remove
powerd by nog twitter

約束


この文書は、keyの作品であるKanonのシナリオを基にした二次創作です。


切腹事件後、初めて舞の見舞いに行った祐一。

祐一
「どうだ、時代劇役者になった気分は?」
「…」
祐一
「ごめん、変なこと聞いて悪かった。」
「切腹するのは、相当好きじゃない。」
祐一
「俺もだ。」

他の患者たちは、申し合わせたように再放送の時代劇を見ている。

祐一
「なあ、舞」
「…ん」
祐一
「お前も時代劇見てるのか?」
「時々」
祐一
「そうだよな、お前好きそうだもんな。」
「でも、剣技は私の方が長けている。」
「それに…」
祐一
「それに?」
「敵が一人ずつかかってきたりはしない。と思う。」
祐一
「そりゃ、主役を引き立たせるためだから仕方ないだろう。」
「そうかもしれない」

「…祐一」
祐一
「ん?」
「心配かけた」

そういって俺を抱き寄せた。

祐一
「なあ、舞」
「ん?」
祐一
「風呂入ってるか?」
「まだ」
祐一
「そうか」
「気にするな」
祐一
「そうだな」

祐一
「じゃ、そろそろ帰るから」
「…」(黙って頷く)
「…祐一」
祐一
「ん?」
「退院したら牛丼。」
祐一
「あの晩は食べられなかったからな。」
「…」(黙って頷く)
祐一
「でも、もう切腹するなよ。」
「切腹したら、牛丼が食べられない。」
祐一
「そうだな、約束だ。」
「約束する。」

舞は小指を差し出した。

祐一
「…ゆびきりか。」

こどもじみているが、舞らしいとも思えた。俺と舞の小指を絡めて、引き離す。

祐一
「じゃ、約束だからな。牛丼食う前に切腹するなよ。」
「…」(黙って頷く)

解説

某巨大掲示板に、試験的に投稿した内容をHTML化しました。(2005/3/21)

内容は、ほぼ川澄舞と相沢祐一の会話のみです。