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ファンタジーゾーン(ファミコン版)徹底攻略
序章(プロローグ): 「ファンタジーゾーン」ってどんなゲーム?
「ファンタジーゾーン」。この名前を聞いてピンと来る方がどれくらいいるのだろう
か。ファミコンで発売された1987年は売上ランキングで初登場1位を達成したにもか
かわらず、意外と私の周りでの知名度は低い。しかし、さすがは当時の大ヒットゲーム。
実は、よく作りこまれた名作なのである。
ファンタジーゾーンは、1986年にセガが制作、翌1987年にサン電子がファミコンに移
植、発売した横スクロールのシューティングゲーム。いわゆる「バリバリの横シュー」
である。
このゲームにアイデンティティを持たせているのは、「敵を倒すことでお金を入手し、
それによって自機の装備を強化する」というゲームシステムである。まるでRPGの
ように買い物ができ、そこでどのような装備をするかによってゲームの展開が大き
く変わる(写真は店の様子)。ゲームに戦略性の要素を取り入れることによって、
ファンタジーゾーンは単なる「撃ちまくるだけ」のシューティングゲームと一線を画す
ことに成功したのである。
ゲームは、各面にある8つの「前線基地」を破壊した後に登場するボスと戦い、ボス
を倒すと1面クリアとなる。この展開は7面まで続く。最後の8面では今までのボス
すべてと再度戦い、そしてラスボスとの最終決戦を迎える。
ショップでの買い物は、基本的に1〜7面では前線基地破壊のために行なわれる。と
いうのも、ビーム系の武器には15秒の時間制限があり、ボム系の武器は所持数分しか
使えないためである。そのため、プレイヤーには「前線基地破壊時には戦略的なプ
レイスタイル、ボス戦ではシューティング本来のプレイスタイル」が求められる。し
かし、戦略の立て方次第ではボス戦に装備を持ち込むことができる。どの武器をどの
ボスに持ち込むか…これを考えることこそが、ファンタジーゾーンの最大の魅力なの
かもしれない。
ゲームの難易度だか、「易しくはないが、決して難しいわけではない」といったとこ
ろだろうか。確かに、初めは敵の理不尽な高速化、ザコの弾の正確さ、ボスが吐く圧
倒的な数の弾、前線基地の異様な堅さに苦しむ。しかし、これらはすべて「慣れ」に
よって解決できる程度のものでしかない。コツさえつかめば、意外とあっさりクリア
できるのではないだろうか。
唯一気に入らない点は、ボスに殺された時、次のプレイが初期装備でボスと戦うとこ
ろからスタートするところである。初期装備でも何とか勝てるボスも多いのだが、3
面のボスは撃破困難、7面のボスに至っては撃破ほぼ不可能ときている。つまり、7
面のボスでミスをすると、その時点でゲームオーバー確定となってしまうのである。
これはいくら何でも理不尽すぎる。
本章:ファンタジーゾーンを攻略せよ!
さて、どうやらこのゲームをまともにクリアできるのは、少なくとも我がゲーム研究会
には不肖この私・生きていたエアリスしかいないようだ。ずば抜けて難しいゲームでは
ないと思うのだが…。しかし、このような現実をつきつけられた以上、「ファンタジー
ゾーンは難しいゲームだ」と認識せざるを得ない。そこで、私なりの攻略法を以下に
示すので参考にしていただきたい。
1面
ツインボムズとスピードアップ系アイテムがあれば楽勝。ボス・スタンバロンは口を
あけている時にショット16発(ボム4発)。敵の弾は大きく上下に動けば簡単にかわ
せる。ただし、ザコ敵の「いぬ」(下の写真)には要注意。突然高速化する。画面内に
いるときならいざ知らず、画面外から突然高速化してオパオパを襲って来るという
のだからたまったものではない。十分気をつけよう。
2面
この面から常に敵が弾を撃つ。敵の弾の正確さには要注意。基本的にザコが寄ってき
たら、前線基地破壊を後回しにしてザコを破壊すること。初心者はこの面でレーザーを
使うといいだろう。
ボス・ボランダは弾の雨を降らして攻撃。これをかわしつつ、内部のコアををツイン
ショットで破壊。ただ、ごくまれに「絶対にかわせない」配置で弾が来る。このときは
あきらめて死ぬしかない。心配しなくてもこの面のボスは初期装備で十分戦える。
3面
この面は7ウェイショットが便利。魚みたいな形のザコ(写真左)を楽に全滅できる。
また、この武器は前線基地破壊にも絶大なる威力を発揮する。接近すればするほど
こちらの弾が数多く当たり、前線基地を早く破壊できる(これも写真左を参照)。
ただし近づきすぎには要注意。また、写真右の右上の方にいるザコ敵には要注意。
前線基地をすべて破壊しても、画面外にこいつが潜んでいるとボスが現れない。
こいつはかなりうざい動きをするが、焦らないこと。
ボス・コバビーチは強敵。砲台が弱点だが、一つを破壊するのに何とショット32発。
真正面から攻撃するのは危険なので、上からツインボムズで根気よく破壊する。
万一、このボスと初期装備で戦うことになったら、初めの数発のレーザーをやり過
ごしたあと、ボムとショットで同時攻撃。少々危険だが、ちんたら戦っているとしびれを
切らしたボスがオパオパに向かって突進してくる。こうなってしまうと勝ち目はないので、
「肉を切らさず骨を断つ」くらいの気持ちで早めに倒してほしい。なお、こいつはヘビー
ボムを使うことで瞬殺が可能。詳しくは8面攻略時に紹介する。
4面
この面はレーザーが絶大なる効果を発揮する。レーザーを買って、地面に下りて一匹
ずつ地上に貼りついた前線基地を破壊していけばよい。調子が良ければレーザーがな
くなる前にボスに行くことさえ可能。ただ、突如オパオパを取り囲むように現れるハ
エだけには要注意。少しでも反応が遅れるとジ・エンドだ。
ボス・クラブンガー(私は「グリオーク」と呼んでいる)の弱点は上下の腕。この
ゲームには珍しく、正統派のボス。弾をかわしつつ、ショットを撃ち込めばいい。
弾は上下の動きを中心にかわし、左右の動きは補佐的に使えばいいだろう。
前線基地破壊時に使用したレーザーが少しでも残っているとグッと楽になる。
なお、こいつもヘビーボムを使うことでかなり有利に戦える。これも8面攻略時に
紹介しよう。
5面
この面以降は前線基地が非常に堅くなっているので、7ウェイショット+レーザーが
必要。7ウェイショットを先に使い、できるだけ多くの基地を破壊する。レーザーに
なった後はザコの攻撃を食らいやすくなるので慎重に。とはいえ、この面は装備さえ
きちっとしていればそんなに手こずらずにボスまでたどり着けるであろう。
ボス・ポッポーズは小8体、中4体、大2体、特大1体と順番に戦う。これも割と正統派の
ボスで、前から順番に倒していくだけ。序盤は上から奇数番目ないし偶数番目の
ポッポーズを先に倒すのがコツ(1、3、5、7番目から、といった具合)。こうすれば後ろに
待機している連中は弾を撃ってこない。なお、ボス登場時までレーザーが残っていれば
初めの小さい連中を瞬殺し、特大を速攻で出すことも可能だ。
特大ポッポーズは、真正面から打ち合っていると非常に辛い。しかし、実はポッポーズ
のあたり判定は非常に小さく、以下の写真の位置にまでオパオパが突っ込んでも
大丈夫なのだ。そこで、特大ポッポーズが出てきたら、それの周りをクルクル回るように
動きながら攻撃すると、ポッポーズの弾をかわしながら安全に攻撃することができる
のである。
6面
敵の攻撃が極めて激しい。前線基地が発射するザコは変則的でかつ速い動きを見せる
ので要注意。また、3面に出てきた魚も再登場。7ウェイがあれば安心だが、きれた
後は慎重に。
ボス・ウインクロン(私は「虹野沙希」と呼んでいる)は時計回りに回る3本の腕の中心に
ある目玉が弱点。回転する腕に当たらないようにしつつ目玉にショットを撃ち込むめば
いいだけだが、モタモタしていると回転が速くなってきて、手におえなくなる。しかし、
実はこのボスはコツさえつかめば初期装備でも何とかなる。初期装備の時は目玉の
すぐそばを小さく回転すればいい。移動速度が遅い分は移動距離を短くしてカバー
するわけだ。慣れれば楽勝のボスである。
7面
6面同様、7ウェイで暴れまくる。ただ、この面はハエが再登場。前線基地の破壊だ
けに夢中にならないこと。ザコが突然画面外から高速化して現れたり、6面の前線基地
が発射するザコがうじゃうじゃいたりと、敵の攻撃もかなり激しい。
ボス・アイダツーは合体→分裂を繰り返す顔。合体時にのみ攻撃判定、食らい
判定がある。後半は合体→分裂のスピードが鬼のように速くなるため、何とか
短期決戦に持ち込みたい。ショットとツインボムズを同時に撃てば少々連射力が
低くても何とかなるだろう。なお、このボスはジェットエンジン以上のスピードが
ないと、まず間違いなく高速化時の敵の攻撃をかわせない。従って、ボスでの
ミスは絶対に許されないのである。
8面
スタート時に必ず店に入れる。この面ではまず1〜7面のボスと順番に戦う。この面
に関しては、途中で死んでもそこから再開され、しかも店に入れるため、死んだ後は
かなり楽。この面では、まずはヘビーボムを3つ買おう。まずは対コバビーチ戦で使用。
こうすればこいつは即死だ。レベル5デスのような爽快感を感じるのは私だけではあるまい。
次はクラブンガー。まともにショットだけで撃ち合うとつらいので、登場直後に脳天から
ヘビーボムをブチかます。こうすればかなりのダメージを与えることが可能。あとは
ショットで地道に戦えば何とかなるであろう。
さて、この状態だとアイダ・ツーでボムが使えないため、かなりの苦戦を強いられる。
連射力に自信があればショットだけでもギリギリ勝てるのだが、そうでないときは
ここでわざと死ぬ。で、再度店に入ってジェットエンジンとヘビーボムを買い直し、
7ウェイショットないしレーザーをついでに準備する。アイダ・ツーはこれらがあれば
楽勝だ。このゲームはシューティングだが、連射力のない人でも戦略次第で
十分乗り切れるということを如実に示している事例であろう。
さあ、ラスボスだ。ラスボスは、バイ菌のようなものを先端につけたでパイプで
オパオパに攻撃してくる。敵の食らい判定・攻撃判定ともにこの先端にしかない。
パイプがあるところより向こうにはオパオパは移動できないが、パイプに触れても
大丈夫。
ラスボスを撃破するためには、このパイプを6回破壊すればよい。1回目はショット
4発、2回目以降は前回より4発多いショットを撃ち込む必要がある。1、2、3、4
回目のパイプは特に強調材料がない。パイプの先端に当たらないよう注意しながら
地道にショットを打っていけばよい。
5回目の攻撃からは少々コツがいる。5回目のパイプは、「登場直後、まっすぐ左に移動。
Y軸がオパオパと一致したら、オパオパのいる方向に向かって縦移動。画面の上端ないし
下端に突き当たったら、再び横移動、再びY軸がオパオパと一致したら、オパオパのいる
方向に向かって縦移動」という動きをする。この動きが結構速いので、ショットを撃ち込む
のは大変だ。しかし、この動きの特性さえ理解できれば実はそれほど恐くない。
まずは以下の写真をご覧願いたい。
まずはパイプを一番左まで誘導し、パイプが上に向きを変えたらすかさず画面右上に
移動。パイプはオパオパに向かって突進してくるので、パイプの先端に当たるギリギリ
までショットを撃ち込む。当たりそうになったら、今度は左下に移動。再び突進してくる
ので、またショットを撃ち込む。ギリギリまで撃ち込んだ後は再び画面右上に移動。
これを繰り返せばいいというわけだ。
さて、最後の6回目。こいつの動きの特性は、「登場直後、まっすぐ左に移動。オパオパと
X軸かY軸かのどちらか一方が一致した時点で向きを変え、オパオパに超高速で襲い
かかってくる」というものだ。要するに、「超高速で延々とオパオパを追い続ける」という
もの。このスピードはジェットエンジンくらいでは逃げ切れない。
というわけで、ここで最後のヘビーボムを使う。まずは画面左上にササッと移動し、
パイプが向きを変えたら即ヘビーボムを落とす。こうすればあっけないほど簡単に
倒せるが、だからといって「ラスボス、最後は弱い」などと思わないようにしてもらいたい。
この方法は、真正面からこいつと撃ち合って撃沈し、幾度も苦汁をなめさせられた
末に思いついたもの。まさに「コロンブスの卵」なのである。
終章(エピローグ):ファンタジーゾーンは「永遠」に…
あとは感動のエンディングが待っている…が、それよりもむしろ感動的なのは、いわゆる
「裏面」だ。残機ゼロ、物価は上がったまま、敵の弾は高速化と、ただでさえ高い難易度が
さらに高められた状態で1面が始まるのだ。
裏面のコツとしては、「極力表面で買い物を控え、インフレを防ぐ」くらいしか挙げられない。
特に残機は絶対に$2000のまま裏面に臨む必要があるだろう。ちなみに裏面をクリア
すると、エンディングの後再度裏1面からの開始となる。画面下ステータスバーの「RD.」
は通算の面数を数えてくれるので、どこまで先に進めるかチャレンジしてみるのも
一興だろう。
ちなみに私はRD.26まで進んだ。しかし、これに満足することなく、「神戸大最強の
ファンタジーゾーンプレイヤー」を名乗るにふさわしい人物となるべく、さらに上を
目指したいものだ。【生きていたエアリス】