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弁当投げまとめサイト>メディア掲載情報

▼8/31 カレーピラフ上原

特集 弁当投げという名の流行

「あんな事してまで、俺が弁当を投げ続ける理由は、・・・単にやめられないのですよ」
喫茶店、我々取材陣に対して、今大会、予選落ちに終わったカレーピラフ上原選手は静かにそう語る。
弁当投げの歴史が始まって十年以上の時がたち、光のあたりはじめたこのスポーツの、裏の部分を知る人は少ない。

某雑誌の表紙に踊った「弁当投げ」という文字は、多くの方にはなじみが少ないものだったのだろう。
しかし、実際のところ競技者人口は存外に多い。あまり注目されないのは、弁当を投げるという行為自体が、
あまり、表に出るには相応しくないというイメージがあったからだ。
だがこの記事を切欠にして、ネットを中心に弁当投げ活動が広がりつつある。
電車男――ネット発のラブストーリーは、一種のカテゴリーにまで上り詰めた。人々はこの新しいものを楽しむ、
本、映画、ドラマ、漫画、それこそ乱発という表現がぴったりに、色々なメディアで取り上げられる。
流行だからと、マイナーのものをメジャーに盛り上げる。こういう傾向を好ましく思わない人々は多い。
弁当投げに関わる者達の心情は複雑だ、いままでごく一部のネットででしか語られなかったコミュニティが、
爆発的に広がる現象は嬉しい。しかし、彼等は本当に弁当投げ大会を愛してくれるのか・・・?
そんな不安をもつ関係者はおおいが、中にはこんな意見もある。
「流行とかそんなのはわかりませんが、ジュニアの部の参加者が増えたんですよ
それがね、審判である私にたいして、今日はたこさんウィンナーで勝負する!って。・・・その笑顔みてると、ねぇ」
スポーツは限られた選ばれし者達の領域だと誰かは言う。
だがしかし、選ばれる者達はおおくは、努力し、才能を開花させ、そして何よりもそのスポーツを愛する傾向にある。
・・・ただ世の中には、もはや愛するという言葉ではかたづけられない、ただ生きてる事が弁当を投げる事と同じ者も居る。
カレーピラフ上原事件、四年前、彼はある選手を殺してしまった。
・・・正確にはそれは競技中の事故であった。スキージャンプ、ボクシング、F1、おおくのスポーツと同じように、
弁当投げもまた命がけの側面があった。四年前、上原選手の投げた懇親のカレーピラフが、ある選手にぶつかり・・・。
それは事故として処理された、しかし、上原選手は、それが自分の感情ゆえに、起こったことだと思っている。
「彼には義理の息子が居たんです、土下座してあやまりました・・・。・・・あやまっても、彼の父は戻ってきません
人を殺すという事は、自分が殺されても仕方ない、そうあやまっていました」
しかし、その選手の息子は何も言わなかったそうである。
一方的な謝罪は二年間続いたが、彼の息子は何も言わなかった。上原選手はその間、弁当投げ大会の参加は自粛していた。
この世界から引退して、ひっそりと暮らす。それが自分の残された贖罪の道だと思っていた。
しかし、去年、町工場で働いてる彼が、休憩中NHKでみたものは、選手の息子の姿である。
「・・・変な話、なんですけど、それを見たら、思ったんです。やばい、投げなきゃいけないって」
三年間のブランクを必死に取り戻す戦いがはじまった、そして今大会、上原選手は復帰した。
結果は予選落ち、しかし、かれと同じ競技場にみまえた選手の息子は、何も喋らないのは同じだったが、
笑ってくれたそうである。
「・・・結局俺は、弁当を投げる事しか、自分が生きていると思えない人間なんです
ひどい話なんですが、あんな事をした後悔も、弁当を投げている時は消えて・・・。・・それ以外のときは、申し訳ない気持ちばかりですが」
今大会で復帰した上原選手、非難の声はおおくある、弁当投げが広めるには、適さない話題でもあるかもしれない。
しかしこれから弁当投げに関わろうとする者はしってほしい、世の中には一つの事が『生き方』と呼べる事がある事と、
そして、取材陣が別に話を聞けた、ある選手の言葉を。
「父が生きてたら言っていたと思うんですよ、いい弁当投げだって」

情報提供 ID:qPYJobq20

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