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楽しい職場みんなのF2

開設1周年記念                                                 2001.10.1

詩集「みんなのF2」その2−工場で散った妻へ、あの日が来るたびに

このシリーズは楽しいF2生活を情緒豊かに詩い上げていきます。なお、創作的文藝作品ですので実際の会社でのできごととは一切関係ありません。

妻は工場で自殺した。
あの日は工場が縮小になるとかで、面接を受けたはずだ。
それまで明るく振舞っていた妻だったが、あっという間のできごとだった。

女性も活躍できると信じて妻はSPIRITを選んだ。
言うのもなんだが、子育てとボランティアで成果が出せず、毎回毎回「駄目」のスタンプを押されつづけていた。

動機は「家庭の問題だろう」で終わったが、決してそんなことはない。
そんなことなら工場を最期の場所にするはずがない。

俺は忘れない、妻の涙を。
俺のまぶたの裏によみがえる、妻の笑顔が。
俺はいまでも思い出す、顧客のために働き続けた妻の背中を。
俺は知っている、妻が死ぬまで尽くしつづけた会社を。
俺は覚えている、あの日何事もなかったかのような表情の会社を。
俺の胸に焼き付いている、妻を屈辱の海に沈めた目標管理制度を。

そして、俺たちは会社で生き続ける、妻の無念をはらすために。