remove
powerd by nog twitter

楽しい職場みんなのF2

2002.1.25

再生F2! その4−成果主義は経営陣にどのような影響を与えたか?

 さてこれまではフレックスと成果主義(SPIRIT)の生い立ちを見てきました。SPIRITは構造改革の手段として出てきたのですが、その影響は従業員の就業時間に影響を与える以上に経営陣の能力に影響を与えました。それまでの自ら決断して進める態度から大まかな事だけ言っていれば部下が立案する。それを評価するのが経営陣というスタイルが出来てきたのです。例えばこの10年間に発表された新製品・新サービスで当社独自の競争力のあるものって何でしたか?今度ソニーに売却の噂のあるnifty位しか思い浮かびませんね。何故でしょう。経営がきちんと製品開発・技術開発の資金投入を判断すれば、こんなことにはならない筈です。具体的に、どれだけ経営陣の質が落ちたのか毎年恒例の年頭社長挨拶の内容を成果主義前と後で比較してみましょう。成果主義前として1990年の山本社長(当時)、1991年関沢社長(当時)、成果主義後として今年の秋草社長年頭挨拶を比較してみます。

1. 会社を取り巻く環境分析
・山本社長 世界の状況の一変 軍事から平和へ、ソ連激変、東欧・中国の経済改革
・関沢社長 前年の山本社長の引用
・秋草社長 IT不況を通して一つのグローバルマーケットが形成される。

2. 会社の課題
・山本社長 (1)EF92(2)構造改革(3)グローバリゼーション
・関沢社長 (1)グローバリゼーション(2)EF92(3)構造改革
・秋草社長 真のグローバルプレーヤーになること

3.グローバリゼーションへの施策
・山本社長 (1)在米工場確保(2)海外情報ネットワークの構築(3)意識を高めよ
・関沢社長 ICLを中心とした国際化
・秋草社長 構造改革をグローバルプレーヤーになることとポジティブに捉えよ

4.全社運動
・山本社長 (1)EF92で具体的目標、成果目標確認(2)関連会社は本体以上の業績を
・関沢社長 エキサイティングプロダクト、エキサイティングプロジェクトの推進
・秋草社長 先進技術にチャレンジしつづけよ

5.構造改革
・山本社長 (1)事務技能職の比率大(2)創造性ある商品開発(3)サービス業の認識
・関沢社長 (1)環境変化 オープン化(2)職種別縦割り組織見直し(3)ICL資本参加
・秋草社長 経営の革新のためには、キャッシュフローの改善が大前提

みなさんどうですか。当時の山本社長や関沢社長の意思決定に今思えば誤りは多々ありますが、秋草社長挨拶よりずっと具体的で方向性がはっきりしています。秋草社長!あなたは「社員が働かないから業績が上がらない」と言うけれど、こんな方針提示で社員はどこを向いて働けと言うのですか?かくして成果主義はまず経営者の経営感覚をマヒさせ弱体化させてしまったのです。