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楽しい職場みんなのF2

2002.4.12

拙速・買い叩かれ文化がある限り、回転寿司の域を抜け出せない
 本格的(?)な寿司屋に入るときは、1万円札を懐に忍ばせておくことになっているでしょう。回転寿司の場合には、そこまでの必要はないはずです。この価格差は、どこからきているのでしょうか?実際のネタの仕入価格は、おそらくだいぶ違うでしょうが、もっと本質的には「寿司屋は、高いもの」という一般の思いこみを形成することに業界として成功してきたと思うのです。店構えが立派な高給寿司店を気取っても、江戸時代には屋台で立ち食いしていたのが寿司文化だということを知っておく必要があるということです。
 システム開発とその導入についても、営業をバンバンうって、とにかく納期に間に合わせ、人月の超過分は下請けのソフトハウスが泣く・・・こういう庶民の立ち食い寿司、あるいは、回転寿司的システム商売をやめるために、業界をあげて戦略的に一般の意識を組み直す必要があるのではないでしょうか。
 
「システムは高いもの」 「システム開発は時間がタップリとかかるもの」 「システム開発は、お任せではなく、クライアントが十分に整理した上でF2に依頼すべきものであること」
 こういう意識が一般化されて、当たり前のことと認識されるようになれば、闇雲な営業活動を減らすことができ、丁寧で腰の入った対応が可能になります。開発コストも「安くない」という一般認識のもと、ソフトハウスを泣かせることもなく、また、開発期間を逼迫させて、期間中にプログラマがポックリ逝くことも減るでしょう。
 
営業、プログラミング、工程・人月管理・・・ 組織中で個人の能力や優秀さを比較して、云々しようと、「早くやれ」「安くしろ」と拙速・買い叩かれ文化がある限り、システム商売は回転寿司の域を抜け出せないのではないかと危惧しています。寿司屋のネタの高さ自体は、カルテルなどで形成されたものではないでしょう。極めて正当なやり方と言えます。もし、F2やF2を含む業界が、寿司屋に出来たことを出来ずに推移するのであれば、見かけの立派さと裏腹に、街の小さな寿司屋より明らかに劣るという厳然たる事実を受け止めなければいけないのでしょうね。 一番大事なことというのは、実は、一番忘れられてることである場合が多いがゆえ、一番解決が難しいのかもしれません。回転寿司から脱皮しましょう!