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楽しい職場みんなのF2

2005.1.1

詩集「みんなのF2」その 7−つまらぬ唄

このシリーズは楽しいF2生活を情緒豊かに詩い上げていきます。なお、創作的文藝作品ですので実際の会社でのできごととは一切関係ありません。

冬に向かう夜の川辺で俺は一人思う。
黒い川の川面には魚も、水鳥も見えぬ。

ある日、人事官僚どもが不条理な制度を押し付けた。灰色の日々が始まった。
ある友は、自信を失って命を絶った。彼の弱々しい笑顔が目に浮かぶ。
ある友はSPIRITの下に残業代の不払いが続いた。昇進したいならSPIRITを辞めるなと恫喝された。
ある友はセクハラにあい、鬱病になった仲間もいた。職場がすさんだ。
ある友は労働組合に相談し逆に、裏切り者として会社に通報された。

黒い川は冬に向かう冷ややかさの中で、ゆっくり流れる。
何もしなければ変えられなかった。
サイトが、SPIRITは違法行為と声を上げねば、残業代不払いのままだった。
声を上げたから変えられた。
サイトが成果主義の非人間性を言わなければ何も変わらなかった。
声を上げたから変えられた。

友よ。一つ一つの言葉は、つまらぬ愚痴に聞こえても、すりきれた心でつぶやいた言葉が、いつか現実を変える力になる。
友よ。俺は、人間として生きるため、夢を形に変えるため、俺の言葉を綴りつづける。
黒い川に夜明けが来て、魚たちが力強く泳ぎ、水鳥たちが誇らしく飛び立つその日まで、
俺は、唄い続ける。つまらぬ唄を。