フィルタリングの前に(基礎)(2004/03/01更新)
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フィルタリングとは「画質の向上」の為にします。しかし、使い方を間違えると画質を崩す諸刃の剣です。
きっちり基礎を学ばなければ、使うだけ画質を下げ、エンコード時間を長くすることになります。
そういった内容の基礎的な情報をまとめておきました。
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はじめに
映像に出るノイズには特徴と種類があります。
・アナログランダムノイズ(静止画なのにもやもやしているもの)
・デジタルノイズ(ブロックノイズ、モスキートノイズ、ベリベリノイズ、足引きノイズ、減色ノイズ)
・色ズレノイズ(輝度信号・色差信号のシンクロ失敗、YUV4:1:1→YUV4:2:0などの色間引きブロック化)
・ゴーストノイズ(無効領域縦ノイズ、映像のゴースト、左ゴースト、右ゴースト)
・リンギングノイズ(映像の右側のエッジ)
・クロスカラー(YC信号の混合による虹色に輝くノイズ)
・ドット妨害(YC信号の混合による一松模様状に現れるノイズ)
・電波障害・受信障害(画面上に点が出る、ラインが崩れるなど)
・ビートノイズ(ケーブルが他の電波の干渉を受ける、PC内部の電磁波の影響を受けると現れる斜め縞ノイズ)
・ウォーターマーク、時刻表示(ノイズではありませんが、邪魔と感じる人も多いと思います。)
というように、映像はいつもノイズと隣り合わせなのです。(音声もノイズと隣り合わせですが)
また、フィルタリングは「映像」を展開してそこにフィルタをしてファイルに出力します。
再エンコード無しでは絶対にフィルタリング出来ません。エンコードをすることが前提です。
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その1、NR(ノイズリダクション)って何?
上記に書いてあるノイズを「デジタル的」に低減(完全除去)処理しようというものです。
例えば、クロスカラー(境界線にある虹ノイズ)が出ているキャプチャソースがあったとします。
この場合「クロスカラー除去フィルタ」を使えば、虹色を低減できます。(除去ではなく低減と言ったほうが正しい)
しかし、AviUtlの「ノイズ除去フィルタ」では、この虹色は除去や低減はできません。
また、「ドット妨害除去フィルタ」などを用いても、クロスカラーは除去や低減はできません。
アナログランダムノイズを低減するには、AviUtlやTMPGEncに搭載されている「ノイズ除去フィルタ」を使います。
コレを使えば、もやもやしたノイズが低減できる場合があります。(過度な期待はダメ)
ゴーストノイズは、「ゴースト除去フィルタ」によりかなり低減できます。
ゴーストノイズは軽度なら、AviUtlの「ノイズ除去フィルタ」で消える場合があります。
このように、「ノイズの種類に合ったノイズ除去フィルタ」が存在しています。
何でもかんでも使えば、ノイズが減るといった事はありません。
また、ノイズ除去フィルタ全般は映像を「作り直している」ものなので、使い方を間違えれば映像の破壊を容易にできます。
例えば、AviUtlのノイズ除去フィルタを「強さ256、範囲3、しきい値256」にしてみてください。
もやもやした画面になりますよね?
フィルタは「設定」をしっかりしなければ、使うだけエンコード時間がと画質が犠牲になる可能性があります。
フィルタをかければかけるほど、エンコード時間は格段に長くなります。
「効果の薄い」フィルタをできるだけ減らして、エンコードを軽くしましょう。
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その2、ノイズ除去フィルタを使う前に
勘の良い人なら気付いたと思いますが、「ノイズがなければ、NRフィルタしなくていいじゃん」ということです。
つまり、キャプチャ地点でノイズの少ないクリアな映像だったら、NRフィルタなんて映像を壊す原因になるだけです。
映像ソースが綺麗→NRフィルタ要らない→エンコード高速 といった正循環が最も優れている事を忘れないで下さい。
逆に、映像ソースがノイズだらけ→NRフィルタ必須→エンコード時間がかかる といった悪循環もあるのです(汗
「キャプチャ環境」が画質そのものを決めているので、どうしても画質UPを図りたい場合は、
「アナログ環境」を整える必要があります。これは、キャプチャを始めて1年後にICZさんやhajuさんなどに教わりました。
「アナログ環境」の改善による画質UPの効果は絶大ですが、そのぶんお金がかかります(つд・)
アナログ環境に恵まれなくても、フィルタリングのテクニックがあれば画質UPを狙えます。
フィルタやフロントエンドを作っている作者に感謝しながら、設定を極めてください。
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その3、ノイズ除去に必須のアイテム
ノイズ除去を正確・安全に行うために必要なツールを紹介します。
・拡大ツール(AviUtlプラグインフィルタ(ICZさんのサイトの直リン)、TMPGEnc標準搭載)
・ヒストグラム(AviUtl、TMPGEnc標準搭載)
・トップ・ボトムフィールド表示フィルタ(AviUtlプラグインフィルタ、インターレースで出力する場合の確認用)
・エッジ検出フィルタ(AviUtlプラグインフィルタ倉庫(AviUtl用フィルタ跡地))
・フレーム差分(AviUtlプラグインフィルタGNBの館
この5種が「目視による画質調整」を補助し、ノイズ除去の正確性と安全性を増します。
使い方は「自分の目で見て判断」です。これ以外にありません。
画質を自動調整するフィルタといった、魔法のようなものは存在しません。
自分の画質に対する認識力や好みにより、ノイズ除去(低減)を試みてください。
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まとめ
設定はそんなに難しくありません。環境でノイズ量が違う、画質に対する考え方が違う、
時間短縮が目的など様々なので、設定値が表に出ることは滅多に無いですが、
ノイズ除去についての考え方をしっかり理解しておけば、応用できると思います。
なお、フィルタリングの最大の敵は「エンコード時間が長くなること」です。
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