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楽しい職場みんなのF2

2006.6.19

創立71周年記念

やる気も信頼も失う
    しんぶん赤旗
シリーズ職場-成果主義を追って-
  迷走する富士通E(最終回)

「やる気も信頼も失う」
社員の証言を抜粋

「今でも何とかしてほしいというメールが社員からた
くさん届いています」(城繁幸氏)

「日本の成果主義は全体として、評価方法などの見直
しに進んでいます。あくまでも成果主義に突き進むの
であれば、その方向しかないと思っています。富士通
が実際にどう運用しているか、その実態は私にもわか
りませんが」(城繁幸氏)

「成果主義とは本来、成果を上げるだけの権限を持っ
たポストに適用して初めて効果があるものです。権限
の無い一般社員に適用しても、いじめになるだけで、
ほとんどの場合、モチベーション(動機付け)のダウ
ンにしかつながらない。いい評価をとろうと奮起する
社員もいるでしょうが、せいぜい一割ぐらいでしょ
う」

「私も現役時代は年間二千七百時間くらい働いていま
したが、現在の日本の若年労働者は欧米と比べて一・
五倍も長く働いています。初任給は低く抑えられた上
に成果を強要される。アフターファイブも自由になり
ません。若年労働者希望のもてる賃金制度にする必要
があります」

「成果主義で社員のやる気をそぎ、精神主義でそれを
カバーしている」

「なぜみんな上司の顔色ばかり見て仕事をしているん
だ、と聞かれ、目先の目標と成果だけで全てが評価さ
れる中で、そうなってきたと答えたことがあります。
一人ひとりが壁を作り、上の方しか顔を向けていない
ということです。この一年間に三人の若い社員が職場
を去りました。そんな職場に希望がもてなくなってい
るのです」

「成果主義の弊害が直接影響しているかどうかわかり
ませんが、無視できない問題ははらんでいると思いま
す」

「技術を大切にしようという雰囲気が薄れ、上役の考
えと採算性だけで動くという由々しい状況になってい
ます。絶えず評価がちらつく職場環境を改め、社員と
の信頼関係を回復させるということが先決です。ひい
ては顧客との信頼関係を取り戻すことにもつながると
思います」

           完