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ALPHA

 スクウェアのアドベンチャーゲームです。

 エリダヌス座イプシロン星系の惑星アルファへと向かう世代交替型恒星間宇宙船「ダイダロス」。2101年、数万の人々を乗せ地球を旅立った「ダイダロス」は、数世紀の航海を経て、いよいよ目的地へと近づきつつあった。
 ダイダロス船内に造られた「街」。にわかに革命の機運がたかまるその街を見下ろす小高い丘に一人の少女がいた。
 少女の名はクリス。
 記憶をなくした彼女は、これから待ちうける波乱の運命を知ることもなくたたずむのだった……。
 ってな感じのSFアドベンチャーです。

 スクウェアの前作『WILL』同様、『ALPHA』のウリはアニメーションシーンです。
 80年代的美少女ヒロインを体現するようなビキニスタイルの主人公、クリスがレーザーガンを発砲するシーンは、当時かなり話題になりました(ついでに裸で捕まるシーンも話題だった……)。
 さらにすべてのシーンでなんらかのアニメーションがあるというのは、たとえそれがささやかなものだとしても、鮮烈な印象をプレイヤーに与えたのです。

 もう一つ忘れてはならないのは、隠れキャラクターの存在。
 これもまたすべてのシーンに隠されており、ゲームをクリアーするよりも隠れキャラを探すことに熱中したものです。
 ただ、とんでもない発想を強いる場面も多く、すべてのキャラクターを出現させるのはゲーム本編の攻略よりも大変でした。
 「ムネ ミル」だの「パンツ ヌグ」だのといった脈絡もへったくれもないコマンドを、すんなり思いついた方は、相当な人物だと思われます。

 ストーリーは主人公クリスに秘められた謎と、彼女が巻き込まれていく革命を軸に進んでいきます。
 ラストで明らかになる真実は、SF的にはありふれているのかもしれません。しかしそれは、クリスにとっては十分に衝撃的な出来事だったはず。にもかかわらず、その真実が語られてすぐに物語は終わりを告げてしまいます。
 クリスがその真実をどう受け止めたのか、そして彼女はこれからどのように生きていくのでしょう。 
 あとはプレイヤーの想像次第です。

 物語としては一番盛りあがるところでしょうから、このあたりは賛否両論でしょう。。
 しかし意図的にせよ、そうでないにせよ、クリスの感情を描かなかったことで、結果的に余韻を残すことに成功しているのではないでしょうか。
 ラストシーンと、エンディングのクリスが微笑んでいるイラストは、いまでも深く私の印象に残っていますから……。

 どうでもいいですが、キースにもらったゴールドキーを、クリスはいったいどこに隠して警察の検査をくぐり抜けたのか?
 本作発表から十年以上経った現在でも、気になって眠れない夜があります。

 ゲームの難易度はやや高め。強制的にアイテムを没収されてしまうシーンがあり、それを計算しながらアイテム集めをしなければならないのは少し大変かもしれません。
 さらに、移動しても同じ画面が続くという複雑なマップ構成の場面もあり、難度を高めています。

 ちなみに雑誌広告に書かれていた本作の「特長」には
○フルアニメーションアドベンチャーゲーム
主人公は、かわいい少女
○瞬間画面表示0.09秒 美しいグラフィックス
○各画面でのコマンド数は150以上もの対応
○FM音源対応、リアルな効果音、迫力あるサウンド
○マルチウィンドウ表示による持ち物表示
 とありました。ご参考までに……。

 当時、スクウェア、システムサコム、マイクロキャビン、ハミングバードソフト、クリスタルソフト、キャリーラボ、シンキングラビットの7社が、「DOG(DISK ORIGINAL GROUP)」とかいうグループを組み、ファミコンディスク用のゲームを製作することになり、その記者発表関連の雑誌記事に『ALPHA』のファミコンディスク版らしき画面写真が掲載されていたんですが、あれってどうなったんですかね?なんだか期待させげだったんですが……。いや、ファミコン持ってなかったけど。
 画面写真を見ると、PC版の画面の上の方に、目や手、あるいはゴミ箱のようなアイコンが並んでいるというような感じだったんですが、これが発売されていれば面白かったかもしれないですね。ええ、ファミコンは持ってなかったから別にいいんですけどね。

攻略テキストです。プレイできる環境がいまだにある方は、よろしければどうぞ。

88版。中身はすべて同じものです。
確認していませんが、他機種版でも応用可能だと思います。


alpha.txt   alpha.zip

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