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楽しい職場みんなのF2

2001.2.11

チーズとネズミのおとぎ話

1.「火の玉集団」のネズミたち

 昔あるところに「火の玉集団」と噂されるネズミたちがいた。このネズミたちは勤勉で自分の成果よりみんなの熱気にあおられてよく働いた。ある日ボスねずみが言った。「今日から自己責任だ。自ら目標をたてろ。労働時間は問わない。成果によってチーズを配分する」ネズミたちは最初は新鮮に受け止めたが、次第に自分(達)の成果を上げるために同じ顧客や同じプロジェクトの成果を取り合ったり、同様の製品やサービスを別部署でやったりしてチーズをとりあった。

2.戦略・戦術を明示するのが指揮官の役目

 ここで物語りは一時中断です。こんな物語のように同じ職場同士や、部署間や、本部間で成果の取り合いなんて、やってはいけません。戦争なら同士討ちですよ! 現在のビジネスを戦場と見立てるならば、まずは戦略・戦術の提示が第一優先です。どこを攻略ターゲットに空軍が先ず、何を破壊する。砲兵はどこを砲撃する。歩兵はいつ突入する。後方部隊はどれだけの物資を供給する。それがあって戦争が成り立ちます。最初に兵士一人一人に目標を決めさせる軍隊があったら、結局、兵は一人でも敵兵を殺したことにして成果を奪い合うでしょう。でもそんなことをしている間に、その軍は壊滅するでしょう。太平洋戦争の時、日本軍は、それをやって滅びたのです。

3.ネズミたちは立ち直った。

 物語を再開します。子分ネズミの活気のなさを見ていたボスねずみはある日、子分ネズミを集めて自ら戦略を語りかけた。それは大変具体的で明瞭で、力に満ち溢れていた。「この市場をターゲットとして攻める。そのために、宣伝部はこう宣伝しろ。どの事業部はこういう製品を提供しろ。サービス部は、こうサービスを開発する。そして歩兵のSE部門は、このタイミングで突入しろ。間接部門は、これを補給しろ」と。そして再度、子分ネズミを見渡して「目標たてろ」などと言わずに「黙って俺についてこい!」と、しっかり言った。ねずみたちは大いに奮い立ち幸せに暮らしたそうな。

4.私たちの現実はどうでしょう。

 現実の話に戻ります。「Everything is on the Internet」という言葉は標語としては覚えやすいけど、具体的な行動にはつながりません。でも私たち現場では、そんな曖昧な標語を「部門目標」と称して提示され各自に目標設定するよう強いられていないでしょうか。そんな事をすると1.で述べたネズミたちと同じことになってしまいます。