作:◆0UImLUsV8k
ゴク…ゴクゴク…
ペットボトルに入った水を嚥下する。
このようなサバイバル状況の下、水は重要な物であるかもしれない。
しかし、ここには自分の命を狙う者が100人以上いるのだ。
そんななか、1kgもあるペットボトルを2本も持って行動するのは致命的だろう。
「プハァーッ…とはいえ、一気に1リットルも飲み干すのはちと至難の業だったな」
宮野秀策は空になったペットボトルを放りながら独り言をつぶやいた。
胃袋が1リットルの水でたぷたぷしているのが自分でも分かる。
「フゥ…とりあえずは茉衣子くんを探すことを第一目的として動くとしようか」
また独りでつぶやき、歩き始めた。
「しかし、このような状況ならてっきり銃が入っているものだと思っていたのだがな」
男達から受け取った黒いデイパックに入っていたのは
食料、水、懐中電灯、地図、鉛筆と紙、方位磁石、時計、参加者名簿、
…そして通常の倍はあろうかという長さを持った両刃の鋏であった。
「こんなもの、危なっかしくて紙を切るのにも使えやせんだろうに…どのような奇人が作ったのだろうな」
独りでつぶやきながら、しかし決して足を止めずに宮野は進み続ける。
少しはなれたところから奇妙な笑い声が聞こえてきたとしても、気にもせずに、歩き続ける。
【D-6/森の中/1日目・0:20】
【宮野秀策】
[状態]:水腹。激しい運動をすると気持ち悪くなることだろう。
[装備]:特に無し
[道具]:デイバッグ(大鋏『自殺志願』はしまいっぱなし。水は一本消費した)
[思考]:一刻も早く光明寺茉衣子と合流を果たしたい。