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楽しい職場みんなのF2

 

2002.9.17

Re:残る人材(財)が新しいF2を創造
 あなたが言う、『膿』とは具体的には何を指しているのでしょう。現状、この会社のリストラを見る限り、売上げの減少及びそれの長期化による財務(バランスシート)の悪化に伴い、『固定費を削減の内、最も簡易に実施可能でかつ固定費削減に効果的な人員削減を行っているだけ』としか見えません.人員削減は諸刃の剣で、景気回復期には、技術開発・生産能力、営業力不足に陥ります.逆に言うと、この会社はそこまで追い詰められているということの証でもあるのです.真の『改革』とは、先ず、企業発展を前提とした経営理念があり、それに則った経営戦略があり、そしてリソース計画としての人員計画がある筈です.いまのこの会社がやっている行為は、まさしく、『取り敢えず、会社を存続させるためだけの人員削減』なのです.

 このような状況になった遠因は、バブルのボラティリティを大きくした日本の金融機関の責任が極めて大き いでしょう.『バブル』現象は、資本主義の本質でもあり、これを発生させないようにすることは不可能ですが、これを大きく増幅し,またそれによる谷を深くしたのは、金融行政を含めた日本の金融機関です.

 しかし、それが故に経営責任を外部に転嫁することは許されません.日本のバブル崩壊から10年が経過しま したが、その間,日本の社会・経済システムは大きな転換期に突入し、情報通信関連の需要の大半は米国頼みの状況が続いてきました.従って、米国の需要が何らかの要因により冷え込めば、最悪の経済状況に陥るのは十分予測できた筈であり、そのための経営改革を怠っていたつけが表面化したに過ぎません.

 バブル後、地道に経営戦略を練り、それを実施し、強い足腰を持った企業は多くあります.緻密な経営分析もせずに『成長セクタであるIT分野を手掛けているから大丈夫』と未だバブル的発想で経営を続けてきた、無能な経営陣こそリストラの対象とすべき筈です.即ち、経営理念及びそれに沿った経営経営戦略の再構築です.10年以上も時間を浪費し、未だバブル的発想から抜け出せない連中に、企業を再構築する能力はあ りません.体育会系の『ガンバロー』的な雰囲気だけで企業経営が続けられるほど、『世界』は甘くありません.

最後に一言.人員削減がここまで来ると、行政の無策振りにも呆れてしまいます.経済システムの『要』である銀行には公的資金を投入していますが、真に経済を発展させているのは、J.M.ケインズと並び20世紀を代表する経済学者のシュムペーターが言っているよ うに、『イノベーション(技術革新)』なのです.真に救うべきは、それを担う『人』であるべきであり、現在の政府の政策は本末転倒と謂わざるを得ません.これでは、本当に日本の先行きが不安でなりません.