アスペクト比とピクセル(2004/02/08更新)
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地上波を720×480でキャプチャし、PC上でそのまま720×480で再生すると横に伸びた映像になっていると思います。
MPEG2などは、「アスペクト比」を適用することで、PCでも正しい縦横比で映像を扱う事が出来ます。
そういった映像の縦横比をどのように扱うのかを紹介します。
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1、720×480ピクセルでキャプチャをしたり、720×480ピクセルのDVD-Videoがある理由
キャプチャカードはITU-R BT.601という、アナログ信号をデジタル化データ化するときの「国際規格」を基に作られています。
その規格(ルール)では、水平有効サンプル数(ピクセル数)が720と決められています。
垂直サンプル数は、NTSCとPALで異なり、同じNTSCであっても国によって異なるためにITU-R BT.601では決められていません。
基本的に無圧縮系の垂直サンプル数は486本ですが、
インターレースMPEG2などのDCT圧縮が必要なものは、16の倍数単位でピクセル数を扱う必要があるため、
垂直サンプルは、486サンプル中の16の倍数である480サンプル(ピクセル)を扱うことになっています。(6ピクセル分切捨て)
この2つのルールによりキャプチャカードは、720×480の画素でキャプチャするのが標準になっています。
逆に、DVD-Videoの規格では縦解像度が480ピクセルと固定されており、その時に4:3を保つには、
704のサンプル数が必要です。しかし、実際は704より外にも映像が存在できます。(もちろん存在しなくてもOK)
そのために、DVD-VideoのD1サイズは720×480で通用するわけです。
もっと詳しく:NTSC信号(アナログ)をITU-R BT.601で定められているドットクロック13.5MHzで完全にサンプリングしたとすると、
横858ピクセルになります(13500k/15.734k≒858)。しかし、NTSC信号は水平ブランキング期間(無効領域)があるために、
実際に映像が取り出せるのは約711ピクセルです。またNTSC(アナログ)で、実際に映像が存在する垂直ピクセル数は485です。
この711×485を4:3の比率にするのが正しく、その時のピクセルの比率が0.909:1となります。
DVD-Videoの場合は水平サンプル数ではなく「垂直サンプル数が480」と規定されています。
上の0.909:1というピクセル比率を適応して4:3にすると必要サンプル数は704となります。(1/0.909×4/3×480≒704)
ただし、720×480でキャプチャしたものは711サンプル有効なものがあり、
DVD-Videoを720×480で作るならピクセル比は同じなので、704より外にデータが存在しても良い事になります。
そのNTSCをデジタル化したときにできる約7ピクセルの画素をデータとして保持する720×480のDVD-Videoも、
4:3のピクセル比は704×480の有効領域内で成立します。
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2、アスペクト比が無いAVIの縦横比を保存する方法
MPEGと違いAVIをPCで再生するとアスペクト比が適応されず、720×480でも横に伸びたままになります。
これを回避するには、「垂直サンプル数(ピクセル数)」が480を固定して4:3を実現する、640×480のAVIにすればよいわけです。
ただし、上にも述べたとおり、「垂直サンプル数」を480で固定する時は、704のサンプル数を参照する必要があり、
720×480でキャプチャした場合は、縦480で固定すると左右8ドットずつ削り704サンプルにしてから、
704→640へリサイズ(縮小)する必要があります。また、ドットクロック13.5MHzで704×480でキャプチャできる場合は、
すでに704サンプルであるために、そのまま横方向のみ640へリサイズすれば正しい比率となります。
また、480×360、320×240にする場合も、704×480から直接リサイズをすればよいと思われます。
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3、DVD-VideoをNTSCキャプチャソースから4:3の比率を守って作る場合
ドットクロック13.5MHzのキャプチャカードで横704、縦480サンプリングでキャプチャすると、
それがそのまま4:3の比率で何も考えずにDVD-Video化できます。
また、上でも述べた通り、720×480でキャプチャそのまま720×480でアスペクト比4:3の
DVD-Video用MPEG2にすることもできますし、左右8ずつ削って704×480にして再エンコードすれば、
704×480のDVD-Videoを作る事も可能となります。
同様に、HalfD1(352×480)のMPEG2にする場合は704/2=352を成立させるようにリサイズし、
アスペクト比4:3を適用すれば、正しい比率でTVやPCで見ることが出来ます。
もちろん、ドットクロック13.5MHzのキャプチャカードでHalfD1サイズでキャプチャしてもOKです。
Full D-1: 720x480 NTSC
Cropped D-1: 704x480 NTSC
Half(1/2) D-1: 352x480 NTSC
SIF (Standard Interface Format): 352x240 NTSC
この4つのタイプのDVD-Video規格のMPEG2はITU-R BT.601で決められたドットクロック13.5MHzなら、
どれでも簡単にできるということを覚えておいてください。
注意:SIFにフィールドや24fps化が適応できるのか調査中です。アスペクト比は4:3は適応していました。
フロントエンドに読み込ませる場合は、アスペクト比を適用せず、720×480、704×480などのキャプチャしたままの
ピクセル1:1で読み込ませると扱いやすくなります。
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4、問題点など
MPEG2再生の時PCのMPEG2プレーヤーでは、720×480を左右8ドットずつ削って704×528で再生できないものがあること。
ドットクロック14.31818MHz系のキャプチャカードでは、どんな解像度でも4:3にする必要があること。
もちろん、14.31818MHz系のキャプチャカードでは、16:9のスクイーズである場合も削らずに16:9にする必要があること。
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参考になるURL
まるも製作所「ITU-R BT.601 について」
2chねるDTV板「アスペクト比」スレッド
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