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楽しい職場みんなのF2

2005.2.25

求められる資質は、かつての古い時代の価値
    ■  「人間」に対する姿勢
 
    例えば、気の毒なほど部下に気を遣い、
    部下とぶつかることを避けているにもかかわらず、
    部下から信望を得ないマネジャーがいます。
    こうした場合、部下は分かっているのです。
    このマネジャーが大切にしているのは
    「部下との人間関係」ではなく、
    「自分の立場」であることを。
    そして、彼が部下と「正対」していないことを。
 
    これに対して、しばしば部下とぶつかり、
    ときに怒鳴らんばかりの接し方をするにもかかわらず、
    部下が信望を寄せてくれるマネジャーがいます。
    彼が大切にしているものは、
    「部下と自分の切磋琢磨による互いの成長」であり、
    「成長の証としての良き仕事を残すこと」です。
    彼は未熟な自分を知りつつ、精一杯に部下と「正対」し
  ようとしているのです。
 
    私のささやかな経験ですが、
    高校時代にサッカー部に所属したとき、教えられたこと
  があります。
    サッカーのボールの取り合いにおいて、
    「ぶつかりそうになったら、腰を引かずに正面からぶつ
  かれ」
    とのアドバイスを受けました。
    腰を引いたときほど怪我をしやすいと教えられたので
  す。
    その言葉が、いまも心に残っています。
 
    人間関係も、そうではないでしょうか。
 
    互いに「正対」すること。
    こころを込めて真剣にぶつかること。
 
    そのとき、人間として大切なものを失うことは、
    決してありません。
 
    仮に、部下との表面的な人間関係が崩れたとしても、
    十年の歳月を超えて互いに理解しあえるときが、必ず来
  る。
    そうした深い信念と人間に対する姿勢が、
    いま、我々マネジャーに求められているのではないでし
  ょうか。
 
    ■  「一途」という価値
 
    いま、新しい時代が始まろうとしています。
 
    その新しい時代を担う若い世代の感性は、瑞々しく豊か
  です。
 
    我々マネジャーが、どれほど表面的な気配りを見せてみ
  ても、
    こころの深くの密やかな操作主義は、
    彼らに簡単に見透かされてしまいます。
    そして、こころの深くで正対していない姿勢もまた、
    彼らに容易に見抜かれてしまいます。
    そうした時代において、マネジャーに求められるもの
  は、
    若い世代のこころと正対し、彼らの声を聞き届け、
    彼らの思いに深く共感する感性に他なりません。
 
    しかし、不思議なことに、
    これからの新しい時代において我々マネジャーに求めら
  れるこうした資質は、
    かつての古い時代の価値であることに気づきます。
 
    「一途」であること。
    「一徹」であること。
 
    いかなる計算もなく、いかなる駆け引きもない、
    一途さや、一徹さ。
 
    そうしたことが、
    マネジメントにおいて大切な価値とされる時代が
    回帰してくるのではないでしょうか。