ファミコン版ゼルダの伝説には、通常よりも遙かに高い難易度を誇る「裏ゼルダの伝説」がある。これは、地上マップこそ同じだが、隠し階段や迷宮の入り口など、細部が表よりも異なる上に、迷宮内の難易度は大きく上がり、「すりぬけられる壁」「赤バブルと青バブル」など表には出てこない仕掛けが多数ある。

その中でも特筆すべきは、迷宮内の「オカネカ　イノチヲ　オイテユケ」。これは、「ハートの上限を一つ減らす」か「50ルピーを払う」かしないと、先に進むためのシャッターを開けてもらえないというものだ。普通のプレイなら迷うことなく50ルピーを支払う。しかし、今回はあえてすべての状況において「ハートの上限を減らす」ことを選択することにした。これと併せて、迷宮内のハートの器もなるべく取らないようにし、命の上限を極限まで減らす「命を置いてくリンク君」で裏ゼルダを攻略することにした。ただし、今回は命の上限にかかわらない制限を一切かけない。そのため、難易度は、当ゲーム研究会の特別天然危険物・ニクリとニクラ氏が言うところの「中級」くらいとなった。

ゲームスタート直後、しばらく地上で金をため、マジカルシールドを先に購入した後レベル１に突入。表では超ザコのスタルフォスが剣のビームを飛ばしてくるためだ。レベル１は青ゴーリアがいる以外特に強調要素なし。また、表同様ここのボス・アクオメンタスを倒したときに現れるハートの器はリンク君の道をふさぐように置かれているため、甘んじて取るしかない。ちなみに、私がアクオメンタスをどのように倒したかは写真を見れば一目瞭然だろう。

次はレベル２。ここには早くもポルスボイスとギブドが登場する。どちらも木の剣では10発の攻撃が必要だ。かつてディスクシステム版でプレイしていた頃は、ポルスボイスは２コントローラーのマイクで全滅させられたのだが、ニューファミコンではこれができない。苦しみながら剣で攻撃した。また、ここでは「すり抜けられる壁」が初登場。どこがすり抜けられるかはマップを見ればすぐ分かると思う。あと、宝物の笛は次の迷宮に入るのに必要となるので忘れないように。ここもそれ以外は強調要素なし。ボスは２本首のグリオーク。こいつは慣れれば木の剣でも十分戦える。なお、ここ以降の迷宮ではハートの器をすべて無視できるので取らないように。

次はレベル３。ここに入るには、レベル２で取った笛が必要となる。そろそろ敵の攻撃が厳しくなってくるので、ブルーリングを買って、防御力を高めておく。また、ここにはエサを欲しがっているゴーリアがいるので、これも準備しておこう。ここはレベル２に比べると楽勝。爆弾の持ち数もきっちり増やしておこう。ボス・ドドンゴはトライフォースの場所から離れたところにいるが、倒すとやはりハートの器を落とす。もちろん取らない。なお、普通にプレイしていれば、そろそろホワイトソードが使えるころだが、ハートの上限が低いためもちろん取れない。

さて、レベル４。ここの敵のメインはタートナック。赤はともかく、青に石像と一緒に出られてはつらい（ブルーリングがある分、ニクリとニクラ氏の「貧弱リンク君」よりはマシだが）。というわけで、例によって入り口付近から剣のビームで攻撃。ある程度敵の数が減ったら爆弾作戦に切り替えてもいいだろう。

さあ、ここには極悪非道の「オカネカ　イノチヲ　オイテユケ」ジジイが初登場だ。もちろん私は喜んで命を差し出した。ディオの目前で自ら首を切断し、血を捧げたヴァニラ・アイスの気持ちが分かるというものである（「JOJOの奇妙な冒険」26巻16〜21ページ参照）。しかし、世界の平和のために戦うリンク君に対して、命を要求するこのジジイ、一体何様なのだろう？

レベル４でイカダを入手したら、レベル５は後回しにして先にレベル６へ向かい、ハシゴを先にゲット。ハシゴは入り口の比較的近くに置いてある上に、宝物の部屋に入るための階段を守っている敵はいない。途中のウィズローブさえうまくかわせれば簡単だ。

で、エサを補充したら今度は一気にレベル８へと向かう。ここにあるマジカルロッドを一刻も早く入手する必要ががあるためだ。しかし、レベル８の迷宮に入るにはハシゴが必要となる。そのために、先ほどレベル６に立ち寄ったというわけなのだ。マジカルロッドは初めの方の部屋にある上に、ここの敵はゴーリアがメイン。大して苦労もせずにマジカルロッドを入手できる。あと、ついでにマジカルキーも入手しておこうか。

マジカルロッドがあると、ロッドのビームが効くゴーリアは楽勝。というわけで、レベル８の迷宮はこのままクリアしてしまおう。ここはザコだけでなく、ボスまでもが弱い。裏ゼルダ・最後の知恵のトライフォースを守るものが、よりによってドドンゴ３匹とは…。むしろ途中に登場するデグドガの方がはるかにやっかいだ。

レベル８をクリアした後は、レベル５を攻略する。ここにはゴーマーが登場する。で、宝物は弓。そのため、事前に矢を買っておかないとスムーズに攻略ができない。しかし、以下の写真のゴーマーとは、何と宝物の弓を取る前に遭遇する。初めて裏ゼルダにチャレンジした人は相当ビビるのではないだろうか。しかし心配ご無用。この下の部屋に弓があるのだ。この弓を装備して先ほどのゴーマーを片づけるというわけだが…落としたものはただのカギ。こっちはマジカルキーを持っているというのに…。

ザコ敵はウィズローブがメインだが、何もなくて素通りできる部屋も多い上に、たとえウィズローブがカギを持っていたとしてもマジカルキーを持っている私には関係ない。ここのボスはグリオーク。レベル８に敢然と突っ込んで入手したマジカルロッドの「柄の部分」で攻撃すればホワイトソードに相当する威力があるため、攻撃面では特に手こずらない。やっかいなのは、敵の攻撃からどのように身を守るかだが、敵のビームは一定のリズムで撃たれている。従って、弾を回避するための行動を起こすタイミングは容易につかめる。また、ここの場合は危なくなったら入り口付近に隠れることもできるため、それほどは手こずらないだろう。

次は先ほどハシゴを取ったレベル６に再チャレンジ。普通のプレイならそろそろマジカルソードが使えそうなものだが、もちろん取らない。というか、取りたくても取れない。

ここの敵もウィズローブがメインなのだが、この迷宮においてはこいつらと戦う必要はない。スキをついて逃げるようにしよう。その時のコツなのだが、部屋の入り口のかなり端っこで待機していれば青ウィズローブが入り口まで入ってきてもダメージを受けない。以下の写真では、画面の左、本当に見えるか見えないかくらいの位置にリンク君は隠れている。ウィズローブはここまで入ってくるのだが、これなら安心。入り口近辺からウィズローブが消えたら、さっさと上の壁に爆弾で穴を開けて逃げてしまおう。ちなみにこの作戦はポルスボイスの時にも使えるが、さすがに画面いっぱいに広がるパタラでは無理だ。

さて、レベル７。ここには「オカネカ　イノチヲ　オイテユケ」ジジイが二人いる。当初の予定ではここでハートの上限を２つ減らし、上限１でデスマウンテンに臨もうとしたのだが…。

なんとハートの上限が３の状態で命を置いていこうとすると、以下の写真のような状態になるのだ。

ハートの上限はどうやら３以下にはならないらしい。これは予想外だった。というわけで、ハートをすべて奪われた状態でこの先を進むことになる。で、先ほどの部屋の下に進むと…いきなりこれである。やれやれ…。

しかし、ここの青タートナックをうまく片づけ、ボスのところまで進んでいる間に、何とかハートを満タンにできた。しかし、この４本首のグリオークがまたくせ者だ。攻略方法は３本首のグリオークと大差ない。ただし、ここでは入り口のシャッターが閉じてしまうため、入り口に隠れることができない。相当な気合いとアクションゲームへの適応性がないと、４本首グリオークの攻略は至難の業だ。しかし、私はマジカルロッドとブルーリングが使えるため、ハートの上限こそ少ないものの、ニクリとニクラ氏の「貧弱リンク君」より幾分楽だ。

さあ、デスマウンテンに突入だ。ここでは「銀の矢→レッドリング→ガノン」というルートをたどるのが最も楽だ。しかし、「命をおいてくリンク君」が少しでも楽をできるように、先にレッドリングを取る。レッドリングを取るためにはウィズローブと戦う必要があるが、こいつらはすべて爆弾で始末する。で、レッドリングを取ったらいったん撤退。命の水を買うのだ。ハートを３回復するためだけにこれだけの金を払うのは、何とも割に合わないような気がするが…。

で、次は銀の矢をとる。銀の矢は以下の部屋にある。このとき、運良く赤ウィズローブが時計（通称「タンマウォッチ」）を落としてくれたため楽に行けると思ったのだが…何とちょっと前にふれてしまった赤バブルのせいで剣が出ないではないか！　しかも、爆弾の残り数も２…。泣く泣く青バブルを探して剣を出せるようにし、それからこの部屋を再度攻略することにした。

２つの宝物さえ取ってしまえば、たとえ裏のデスマウンテンであってもガノンのところにたどりつくのは容易だ。ウィズローブを倒さないと先に進めないという部屋はない。要所要所ではパタラが道をふさいでいるが、こいつらは一度倒せば二度と出てこない。従って、ガノンに２度目以降のチャレンジをするときは、ハートを満タンにして挑めるというわけだ。「ハートを満タン」といっても、所詮は３，具体的には「小さな妖精さんでも体力全快」くらいでしかないのだが。

さて。ガノン。攻略方法はニクリとニクラ氏の「貧弱リンク君」とほぼ同じなので割愛する。ニクリとニクラ氏とは異なり、私はかなり手こずったが、ガノンを15回斬りつけ、なんとかガノンを銀の矢で始末することができた。

ついにゼルダ姫とのご対面だ。体力に比較的余裕があったので、「わざと炎に触れ、その直後の無敵時間を利用して炎を消さずにゼルダ姫を助けて」みた。

というわけで、今日の結論。「ハートの上限が３でも裏ゼルダはクリアできる！　マジカルソードなど弱いヤツの使う武器だ！　モット　イノチヲ　オイテイケ！」。異常、もとい以上。【生きていたエアリス】