東京地裁平成１４年９月２日判決（判例雑誌未掲載、東京地裁のＨＰに掲載中）は、解雇された従業員が、会社が従業員を睡眠時間平均３，４時間で長時間酷使し、低額の賃金しか支払わないかのような書き込み、その他、会社のみならず役員個人の批判をしたことについて、会社および会社経営者から信用名誉の毀損を理由に損害賠償を請求したケースです。元従業員は、解雇通知がショックで、愚痴をこぼすような軽い気持ちでしたことであると主張しましたが、判決は、そのような場合であっても違法性を欠くものとはいえず、名誉毀損の不法行為の成立を妨げるものではないとしました。そして、インターネット上では、情報の伝達が容易かつ即時に行われ、その伝播力は大きいため、文書等に比して、名誉、信用をより大きく損なう危険性を有しているとしたうえで、元従業員に対し、会社に１００万円、社長、専務にそれぞれ３０万円の損害賠償を命じました。