作:◆Tqj41pFNVk
「もう行きますよ、オーフェン。」
そう言って、つややかな黒い髪を持つ、妙齢の女性は階段を下り始めた。
「って、おい、ついさっき登ってきたところじゃねーか!」
オーフェンと呼ばれた男が慌ててその背中に向かって言う。
「あんた達、まだ話は終わってないわよ!」
先ほど分厚い本を拾い上げて――突如宙に浮かんだそれに腰掛けた『弔詞の読み手』マージョリー・ドーの鋭い声が飛ぶ。
「私たちはもう闘う気はありません。めんどうですし、あとはご勝手に。」と白けた返事が返ってきた。
「ちょっと待ちなさいよ!」
「ヒャーッハッハッハー!あの雰囲気、誰かさんにそっくりだな、我が唯我独尊、マージョリー・ドー!!」
「おだまり、バカマルコ」「ブッ」
「何なんだよ、まったく」とあきれた顔をしてオーフェンはすたすたと階段を降りていく女性の後を追った。
「ったく・・・。ところであんたは?」
「私はミズー・ビアンカ。」
「ヒヒ、ここまで運んできてくれた麗しき運搬人だ。」
「そう、一応礼は言っとくわ。それじゃ。」
「ちょ、待ちなさい。その本は一応私の支給品よ。ただであげるとは誰も言ってないわ。」
「そうね、・・・そういえば私の鞄にはこれが入ってたわ。これと交換しない?」
そういって懐から眼鏡のようなものを取り出す。
「なにそれ」
「私も良くわかんないのよ。説明書が付いてたから勝手に読んで。」
「まぁいいわ。それじゃ、そういうことで。」
そう言って、受け取ったミズー・ビアンカは踵を返し立ち去った。
「さて、これからどうするんだ?殺し合いか?我が殺戮の美姫マージョリー・ドー」
「まだ決めてない。・・・そういえば名簿にあのチビジャリの名前があった。少し興味あるし探してみるわ。」
「ヒヒヒ、『炎髪灼眼』か。どういう風の吹き回しだ、我がゴブレット。」
【B-5→D-5/長い石段/1日目・2:30→3:40】
【キノの師匠 (若いころver)(020)】
[状態]:正常
[装備]:パチンコ
[道具]:デイバッグ(支給品入り) ダイヤの指輪
[思考]:南へ向かう
【オーフェン(111)】
[状態]:かなりの疲労
[装備]:なし
[道具]:デイバッグ(支給品入り)
[思考]:師匠について行く。
【B-5/長い石段/1日目・2:30】
【ミズー・ビアンカ(014)】
[状態]:ちょっと疲労
[装備]:なし
[道具]:デイバッグ(支給品入り) 、知覚眼鏡(クルーク・ブリレ)
[思考]:不明
【マージョリー・ドー(096)】
[状態]:肋骨を一、二本骨折
[装備]:神器『グリモア』
[道具]:デイバッグ(支給品入り)
[思考]:シャナ探索。
【残り98人】