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エンコード時間について(2006/08/12更新)



  初心者の方は驚かれると思いますが、エンコードには時間がかかります
  30分の映像をフィルタリングしながらエンコードすると、1〜8時間かかるものなのです。
  映像の再生時間の2倍から20倍近くの処理時間を必要とするのが普通だと思ってください。

  エンコード中は、CPUを100%使い切ることが多いです。CPU使用率が100%のときに他の作業(Excelやゲームなど)をしようとすると、
  ソフトウェアの起動に時間がかかったり、マウスカーソルの動きがカクカクになったりします。
  また、他の作業をすることでエンコード時間が伸びます。
  よって、作業をするPCや家族が使うPCではエンコードをするべきではありません。

  動画編集やエンコードに慣れた人は、高クロックで計算能力の高いCPUを欲しがります。
  これは、エンコード時間がCPUの計算能力に大きく依存しているためです。
  つまり、高速計算ができるCPUを使うことによって、同じエンコードの内容、設定でも時間を短縮できるわけです。
  Pentium4_1.6GHzよりPentium4_3.2GHzは2倍近くエンコードが速いといえます。
  高速ハードディスクやメモリ増設、高性能グラフィックカードを増設しても、CPUが同じならエンコードが早くなることはありません。
  もし、メモリ容量が足りていなくてスワッピングしている場合なら、メモリ増設でエンコード時間短縮となります。
  なお、「編集」ではソースファイルの読み込み速度が関係してくるので、高速ハードディスクがあると編集効率が上がります。

  計算能力が高いPCの代表として、DualCPUのPCがあります。しかし、エンコードソフトがDualCPUに対応していないと、
  計算能力が高くても、高クロックのシングルCPUにエンコード時間で劣ってしまいます。
  DualCPUだからといって2倍速いわけではないので、コストパフォーマンス高いシングルCPUをオススメします。

  Pentium4がAthlonXPより実クロック数が高いのですが、エンコードが必ず速いわけではありません。
  Pentium4がAthlonXPより得意とするのは、MPEG2のエンコードだけだと思います。
  AviUtlでフィルタリングした場合は、実クロック数が低いAthlonXPのほうがエンコードが速いという結果もあります。

  最近ではCore2Duo、Athlon642XなどのDualCoreCPUがあり、これらはDualCPUとほぼ同じ計算能力となります。
  TMPGEncシリーズの「MPEG」エンコーダ部分はDualCore対応で、1.6倍ほどエンコードが早くなります。
  ご使用になられるエンコーダがDualCore対応ならCore2DuoやAthlon64X2は最適の環境になります。
  また、シングルCPUがなくなってきている2006年現在では、DualCoreで高クロックのものがエンコードに向いています。

  エンコード時間に関わる要素としては、
  ・ソース映像・出力映像のピクセル数
  ・ソース映像の圧縮方式
  ・フィルタリングのアルゴリズム
  ・圧縮用コーデックのアルゴリズム
  などがあります。

  ソース映像・出力映像のピクセル数は多いほど時間がかかります。640×480の場合は320×240の画面サイズに比べて4倍の計算が必要です。
  1920×1080の場合は320×240に比べて27倍の計算が必要です。そのぶんだけエンコードの時間がかかります。

  ソース映像の圧縮方式が複雑な場合、それをAviUtlなどの動画編集ソフトで映像として展開(デコード)するのに時間がかかります。
  DivXで圧縮されたものを編集ソフトで読み込む場合、非力なPCだと編集の地点で体感できると思います。
  ソースに使う映像コーデックはMPEG2やDVcodec、Huffyuvや未圧縮AVIが適していると言えます。

  フィルタリングをすると、エンコード時間が増えます。これは、処理の重たいフィルタを使うと編集の地点で体感できます。
  また、使うフィルタの種類を増やすとエンコード時間が「掛け算」で増えていくため、数十倍になる場合があります。

  コーデックの圧縮方法や設定によっても、エンコード時間に影響を及ぼします。
  DivXやWMVなどの圧縮パフォーマンスを100%にすると、格段にエンコード時間が長くなります。

  これらの事を気にかけながら、エンコードを楽しんでください。画質と時間のバランスが大切です。



  追記1:MMXやSSE、SSE2などの拡張命令セットを利用すれば、エンコード時間が短縮されます。
  ただし、MMX、SSE、SSE2にソフトウェアが対応している必要があります。

  追記2:DualCoreのPCで、DualCore非対応のソフトウェアを使いエンコードしているときに
  他の作業がスムーズに行える場合があります。これは片方のCPUのみ使用率が100%でもう片方を他の作業の計算にOSが割り当てるためです。

  追記3:エンコードはCPUの寿命を縮めるほど酷使します。エンコード中はCPUの冷却などに気をつけてください。



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