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グランプリ決勝(12月5日、東京ドーム)へ進出した唯一の日本戦士、武蔵(27)=正道会館=の意外な系図が判明した。なんと先祖がかつてのTVアニメ「一休さん」で人気キャラクターの蜷川新右エ門(にながわ・しんえもん)だったのだ。新右エ門は室町幕府の要職に就いた実在の武士。K―1特集では、今週からGP決勝直前まで主な出場選手の秘められた過去やエピソードを連載する。 武蔵は正真正銘の武士だった! 先祖は蜷川新右エ門。名前を聞いてピンとこなければ、かつてテレビ朝日系で放送された人気アニメ「一休さん」(1970年10月〜82年6月まで放送)に登場する「しんえもん」さんと言えばお分かりか。アニメでは将軍・足利義満の家来で一休さんとは友達だったあの武士だ。 「そうなんですよ。あの一休さんに出てくる新右エ門さんはボクの先祖なんです」と武蔵。実は武蔵の家には、代々の当主を記した著書がある。その一冊に家系が明確に表示されている。それによると、蜷川新右エ門から武蔵の祖父までの系図が克明に著されている。つまり、武蔵は現代によみがえった「本物の武士」だったのだ。 新右エ門さんはアニメではドジでおちゃめなキャラクターだったが、実は室町幕府の政所代を務めた実力者。新右エ門という名は代々、当主が名乗った。アニメに登場する「新右エ門さん」の本名は恐らく「蜷川親当(ちかまさ)」と見られる。親当は、歌人としても優れた才能を発揮し実際に一休禅師とも交流があったといわれる。武蔵は「だれも信じてくれませんけど、本当なんですよ。結構、すごいでしょ」と笑う。 新右エ門さんばかりではない。大祖父の蜷川新(あらた)氏は、1919年(大正8年)5月に設立した日本赤十字社連盟を発案し、赤十字社の顧問を務めた人物。こうした系図でつながった武蔵。平成の今、K―1で戦っているのも何かの因縁か。「今の自分とご先祖さまとは関係ないッスけど、やっぱり恥ずかしいマネはできませんよね」新右エ門さんの魂を胸に、武蔵は世界制覇へ挑む。(福留 崇広) |
◆蜷川氏 室町幕府(1392年〜1573年)の政所代を務めていた武家。政所長官を務めた伊勢氏の部下にあたり、親当(ちかまさ)の時に政所代となり、以来この職を代々受け継いでいた。 |
◆H&A戦法に磨き 武蔵が得意のヒットアンドアウエー戦法に磨きをかけている。今までは、相手との距離を長めにとってきた。だが、パワーのある外国人選手対策に、中間距離まで踏み込む練習をしている。「KOチャンスが広がる」。一日のスパーは5〜6回。今月中旬には合宿を行う予定だ。 |