remove
powerd by nog twitter

神戸大学独立非公認団体
logo.gif (4187 バイト)

もっと!モット!ときめき'99

これは、「ときめきメモリアル2」のオープニングテーマ「勇気の神様」のC/Wとして収録されている曲だ。曲自体は、「ときめきメモリアル」の「もっと!モット!ときめき」を、陽ノ下光役の野田順子が歌ったリテイクバージョンとなっている。とまあ、ここまでは誰でも知っていること。ここでは、さらに突っ込んだ視点から「もっと!モット!ときめき'99」を解説していきたい。

まず、この曲は「もっと!モット!ときめき」(以下原曲)よりキーが高くなっている。原曲のキーはCなのだが、この曲はそれより短3度高いE♭となっている。原曲のボーカルを担当する金月真美より、野田順子の方がより高いキーをこなせる(逆に言えば、原曲キーでは低すぎて苦しい)ことが原因だろう。

 

◇Playing analysis for guitar

曲を通して2本のギターが使われているが、音質から判断してどちらもシングルコイルのPUを積んだギターを使っているようだ。フェンダーのストラトキャスター(写真右)が代表的だが、これなら誰でも持っているだろう。バンドでやるならこれでいい。もっとも、「CDを超える激しいバッキングをしたい!」というのならギブソン・レスポールなどを使う手もあるが、これだと確実に元のイメージはなくなってしまう。

まずイントロのフレーズに注目してもらいたい。これは、「付点8分のディレイ」をかけてプレイしている。ディレイとは、ピッキングした音が、つまみで合わせた時間後(ディレイタイム)に再び鳴るというエフェクターだ。ただし、これはディレイタイムを正確に合わせることで初めて効果的な音を出す。ディレイタイムは、曲のテンポを使って計算する。以下にディレイタイムを計算する方程式を挙げておこう。

【ディレイタイムの方程式】
曲のテンポをx、1拍をミリセカンドとして、まず1拍が何ミリセカンドか計算する。その式は、
=60000/x
ここで、ディレイタイムをDとすると、
(1)8分ディレイの場合…D=(1/2)×
(2)付点8分ディレイの場合…D=(3/4)×
(3)4分ディレイの場合…D

この曲のテンポは156なので、付点8分ディレイをかけるならエフェクターのディレイタイムを288ミリセカンドに設定するとよい。ただし、これはあくまで計算上の話で、多少数字がずれていてもその方が曲の雰囲気を伝えられることもある。ここでの計算結果は参考程度にしてもらいたい。

 


ボーカルが入ってくるところ以降(CD Time: 0:13〜)では、ギターはバッキングに徹している。しかし、キーがE♭であるため、普通にコードストロークをするとバレーコード連発となり、非常に苦しい。ギター弾き語りをやるのなら3フレットにカポをつけて原曲のキーで弾けばよいが、バンドサウンドにカポは似合わない。そこで、パワーコードのカッティングで押し切るという手もある。これはこれで迫力があるので、バンドのギタリストにはぜひ試してもらいたい。また、もしギターが2人いるなら、もう一人のギターはイントロで弾いているフレーズをコード進行に合わせて展開していけばよいだろう(これはCDをよく聞くと実際に使われているのが分かる)。

CDではBメロにギターが入っていないが、キーボードで裏メロが弾かれている。バンドでやるならこれをギターで弾こう。ここのエフェクトはナチュラルトーンか、コーラスを軽くかける程度がよい。ただし、サビ前のフレーズではディストーションに切り替えよう。

ギターソロ(CD Time: 2:58〜)の難易度はそれほど高くないだろう。イントロで使ったエフェクトのまま弾き通せばよい。

◇Playing analysis for bass

小刻みに動くところもあれば、スライドを使って一気にハイフレットまで上がり、フィルを決めるところもあるなど、難しいがやりがいのある、非常にかっこいいベースラインとなっている。この曲のベースライン自体が一つのメロディを持っていると言っても過言ではないくらいだ。

とりわけ、サビの「♪制服のリボン〜」(CD Time: 1:16〜)での、大胆なスライドは必見。さらにそれが2番になると(CD Time: 2:45〜)、1番よりもさらに高い音までスライドし、しかもそこで8分のミュートを入れ、非常にグルーヴィーなベースラインになっている。Aメロ、Bメロでは比較的淡々と8ビートを刻むラインだけに、ここでの大きなスライドが生きるのである。

実際に弾くなら、私はピック弾きをおすすめする。アタック感を出すためだ。サビでのスライドをからめたフレーズはとにかく練習あるのみだろう。また、サビ前のコーラス(「Take the chance!」など)はベースとコーラスのユニゾンとなっている。16分を刻むのはここだけだが、リズムがぶれないように。あと、もしフレットレスベースを持っているなら、スライドが非常にかっこよくなるので、使ってみるのも一興だろう。

◇Other topics

この曲はコーラスが大事だ。ギタリストでもベーシストでもいいから、コーラスをしよう。最低でも「Take the chance!」などは絶対にボーカル以外の人が声を出すこと。ドラムはタム中心に8ビートを組み立てるのがいいだろう。

文責【生きていたエアリス】