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         大魔界村 無血開城・ロースコアプレイ

        「ファイアーエムブレム ジェイガンの謎」

 

j01.gif (7016 バイト)  今日はいい天気ですなあ、旅のお方。…ああ、申し遅れました、私、アリティアの王子マルス様にお仕え申し上げ、アリティア騎士団団長を務めさせていただいております、騎士ジェイガンと申します。ですが、最近はもっぱら掃除や洗濯、食事の支度などといった、敵軍との戦闘以外の仕事を頂いております。私、これでも一応パラディンなんですけどね…。マルス様初陣の際に愛用していた銀の槍を接収されて以来、武器を持たされないまま敵兵に対しての壁役に使われたり、敵の増援部隊の出現ポイントを塞ぐのに使われたりと、全く戦闘経験の無いまま戦場を転々としてきました。最近にいたってはその役目すらも若い新兵達に奪われる始末。これは、最近ナウなヤングにバカウケの、リストラとかいうやつでしょうかのう…。やはり、私が年寄りでこれ以上のステータスアップがまず望めないことが、マルス様のお気に召さないのでしょうか。 ……もしや、私の肩当てに付いているトゲトゲがお気に障るのでは? これ、ゴム製ですので、近くに寄っても刺さったりはしないのですが…。私の自慢のオシャレアイテムですし、これを外すのは勘弁して欲しいのですが、どうしたものでしょうかのう…。

 …ところで、以前に妙な出来事がありましてなあ…。この年寄りのたわ言、聞いてはもらえませんでしょうか?

j02.gif (7165 バイト)  マルス様の初陣、タリス島の戦場においての出来事でした。マルス様は最寄の村から上納金を接収されるおつもりのようでしたが、近くに盗賊が潜んでいたようなのです。マルス様は、盗賊の持つ40という経験値に目をギラつかせ、舌なめずりをされながら盗賊退治に向かわれたのですが、マルス様が訪れる前に、村が盗賊に荒らされでもしたら大変です。私の首が100個とぶぐらいでは済みません。慌てて村の入口を塞ぎに向かいました。

 …今思えば、あの時私が「大魔界村 ここより2km先」と記された標識に気付いていれば、奇妙な世界に踏み込んでしまうことも無かったのではと、今更ながら悔やまれます…。

01.gif (11219 バイト)  村に入ると、驚いたことに、そこは妖怪変化の住処と化していたのです。妖怪どもは私の姿を認めると、まるで私が親の敵であるかように襲い掛かってきました。されど、これでも先代アンリ王の治世には、マムシのジェイガンと恐れられた私です。妖怪ごときにビビッたりはしません。ですが何ということでしょう、愛用の銀の槍を取り上げられた私には武器がありません。妖怪どもを素手で絞め殺せるくらいの腕力や胸力があれば別ですが、「ちから:7」の私にはそんな芸当はできません。妖怪どもを全てかわして村の出口へ向かう、それが武器の無い私に与えられた、ただ一つの選択肢だったのです…。

 村の入口を進んでいてまず出くわしたのが、死神の姿をした物の怪でした。地面を掘り起こしては私の方へと向かってきます。私も老いましたが、まだお迎えが来るほど老け込んではいません。死神を跳び越え、墓石を踏み荒らしながら駆け抜けます。こんなところでモタついてはいられません。

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 土手が見えてくる頃には、私の屍肉でも狙っているのでしょうか、ハゲタカが襲ってきます。まだ私は死体ではないのですが…。そんなことにはお構い無しのようです。ハゲタカは後ろに跳んだあと、こちらを捕捉して飛んで来ますが、こちらが走りつづける限りは追いつくことはできません。私の「いどうりょく:10」は伊達ではありません

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 土手の下を走りつづけていると、土手の上から食人花が食べカスの頭蓋骨を3つ吐き出しますが、走りつづけていれば私に命中することはありません。フルオートマチックのギロチン台が私の首を狙っていますが、走りつづけていれば丁度いいタイミングですり抜けられます。私にできることは、ただ走りつづけることだけなのです。ただし、2つ目のギロチン台だけは、手前で一瞬立ち止まってタイミングを計りました。ここだけは、走り抜けると刃のエジキになってしまうタイミングだったのです。この瞬間、私はなぜかジパングという国にカラテカというヒーローがいた事を思い出していました。

06.gif (16215 バイト)  このすぐ後、大きな木が見えてきます。しかし、この木にはこれでもかと言うぐらいにハゲタカがとまり、私を凝視しています。が、ここでビビッてはいけません。とにかく走り抜けるだけです。

 何度も言いますが私は「いどうりょく:10」なのです。たくさん群がってくるハゲタカを引き連れたまま、ギロチンの下を駆け抜けます。

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 つり橋を渡ると、そこは嵐の吹きすさぶ草ッぱらでした。向かい風の中走っていると、何を思ったかハゲタカ達が追跡を止め、上空へと飛び去ってゆきます。ラッキーが働いたのでしょうか。もっとも、私は「うんのよさ:1」ですが。カマイタチの化物が向かってきますが、構わず走りつづけます。

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 嵐が止む頃には、小高い丘が視界に飛び込んできます。一見して障害物が無さそうに見えますが、走っていると突然足元から食人花が出てきて、頭蓋骨をバラまきます。出現と同時に跳び越して先へ。

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 食人花3つに囲まれたエリアを抜けるのは至難の技でした。まず始めの1つ目を頭蓋骨ごと跳び越え、すぐさま上の段へ飛ぶ。飛び交う頭蓋骨の下をくぐり、上段右の花を跳び越す。…あぁ、しんどい。上級職にして「HP20」しかない私の体にはこたえます

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 ハシゴがありますが、その先には豚の化物が待ち構えており、すんなりと通してくれそうにはありません。花が出たところを跳び越し、豚がジャンプした下を通り抜け、即座に反転して豚の背中スレスレをよぎってハシゴを登る。登った後は慌てず一瞬待って、花の吐いた頭蓋骨を避ける。再び豚のジャンプの下を抜け、丘を下る。

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 丘を下った先に私を待っていたものは、これまでの妖怪とうって変わって飛び切りデカい奴でした。白目まで剥いてかなりテンパッたツラ構えです。これまでのように闘わずに済ませたいのですが、コイツはここの親分格の化物らしく、倒さない限り私を通してくれそうにありません。しかし何度も申し上げたように、私には武器がありません。しかしながら、私は「ぶきレベル:10」です。いざというときには、なんでも武器にできます。そこらへんの石ころを拾っては投げ、デカい奴をしとめたというわけです。今思えば、コイツは私が唯一マトモに闘った相手だったのです。しかし、コイツは私に経験値(スコア)を与えてはくれませんでした…。

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23.gif (13073 バイト)  ……ともあれ、村の出口に辿り着いた私は、無事に戦線復帰を果たすことができたというわけなのです……。

 何度かこの出来事を仲間の兵士に話そうかとも思いましたが、信じてはもらえないでしょう。「きずぐすり」のヤリすぎではないか?などと心配されるのがオチです。老兵は死なず、ただ去り行くのみ。今後もアリティア軍のベンチウォーマーとして、裏方に徹してゆくつもりです。 ……肩のトゲ、カッコ悪くないですよね?

                                        文責  アルゴスで戦死