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楽しい職場みんなのF2

 

2002.12.22

「厳しい社会」なるものの産む病理
 現代の企業の存在意義は、「社会的に有益な財やサービスを提供し、利益を上げ、株主に還元する」ことだけではありません。たとえば日本経団連の企業行動憲章では、これ以外に次のような項目も掲げています。
1.企業情報を積極的かつ公正に開示する。
2.環境問題への取り組みは自主的、積極的に行動する。
3.「良き企業市民」として、積極的に社会貢献活動を行う。
4.従業員のゆとりと豊かさを実現し、安全で働きやすい環境を確保するとともに、従業員の人格、個性を尊重する。
5.反社会的勢力および団体とは断固として対決する。 他

 「残業代はつかず(おそらく残業し放題でしょう)、会社の利益が増えれば増えるだけ給料が増える」原則のみの企業はこれらの社会的役割をはたしていないばかりではなく、深刻な社会的病理をつくりだしているのではないでしょうか。それは次のような現象です。
1.過労死、過労自殺、過労による肉体的精神的健康の破壊
2.お父さん、お母さんの家庭不在による、少子化、子育て困難、離婚増大、介護の担い手不足、子供の非行・学校荒廃
3.営利活動優先による企業不祥事

 これらの第一義的要因はもちろん、当事者の倫理観の問題や責任感の不足ですが、それを容易に産み出し大きく成長させているのが 「厳しい社会・会社」なるものだと考えられます。世の中には弱い人も多く、厳しいだけでは苦し紛れに悪や犯罪に容易に走ります。会社が様々なセーフティネット(救済・安全策)をやめてしまえばその会社の経営は合理化しますが社会全体の利益が損なわれ不安定性が増すことになるのです。