インターレース縞とフィールド(対応フィルタ編)(2003/11/19更新)
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フィールド情報を残したままで使えるフィルタは、「どういうアルゴリズムなのか」を考えてみました。
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前回の「インターレース縞とフィールド」から、
フィールド情報を正しく扱うと、インターレースエンコード後のファイルでもインターレース解除ができることがわかりました。
では、フィールド情報を保てるフィルタは何なのかを今回は探ってみます。
フィールド情報を保てる=DVD-Video用MPEG2エンコード時のフィルタに使えるということです。
VFAPIがフィールド情報を保ってくれる、という定義は当たり前のように使います。
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フィールドが保たれているかどうかを判定するのに、AviUtlのインターレース解除機能を用いて実験していましたが、
プログラマーであるmopuさんのご好意により、簡単に識別するフィルタを頂きました。mopuさんに感謝。
○トップ・ボトムフィールド表示フィルタ ダウンロード○
注意:他のホームページ等からzipファイルに直接リンクしないでください。
使い方
AviUtlのプラグインです。AviUtlと同じフォルダ、または「Plugins」フォルダに入れると使えます。(またその下の階層でも良い)
フィールド対応判定方法
まずは、全てのフィルタを切ります。(サイズ変更、インターレース解除、フレームレート変更、etc・・・)
そして、AviUtlのプレビューをONにして、トップ・ボトムフィールドの表示フィルタを立ち上げます。
この表示フィルタは、上がトップフィールドで下がボトムフィールドの映像です。
「AviUtlのプレビュー」を見ながら、縞が激しいフレームを探します。
すると、トップフィールドとボトムフィールドの映像が違うものになります。
例:jumpersample01.m2vの97フレーム目。縞が出ているシーンでは、トップ・ボトムフィールドの映像が違います。
これに、使いたいフィルタをかけて、トップフィールドとボトムフィールドの映像が干渉してない場合は、
フィールドが保たれていると言えるでしょう。
フィルタが明らかにフィールドの関係を崩すと、トップとボトムフィールドが干渉して残像が激しくなります。
この状態をフィールドが保たれていないとします。実際色々なインターレース動画でフィールドを見てみましょう。
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例:フィールドが保たれている場合
jumpersample01.m2vをAviUtlのサイズ変更で、横解像度を640→352にした場合。
両フィールドとも違う映像であり、フィールド情報は保たれている。
この状態でフィールドエンコード対応のMPEG2にすると、トップとボトムの状態がそのまま受け継がれ、
インターレース解除できて、残像の無い動きになる。
例:フィールドが保たれていない場合
jumpersample01.m2vをAviUtlのクリッピング&サイズ変更で、縦解像度を480→479にして480に戻した場合。
両フィールドとも残像が出てしまっている。フィールドとしての機能がなくなっている。
この状態でフィールドエンコード対応のMPEG2にしても、インターレース解除できない。
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1、拡大、縮小、クリップフィルタ編
一般的に、縦解像度(Y軸方向)の情報を崩すとインターレース解除ができない事がわかっています。
jumpersample01.m2vを使って実験してみましょう。
方法:jumpersample01.m2vをMPEG-2 VIDEO VFAPI Plug-In経由でAviUtlに読込みます。
AviUtl側の設定は「トップ→ボトムフィールド、インターレース解除なし、フレームレートの変更無し」にします。
また、他のフィルタ全てを切ってください。全部切れたら、トップ・ボトムフィールド表示フィルタを起動します。
次に、Y方向の拡大をするために「クリッピング&リサイズ」の設定をします。そして93フレーム目に移動しましょう。
トップ・ボトムフィールド表示プラグインを見ながら、640×480にリサイズしながら上か下をクリッピングしてみて下さい。
両フィールドにあるはずの無い、残像と縞が見えるようになると思います。
この状態では「フィールドが崩壊」しています。つまり、クリッピングはY方向(上下方向、縦方向)にした場合は、
確実にフィールド情報が無くなります。
次に、X方向も拡大してみましょう。640×480にリサイズしながら左か右をクリッピングしてみて下さい。
ただ、左右に伸びるだけですね。この状態だと、フィールド情報は受け継がれます。
結論:縦方向のクリッピングはフィールドを壊す。横方向はフィールドを壊さない。
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2、AviUtl静止画ノイズ除去フィルタ編
jumpersample01.m2vを使って実験してみましょう。
方法:jumpersample01.m2vをMPEG-2 VIDEO VFAPI Plug-In経由でAviUtlに読込みます。
AviUtl側の設定は「トップ→ボトムフィールド、インターレース解除なし、フレームレートの変更無し」にします。
また、他のフィルタ全てを切ってください。全部切れたら、トップ・ボトムフィールド表示フィルタを起動します。
そして93フレーム目に移動しましょう。
トップ・ボトムフィールド表示プラグインを見ながら、ノイズ除去フィルタを設定してみてください。
強すぎると、トップとボトムの映像が混じります。
この状態では「フィールドが崩壊」しています。弱めだと、残像が出ないと思いますが、微々たるところで、
「フィールドが崩壊」していると思います。しきい値が近い場合は要注意です。(ただししきい値が近いと縞自体が見えない。)
結論:強くかけるとフィールドどころか映像を壊す。弱くても両フィールドに干渉しているので注意。
できることなら使わないほうが良いと思われる。
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3、AviUtl時間軸ノイズ除去フィルタ編
jumpersample01.m2vを使って実験してみましょう。
方法:jumpersample01.m2vをMPEG-2 VIDEO VFAPI Plug-In経由でAviUtlに読込みます。
AviUtl側の設定は「トップ→ボトムフィールド、インターレース解除なし、フレームレートの変更無し」にします。
また、他のフィルタ全てを切ってください。全部切れたら、トップ・ボトムフィールド表示フィルタを起動します。
そして93フレーム目に移動しましょう。
トップ・ボトムフィールド表示プラグインを見ながら、ノイズ除去(時間軸)フィルタを設定してみてください。
強すぎると、トップとボトムの映像が混じります。
しかし、ここまで強くするとAviUtlの標準のプレビューでも残像が出ますね・・・
弱めだと、残像が出ないと思いますが微々たるところで、「フィールドが崩壊」していると思います。
しきい値を大きくしなければ、大丈夫かもしれません。
結論:強くかけると映像自体を壊す。弱い場合は範囲内で用いる事が可能である。
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4、ぼかし&シャープフィルタ編
jumpersample01.m2vを使って実験してみましょう。
方法:jumpersample01.m2vをMPEG-2 VIDEO VFAPI Plug-In経由でAviUtlに読込みます。
AviUtl側の設定は「トップ→ボトムフィールド、インターレース解除なし、フレームレートの変更無し」にします。
また、他のフィルタ全てを切ってください。全部切れたら、トップ・ボトムフィールド表示フィルタを起動します。
そして93フレーム目に移動しましょう。
トップ・ボトムフィールド表示プラグインを見ながら、ぼかしフィルタを設定してみてください。
中程度の強さでも、トップとボトムの映像が混じります。
トップフィールドの絵の中に、黄色い円の残像がありますね。この状態では「フィールドが崩壊」しています。
次にトップ・ボトムフィールド表示プラグインを見ながら、シャープフィルタを設定してみてください。
中程度の強さでも、トップとボトムの映像が混じります。
明らかにトップフィールドにボトムフィールドの影が映っています。この状態では「フィールドが崩壊」しています。
結論:ぼかし、シャープフィルタともフィールドに干渉しているので使ってはいけない。
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5、色調補正系フィルタ編
jumpersample01.m2vを使って実験してみましょう。
方法:jumpersample01.m2vをMPEG-2 VIDEO VFAPI Plug-In経由でAviUtlに読込みます。
AviUtl側の設定は「トップ→ボトムフィールド、インターレース解除なし、フレームレートの変更無し」にします。
また、他のフィルタ全てを切ってください。全部切れたら、トップ・ボトムフィールド表示フィルタを起動します。
そして93フレーム目に移動しましょう。
トップ・ボトムフィールド表示プラグインを見ながら、色調補正フィルタを設定してみてください。
ピクセルでの処理のため、フィールド相互関係が無いので使っても大丈夫でしょう。
この状態では「フィールドが保たれている」と言えます。
結論:適応範囲内なら、色調補正系フィルタは使っても良い。
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6、ゴースト除去系フィルタ編
結論:ゴースト除去系フィルタは使っても良い。
7、縁塗りつぶしフィルタ編
結論:480ラインを変えないので使ってよい。クリッピングの変わりにスイッチングノイズを消すのに最適。
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他のフィルタも調べる予定ですが、静止画よりも実際にトップ・ボトムフィールド表示フィルタを使って、
自分の目で確かめてください。ジャンパーズサンプルでなく、キャプチャしたインターレースのAVIやMPEG2で試すのが、
最も良いと思いますので、プラグインフィルタを上手に使って腕を磨いてください。
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追記:フィールドとフィルタ処理の実験が杞憂に終わるフィルタが開発されていました。
MakKi's SoftWare の「フィールド分離・結合 フィルタ」がありました。
全フィルタの中で最高性能です。フィールド単位で処理できるので、AviUtlのノイズ除去やエッジ強調が普通に使えるようです。
ただし、フィールド分離したからといって、全てのフィルタが使えるとは限らないので、
相当数の実験をこなす必要があると思います。
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