンマイスタークラスで優勝している「梨本塾レーシング」(票ではTI英田になっているが間違い)、その主宰であり、この時に、驚異的な追い上げを見せて優勝した本人であるモータージャーナリスト梨本圭が、イチオシしているタイヤが、このメッツラーレンスポルトだ。

他のプロダクションレース向けタイヤは、俺は使ったことがないが、話によれば温まるまでが問題だとか。レンスポルトは、メーカーによれば内部にスチールベルトを使用しているためだとのことだが、とにかく、実際のところ温まりが早い。そんなわけで、レースで速いのはもちろん、普段も乗る公道仕様のバイクで、トミンみたいな短いコースを、あたり前だがタイヤウォーマーとか無しで走るならば、絶対にこのレンスポルトがオススメだということだ。

さて、実際に装着してみると、まずひとつ大きな効果がある。写真の通りほとんど溝のないタイヤなので、バイクがまるでレーサーのようで格好いい。いや、他人はタイヤのパターンまで見てないかも知れないが、自分で眺めた時に、なんか「サーキットマシン」って感じで格好いいなあ、と自己満足が高まる。

しかしながら一方で、こんな、縦に繋がった溝は皆無、サイドの方は溝なんか存在自体していないタイヤで雨の公道を走れるのだろうか、そんな不安も起こる。雨の日になんか乗らなきゃいいや、と思いつつ、しかしいつも雨は降らないと思ってバイクに乗ってて降られるんだよなあ、と心配は消えない。

さて、外見のインプレッションはこのくらいにして、実際に使った結果はというと…。

ヴェリーグッド!非常に素晴らしいの一言だ!
実は、俺がたまに参加する走行会「梨本塾」の参加者においては、このタイヤは「履けば1秒速くなる」と言われている。トミンサーキットの1周はおよそ30秒。ここで1秒というのはかなり大きい。まして、練習し始めの頃は誰だって秒単位でタイムが上がるが、トミンサーキットでは、バイクの種類が原付であれR1000であれ、30秒あたりがひとつの壁になっている。このあたりまで来てから1秒上げるというのは、結構大変なことだ。
で、俺も長らく30秒台は出るけどこれが切れないという状態が続いていたのだが、このタイヤを入れたらほんとに1秒速いタイムが出た!タイヤを換えて最初に走りに行った日で、いいペースメーカーに引っ張ってもらった運もあり、フロック的な要素もあったが、29.2秒という自己ベストを出す事ができたのだ。

さて、タイムによる比較というのは明確なので、これ以上性能を語ることもないかとも思うが、語りたがりの俺としては、やはり感覚的な印象も語ってしまおう。
以前のタイヤ、ミシュラン・パイロットスポーツから、このレンスポルトに換えてスポーツ走行をすると、それまでより非常に明確な接地感が感じられた。9月という時期もあるだろうが、それはコースに入ってすぐの時から感じられて、他のレースタイヤの評価で耳にすることがあるような「十分温まらないとツルツル」という感覚は皆無だった。で、接地感が明確なので、安心してバイクを寝かし、立ち上がりでも安心してアクセルを開けることができた。それがタイムアップにつながったようだ。

この接地感の明確さは、行き帰りの高速道路でも発揮されていた。高速道路は直線だが、高速走行時、舗装が傷んで轍ができていたりすると、タイヤがちょっと滑るようなぬるっとした感覚を覚えることがあると思う。こんな場面でもレンスポルトは不安を感じることがなかった。
まあ、トミンの最高速は100キロちょいだが、本格的なサーキットでは200キロ以上の速度なんてあたり前な訳で、そういう場所でレースをするためのタイヤが高速道路くらいの速度でどうにかしてたら話にならないので当然だろう。

さて、問題の雨中走行ではどうか。レンスポルトにしてから、雨の中をまともに走ったのは2回。外環道と常磐道、それから東名高速だ。いずれも、かなり本格的な振りっぷりで道路に水たまりもできるような状態だったが、普通通りに、少しペースを落として、水たまりはなるべく避けて、急操作は控えるといった走り方をすれば、特に問題はなかった。さすがに接地感も乏しいし、飛ばせる状況ではないが、普通に高速道路の一番右側の(一番速い)クルマの流れに乗る程度までなら、まあバイクで雨ならいつも感じる程度の緊張感で走れた。

ただ、このタイヤで一番怖かったのは実は路肩だ。一般道ですり抜けをして路肩付近を走行した場合に、地面に砂が浮いている部分で加減速すると、前も後ろもズリッと滑る。こればっかりは注意した方が良さそうだった。

最後に、このレンスポルトには、無印、RS-0、RS-1、RS-2、RS-3、と種類がある。無印は公道用、RSシリーズは0からスーパーソフト、ソフト、ミディアム、ハードだ。さすがにレース用なのでコンパウンドに種類があるわけだ。いろいろとネットなんかで見ていると、前後同じか後ろを硬めにするのが通常らしい。
俺が使ったのは、フロントRS-2、リヤRS-3の組み合わせだ。ライフは普通のツーリングタイヤに比べ長くはないと思うが、まあ、サーキットはたまに走る程度なら数千キロくらいは持つので十分だと思う。

タイヤ交換 - MICHELIN Pilot Power -

zx6r with pilot power レンスポルトが擦り減った後に、次はどのタイヤにしようと悩んでいた時にちょうど新発売されていたので買ってみたのが、このミシュラン・パイロットパワーだ。
レンスポルトには何の不満もなかったが、俺は新製品に弱いところもあり、また、このタイヤはずいぶんとミシュランが力を入れているみたいだったので、試してみることにした。
ミシュランにはレンスポルトなどと同じくレース用のタイヤとしてパイロットレースがあり、公道スポーツ向けに長らく定番となっているパイロットスポーツがあるが、近年の大型スーパースポーツ車の性格に合わせるべく、この両者の中間に位置する新主力製品として開発されたものらしい。
溝は、太いが間隔が広く、縦方向の割れ目のような感じだ。これがいいらしい。なんでも、剛性アップと排水性の高さと外見のスピード感を同時に達成しているとか。
また、新開発のコンパウンド採用により、ロングライフなのに非常に温まりやすいとか。

装着した状態では、これはまたなかなかスピード感があって格好はいい。現代的な雰囲気を感じさせる幾何学模様は、最近のスーパースポーツ車のデザインにもよく似合い、その点のメーカーの狙いは達成されているように思える。

で、さっそく走ると、バイク屋からバイク用品屋まで、混雑した道を少し走っただけでもホカホカに温まる。確かに温まりはかなり速いようだ。期待は高まる。溝付きタイヤでレースタイヤに勝つと格好良さそうだ。

で、数日後に早速、トミンに向かう。
高速道路では、一番速いクルマの流れに合わせて走りつつたまに追い越しをしたりしつつ走っていると、轍の深い部分などではヌルっとした感触がある。別にそのままどうにかなってしまうわけではないが、なんか「ヌルッと来たな?」という感触は感じた。
いざ、トミンに付いて、走行した結果は…多くは語るまい。気になるならこっちの走行日記を読んでくれ。

まあ、結論だけ言うと、タイムはガックリと落ちた。レースタイヤであるレンスポルトより落ちるのはわかるが、それ以前に同じミシュランの一つ下のグレードであるパイロットスポーツで走っていた時よりも落ちた。

参考までに、トミンで20分走行後のタイヤの状態を載せておこう。この写真は、実際には一日走って高速道路で帰って来てからのもので、多少、汚い部分が均されている。本当の20分走行後の状態は、さらにもう少しグロテスクだった。
zx6r with pilot power
排水性がパイロットスポーツより高いらしいから、雨の日にツーリングに行く事が多い方は使ってみるといいだろう。

タイヤ交換 - METZLER RENNSPORT RS-2/2 -

そんな訳で、再びメッツラー・レンスポルトに交換。今度はリヤもRS-2にしたが、期間があいているし、RS-3との差はあまりわからない。けど、どっちにしろ、高速道路もサーキットも快適(?)で、現在、パイロットパワー装着を機に嵌っていたスランプからも順調に回復中。


盆栽鑑賞は感性の世界。主観で愉しもう!…ていうか、消耗品を交換しているばかりじゃカスタムどころか盆栽とすら呼べない…!?(TOPへ