2006.2.8 |
結果責任を取れないマネージャーに、権限はあり得ない |
マネジャーが決定する権限をもつということは、その決定
を、自分や現場が実行した結果の責任を負うこと、つまり
その決定によって成果を上げるという裏づけがなければな
らない。
組織は、権限の体系である前に、果たすべき責任の体系で
ある。結果責任を取れないマネージャーに、権限はあり得
ない。
立場に結果責任のない権限がともなう組織ならそれは身分
制度であり、封建制組織である。
また、現場情報・最新技術・最新知識に基づく具体的かつ
詳細な現状の認識・指示の放棄、マネージャー権限に立脚
した命令のみの遂行・問題に関する解決の指示のみの遂行
は、自分の成果責任・権限・地位を放棄することの宣言で
ある。
これが近代組織の基本原理である。
注意すべきは、マネジャーは、権限を自分の能力と勘違い
する傾向があることである。
権限を与えられた立場にある人は、より大きな裁量権をも
つ。権限が与える選択の範囲の広さと手段の多さと使える
予算を、自分の問題解決の能力と勘違いする。
また、人間性、品性、誠実、首尾一貫性は、成果を上げる
ための能力の欠かせない必要条件である。それらに大きな
弱みをもつ人は、いかに能力が優れていていても登用すべ
きではない。
ピーター・F・ドラッカー |
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