富士通の良い点： 富士通は、メーカーとしては、優秀な技術者がたくさんいます。ここのＨＰには会社の悪口がいっぱい書かれていますが、前に勤めていたメーカーと比べてしまうと(それでも一部上場で有名企業でした)、技術者の能力やモチベーションは富士通の方が格段に上です。メーカー営業、とりわけ、通信設備や情報システムという商品カテゴリーでの営業は、顧客要望を汲んだ上での提案営業スタイルとなります。それゆえ、技術的バックグラウンドがない営業としては、どうしても技術者を商談開拓の段階から前面に出していく必要がありますが、富士通の技術者は製品説明、顧客の意向を汲んだ提案書の作成等、全てやってくれますので、他の会社と比べると、営業は楽です。

富士通の悪い点： １．社内の制度が、利便性や効率性よりもシステム化を優先に構築されているため、顧客/ビジネスの常識的なスピードについていけていない。 何しろ、宅急便一つ送ったり、カタログや製品マニュアル一つ印刷にかけるのにも、気の遠くなるほど煩雑なシステムで事前申請しなければならないようになっています。この間も、客が大至急欲しがっている200枚の印刷物をかけるのに、総務部が「形だけ」の社外入札をして、1ヶ月も時間を費やしました。これは、業務部と呼ばれる社内情報システム部門が、営業フローを全く理解していないからです。 あと、いわゆる「一般職」がいないので、事務作業はすべて個人個人がやります。30人に一人くらいの割合で派遣さんも来ますが、部長の秘書みたいな仕事で精一杯で、電話の取次ぎ、エクセル表作成、社内端末への入力作業など、すべて各個人がやることとなります。

２．社内の風通しが悪い風土の会社です。例えば、ラインを外れた部長(担当部長、と呼びます)の陰口を散々言っていても、いざその人が会議や意思決定ルートに現れると、言ったことは右にならえ！みたいな感じで、課長やグループリーダーや後輩ライン部長達は従順に従っています。北朝鮮をちょっとマシにしたような、社内風土であるのは事実です。

３．営業は、チャネルセールスのスタイルになります。特定の商品を広い顧客に売りたい、というイメージを考えている人は、担当商品が多すぎて、失望するでしょう。担当顧客を数件かかえて、そこの御用聞きとなって、なんでもかんでも持っていく、という営業スタイルです。銀行・商社・自動車・家電メーカーの営業スタイルとは、その点は異なりますね。