remove
powerd by nog twitter


モバイラーのためのLOOX U

2007年09月作成
2008年04月、半年使った後更新
2008年06月、SSD追跡調査
2008年06月、ワットチェッカー調査



  モバイラーのためのLOOX Uを考えてみました。



  はじめに。

  LOOX Uとは、富士通が出しているクラムシェルタイプの小型PCのことです。
  超小型ではないのですが、一応タッチタイピングできるキーボードを搭載し、Windowsがフルで動きます。
  バランスの取れたモバイル機器ですが、使いこなすには多少の知識とお金が必要です。
  次の条件を全て満たしている人はすぐに買ってください。それ以外の人は256回以上考えて買ってください。
  ・モバイル大好きな人。
  ・老眼ではない人。液晶の視野角が悪くても大丈夫な人。
  ・Windowsを使いこなしている人。最低3年はWindowsを使っている人。
  ・家に無線LAN環境を構築している人。
  ・母艦(高スペックデスクトップPC)がありHDD容量が少なくても困らない人。
  ・Windowsが近くにあると安心するゲイツ信者。
  ・軽作業用は低スペックである、と割り切ってモバイル機器を使っている人。
  ・お金に余裕がある人。
  ・D01NXやW05KやN2502など聞いてピンと来る人

  なお、次のような夢を見ている人は買わないほうがいいでしょう。
  ・モバイル機器でハイビジョン動画を再生できると思っている人。
  ・Windowsなんだから3Dゲームが動くと思っている人。
  ・母艦を持っていない人。はじめてPCを買う人。外付けDVDドライブ持ってない人。
  ・LOOX Uがポケットに入ると勘違いしている人。
  ・視野角が狭い液晶で寝ながら動画を見たりWebブラウジングができると思っている人。
  ・画面解像度がXGA以下とわかっていない人。
  ・NintendoDSのようにゲーム機だと思っている人。
  ・ExcelやWordファイルをモバイル機でバリバリいじれると思っている人。
  ・変態キーボード配列を使いこなせる自信を持っている人。
  ・シリアルポート命のハードウェアエンジニアの人。
  ・MP3プレーヤに使う人。iPod touchと同等の使い方しか出来ない人。

  買った人は2chや有志のWikiを見ておくと良いかもしれません。



  これからLOOX Uを買う人のために。

  LOOX Uを使いこなす自信とお金がある方へ・・・ご購入前に多少の情報を提供いたします。
  HDBENCH3.40のスクリーンショット
  

  スーパーπのスクリーンショット
  

  タイムリープブートベンチ・オプション全切り
  

  その他情報
  ラグナロクオンライン2 5fpsでクリックしても反応せずゲームが苦痛
  その他ベンチマーク結果追加予定

  無線LANについて
  つながります。ただし、本体が熱を持っている場合切れ切れになります。動作が軽いオンラインゲームでも、
  本体を冷やさなくては継続してできません。

  ファン音について
  回りますがガマンできるレベルです。イヤホン、ヘッドホン派の人なら気にならないでしょう。

  本体の熱について
  熱いです。冷ましましょう。ACアダプタ接続時にMAXパワーを出しているとすごい熱いです。

  電池の持ちについて
  10%になるまでの時間は、無線LAN入りで1時間45分、無線LAN切り画面明るさ4/8、低負荷2時間10分でした。
  Lバッテリはその倍だと思ってください。

  タッチパネルについて
  強めに押さえれば結構使えます。指で押すような操作はできません。スタイラスを使いましょう。

  スティックポイントについて
  ヌルヌル動きます。机の上に置いている時は、人差し指で気持ちよく使えます。

  クリックボタンについて
  反応が悪いです。画面を垂直に立てている状態だと、ボタンを押しにくいです。

  キー配列につてい
  「-」と十字キーがFnと組み合わせであるため、絶望的です。「=」を出すにはアクロバティックな操作が必要です。
  いつも通りのタッチタイピングは不可能でした。かなりの修行が必要です。

  SD・コンパクトフラッシュスロットについて
  絶望的なデータ転送スピードです。CFスロットは通信デバイス接続専用であるといっても過言ではありません。
  SDスロットはClass6のSDHC16GBにも対応しています。ReadyBoostには使えませんし、使ってはいけません。

  画面液晶について
  明るいですが、TN液晶です。左右の視野角は普通ですが、上下の視野角の狭さは寝モバイル、寝ゲーには辛いです。
  正面から見るようにしましょう。

  動画再生について
  VGAの動画は再生が可能です。H.264については多少問題がありますが、SD解像度の動画なら問題ないレベルです。
  GyaOを見るのに丁度良いレベルです。ニコニコ動画は見れないことは無いレベルです。

  以上を、購入前の参考としてください。



  入れ物編

  LOOX Uは結構お値段が高いのですが、ケースがついていません。
  その形状・大きさがあまりにも特殊なため、特に「これがいい」というケースは存在しません。
  モバイルをする以上、持ち運びやすいケースを考えてみました。

  (1)本体インナーケース
  ZSB-AC001WHという、ポータブルCD/DVDのインナーケースに収まります。
  LOOX U が多少分厚いため、少し不恰好になりますがピッタリのサイズといえます。

  (2)電源などのケース
  Wiiのリモコンコントローラのケースに収める事ができます。
  ただし、かなり分厚くなるので注意が必要です。
  私は「ACアダプタ」「Lバッテリー」「LAN/D-SUB15増設ポート」の3つを入れています。
  ただし、分厚くなるので平面に並べられるケースがあればそちらを利用したほうが良いかもしれません。

  参考写真1
  

  参考写真2
  



  使いこなし編・無料でできるソフトウェアでの軽量化を図る

  (1)LOOX Uの性能に合わないソフトウェアをあっさり切る
  LOOX Uの性能を著しく低下させるソフトウェアは以下の通り
  ・Omnipass(過度なレジストリアクセス、常時パスワードボックス監視) CPU負荷率10〜30%
  ・FjStrtAp.exe(画面狭いのにランチャーを起動する) CPU負荷率0〜5% 狭い画面を余計に狭くする
  ・ALCMTR.EXE(スパイウェアなので停止するように) CPU負荷率0〜5% ネットワーク接続阻害あり
  とりあえずこの3つを消すと快適になります。Omnipassをフルに使う人は消してはいけませんが、
  「regmon」を使えば、使用する気が失せるでしょう。何度もいいますが、指紋認証を使う人はOmnipass
  を切ってはいけません。便利さと快適さのどちらを取るかはユーザー次第なのです。
  また、利用しないソフトウェアは「アプリケーションの追加・削除」で消します。
  LOOX Uを使用するたび、ちょっとずつ消していきます。要らないソフトウェアが使っているうちにわかりますので。

  (2)Bootシーケンスを整える(WindowsXPのみ)
  WindowsXPの場合、「Bootvis」というソフトウェアで起動時のハードウェア・ソフトウェア割り込みの
  順番を整えて割り込みを極力押さえて美しく起動するようにできます。
  また、TuneXPのBOOTファイルデフラグも併用すると、起動に160秒かかっていたのが118秒になりました。
  25%程度の速度アップです。無料ですぐにできる最適化といえますが・・・
  1)TuneXPの「ブートファイルの再配列」(3〜30分程度でコマンドプロンプトが終了するまで放置するように)
  2)Bootvisの「Trace」にある「Optimize System」(10〜20分程度で最後のメッセージが出るまで放置するように)
  の順番ですると、超最適化?ができます。ただし、両方とも危険なソフトウェアなので使用しても
  私は一切の保証をしません
。ダウンロードできるURLも表示しません。
  なお、一部のPCでは、この最適化でBOOTが狂う場合もあります。LOOX Uのリカバリ時のデフォルトの状態だと、
  狂いが生じないことを確認していますが、万が一のこともあるので、自己責任でお願いします。
  なお、SSDを搭載している場合は、TuneXPのBOOTファイルの最適化は必要ありません。

  (3)「filemon」「regmon」を利用してみる
  要するに「アイドル」時(PCを起動して何もしていないとき)に動いているソフトウェアを探ります。
  そのソフトウェアを切ることで、電池寿命や操作感を向上させます。しかし、「自分は何が必要なのか?」
  「何をLOOX Uに求めるのか?」「Windowsってどうやって動いているの?」ということがわかってない人は
  この作業では何も出来ないと思います。
  WindowsPCを使って3年以上の人向けなので、詳細は省略しますが、LOOX Uの癌になりそうなものだけ紹介。
  ・DLNAサーバになること。(WindowsMediaPlayer11の機能など) ファイル読み込みでBOOTからアイドル時まで、
  全てを無駄にします。LOOX Uは母艦機能があっても母艦の器ではありません。クライアントとして使ってください。
  ・SQLServerになること。SQLServerをインストールすること。LOOX Uはクライアントです。
  ・その他サーバ機能やサーバサービスをインストールすること。
  テスト環境でサーバ機能を使う場合はいいのですが、わからずにサーバ化するのはダメです。

  (4)HDDの最適化(レベル1)
  無駄なファイルを消して、少ないHDD容量でも好きなソフトウェアをインストールする領域を確保します。
  「スタート」→「アクセサリ」→「システムツール」→「ディスククリーンアップ」ですれば、
  無駄なファイルを消す事が出来ます。ウィザードに沿ってできるので簡単です。

  (5)HDDの最適化(レベル2)
  レベル1で消せなかったファイルを手動で消します。
  1)WindowsUpdateのアンインストール情報ファイル(2008年3月時点で960MB程度)
  2)復元用ファイル(1個20〜50Mくらい)
  3)アンインストールしても何故か残るProgramFilesフォルダ内のソフトウェア
  この3つを手動で削除します。しかし必要な人や、消さないほうが良い人もいると思うので、
  わかってる人のみ消してください。今まで何もしていない人は、1〜2GB程度の容量確保ができると思います。
  便利さや安全性を消してまでHDD容量を稼ぐ必要がない人は無視するのが良いでしょう。

  (6)HDDの最適化(レベル3)
  USBブートのKnoppixや、CDブートのKnoppixを利用して、Dドライブを消します。
  富士通製ソフトウェア「マイリカバリ」など使えなくなりますが、HDDを1ドライブとして管理できます。
  パーティションがあったほうが良い人はする必要はありませんが、SSD化した場合やシステムドライブの重要性が
  わかっている人ならCドライブ1本化がしたくなるでしょう。
  コツはQTPartedを「2回」し、Windows起動時にスキャンディスクをさせる事です。

  全部できれば、今までの25%増し快適なLOOX Uになると思います。
  この状態から、LOOX Uに適したソフトウェアのインストールを開始すればよいと思います。



  使いこなし編・LOOX Uにふさわしいソフトウェア

  (1)辞書・図鑑
  電子辞書のように利用できます。5000円〜2万円あれば目的のものが買えます。
  HDDにインストールして使えるものを使いましょう。(それしかないと思うけど)

  (2)暇つぶしゲーム
  暇が有効に潰せます。Windowsはゲームの宝庫です。
  派手なゲームはスペックが足りません。エッチいゲームも公共の場で遊べないのでダメです。

  (3)ビジネスソフトウェア
  Microsoft Officeがあれば、どこでも書類の修正や作成などができます。
  AdobeReaderをインストールしておけば、PDFファイルで仕様書などをどこでも読めます。
  勉強ソフトウェアをいれておけば、どこでも勉強できます。

  (4)iTunesなどのポータブル音楽プレーヤ同期ソフトウェア
  母艦として使います。しかし最近のポータブル音楽プレーヤは16GB以上の容量があり、
  LOOX UのHDDに重いMP3ファイルや動画ファイルを入れる必要はなくなっています。

  などのソフトウェアがお勧めです。Windowsをフルに堪能しましょう。
  なお、ユビキタスを実現するFOMAやCDMA 1X WINなどがある場合は、
  インターネットにつなげば(1)〜(3)くらいのことが事前インストールなしで可能です。

  動画再生編
  LOOX UのCPUは非力なため、動画再生には向きません。
  どうしても重い動画があるなら
  Mediaunite Version 2(トップページにリンクしてるので適当に移動して)を使えば、かなり快適に見られます。
  あとはffdshowをインストールすると、意外となんとかなります。



  使いこなし編・SSD化

  基礎知識
  LOOX Uには1.8インチHDDが入っていて、この1.8インチHDDは円盤の回転数が遅く、
  円盤の大きさも小さいため1秒間に読み書きデータ数が「普通のノートパソコン」とくらべて
  遅くなっています。また、HDDは「ヘッド」を使って円盤の情報を読み取るので、
  衝撃を与えると「ヘッド」が円盤を傷つけて壊れることがあります。
  そこで、これらの弱点を補うために「フラッシュメモリ」型のHDD代替品を利用すると、
  読み書きおよび耐衝撃性で圧倒的に有利になります。

  交換編
  LOOX UのHDDには2種類あります。
  ・5mm厚の1.8インチで、50ピンコネクタをもつもの
  ・5mm厚の1.8インチで、ZIF型コネクタをもつもの
  まずは、コネクタの仕様を本体とSSDで合わせる必要があります。
  50ピン→MCBOE32G8APR-0XA
  ZIF→MCBOE32GQAPQ-MWA
  を選ぶ必要があります。LOOX Uを一度空けてみて、どちらのコネクタ確認してから、
  ネットやお店で購入してください。
  MCBOE32G8APR-0XAを購入した場合、8mm厚なので、鉄の殻を半分取る必要があります。
  取るのはラベルが張っていないほうです。先の小さい眼鏡用ドライバで開けます。
  なお、開けると保障が効かなくなりますので、LOOX Uと共倒れになるまで利用することになります。

  参考 ベンチマーク結果

  1.8インチHDD
  


  1.8インチSSD
  

  2倍ほど速くなります。5〜6万円程度を無駄にする覚悟があるなら、2倍の快適を得ることができます。

  SSDその後〜
  SSDの信用性を評価すべく、デフラグツールでSSD中身を見てみました。
  どうやら、使えば使うほどフラグメンテーションが発生するのはHDDと変わらないみたいです。
  SSDにしてから3ヶ月後、次のような状態になっていました。
  クリックで別窓
  出来る限り同じ場所に書き込まないようにするのでしょうか。すごい分散しちゃってる感じですね。
  もうちょっと使ってみたらまた追跡調査します。
  この状態でもパフォーマンスが落ちた感じはしません。



  使いこなし編・消費電力編

  LOOX Uはどのくらいの消費電力で動いているのかを、サンワサプライ製のワットチェッカーを利用し測定しました。
  なおこのワットチェッカーは小数点以下が表示できず、1W単位の大雑把なものであり、
  四捨五入?の誤差と±2%の測定誤差がありますので注意が必要です。
  また、電池のみを利用した場合の測定はできませんので、電池の評価に直結しない可能性もあります。

  SSD 電池抜き 画面輝度100% 無線入り 起動時およびシバキ(CPU 100%) 14W〜15W
  SSD 電池抜き 画面輝度100% 無線切り シバキ 12W
  SSD 電池抜き 画面輝度100% 無線入り 11W〜12W
  SSD 電池抜き 画面輝度100% 無線切り 9W〜10W
  SSD 電池抜き 画面最低 無線入り 10W〜11W
  SSD 電池抜き 画面最低 無線切り 9W
  SSD 電池抜き 画面なし 無線入り 9W〜10W
  SSD 電池抜き 画面なし 無線切り 8W
  SSD 電源切り 画面なし 10%からの充電 16W
  SSD 電源入り 画面輝度100% 10%からの充電 無線入り シバキ 28〜29W
  SSD 電源入り 画面輝度100% 10%からの充電 無線切り シバキ 26〜27W
  SSD 電源入り 画面輝度100% 10%からの充電 無線切り 24W
  SSD 電源入り 画面なし 10%からの充電 無線入り 24W
  SSD 電源入り 画面なし 10%からの充電 無線切り 22W

  考察
  CPU0%利用のときと100%利用のときは3W程度の違いがあります。(CPUファン回転を含みます)
  無線LANは通電するだけで2W程度消費します。通信しても2W、しなくても2Wの消費でした。
  つまり、無線を入れて激しく使う場合と無線を切っておとなしく使う場合の消費電力の差は、5Wとなります。
  画面の輝度は最低の輝度と最高の輝度だと1W程度の差があると思われます。

  まとめ
  輝度80%〜100%で利用するのが妥当で、無線を使用していない場合は切ることが肝心です。
  システム全体では通常10W〜15W平均で電力を使用していているため、ずっとおとなしく使った場合と
  激しく使った場合は30%程度、電池の持ちが違います。
  (注:ワットチェッカーから引き出した結論ですので100%正しいとは限りません。)



もどる



Internet Explorer5以上、横解像度800以上でのの閲覧を推奨します
jumper