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マデリーン 亡き王女のためのパヴァーヌ

 シンキングラビットのアドベンチャーゲームです。

 1979年、ふと立ち寄った片田舎の古道具屋で出会った老人。掘り出し物などなさそうなその店に掛けてある一枚の肖像画には、モラビア王エスムラント二世の娘マデリーン妃が描かれていた。
 病床の父を毒殺しようとした悪女、マデリーン妃。しかし、その肖像画に描かれている人物からは、そのような印象はまったく感じられないのだった。
 そして老人は語る。肖像画に魅せられ、400年前の真実を探しに出た旅の話を。

 本作はソフトベンダー武尊から、TAKERU ORIGINAL SOFTとして発売されました。
 『ウィザードアンドプリンセス』へのオマージュというだけあって、ゲーム自体はシンキングラビット作品というより、スタークラフトの初期移植作的なテイストにあふれています。

 もちろんテーマや背景にあるストーリーは、シンキングラビットらしくアダルトな雰囲気なのではありますが、『道化師殺人事件』や『カサブランカに愛を』のイメージを持ってプレイすると、少々拍子抜けするかもしれません。
 そのあたりは好き嫌いがわかれるでしょうが、最後に明かされるマデリーン妃の運命には胸が熱くなるものがあるので、それを見るだけでもプレイする価値は十分にあると思います。
 どこか寂しげな旋律が印象的な、ラヴェルのピアノ曲が似合う作品ですね。

 コマンド入力に対するリアクションは相変わらずのユーモアでいっぱいです。たとえば、道をふさいでいる大岩を動かそうとすると「君はスーパーマンか?」と言われたり、老人を叩こうとすると「育ちが分かりますよ!」などと言われたりして笑えます。

 難易度の高さでも『ウィザードアンドプリンセス』に引けを取ってはいません。ゲーム開始早々から、ワープポイントだらけの森を探索させられて閉口した方も多いでしょう。
 ファンクションキーに設定してあるコマンドで大抵の行動はできますが、アイテムの入手方法や、使用順序などに難しいものが多いですね。
 特に「麻の実」というアイテムは入手&使用方法に悩まされたものです。それもエンディングに直結しているだけに……。

 当時、雑誌広告を見て思ったことですが、本作はソフトベンダー武尊でしか買えないオリジナルソフトということだったんですが、「TAKERU価格3200円」の横にちっちゃく「市販価格7200円」と書いてあったんですけど……市販されてたんですか?

攻略テキストです。プレイできる環境がいまだにある方は、よろしければどうぞ。

88版。中身はすべて同じものです。


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