『痛快トンデモ活用術――もしものときでも困らない 』
と学会の『トンデモ1999』で取り上げられているからご存知の方も多いだろうが、ここでは『トンデモ1999』に載っていないトンデモを紹介していこう。
まず、比較的分かりやすいボケの数々から。
- 北朝鮮にはKCIAがある。(P135.そりゃ韓国だ。)
- ユダヤ教の「光と闇の対決」というイメージは、実はオリジナルなものではなく、ペルシア(今のインド)のゾロアスター教の影響を受けているものらしい。(P292.ペルシアはインドじゃなくてイランだ)
- 獣人に出くわしたら、まずは相手の危険度を見極める。そして、相手に合わせて道具を取り出す。もし、相手が危険なモノス(※南米の獣人)だったら、襲いかかられる前に猟銃をぶっ放したほうがいいかもしれない。もし得意だったら手裏剣や日本刀でも構わない(P60.南米に手裏剣や日本刀を持って行けるの?)
- 火葬して肉体を滅ぼしてしまえば、吸血鬼は復活しない。簡単な話である。日本に吸血鬼が少ないのはそのためかもしれない。(P52.日本で火葬が一般的になったのは、ほんの数百年前からで、それ以前は土葬が一般的だった。その時代の日本に吸血鬼がいただろうか?)
- テレビや雑誌などでエッチな写真なんかを見なくなったら、たぶん快楽のために「しないではいられない」などということはなくなるはずだ。(P148.その場合、性欲は抑圧されて溜まってしまい、却って逆効果なんじゃないの?)
- (ダイアナ事故死に関して)なぜBBCとCNNはこれほどまで早く、彼女の乗った車を追いかけていたパパラッチを非難したのか。彼らは実際に事故を起こしたのではない。(P134.パパラッチがそういう状況に追い込んだのだから、彼らが事故を起こしたといってよい。)
又、わが国の鬼について。(P73)
- 桃太郎の鬼にしろ、大江山の酒呑童子にしろ、どれもこれも一方的に退治される対象である。(そうかあ?悪事を働いたから退治されたんじゃないの?)酒呑童子や羅生門の鬼は多少悪さをしたかもしれないが、(多少どころではない。前者は多くの女性を誘拐しては慰み物にし、飽きると殺して食っていたし、後者は国宝の玄奘を盗み出している。)桃太郎や一寸法師に退治される鬼などは、ただ「退治されるためだけにある」といっても過言ではあるまい。(ちょっと待て。「一寸法師」の鬼は関白の娘を我が物としようとし、一寸法師を食べてしまったぞ。それに「桃太郎」も、前身となる「桃の子太郎」では、人間の姫君を拉致・監禁したことになっている。)その一方的殺戮の結果が(鬼だって人間を殺しているぞ。)、現代の鬼族の絶滅につながった可能性も捨てきれない。(言っておくが、鬼は現代でも形を変えて生きている。地下鉄にサリンを撒いて無差別大量殺人を行なった鬼、子供の首を斬って校門に置いた鬼、小学校に乱入して小学生を殺戮した鬼など、枚挙に暇がない。)
他にも、ツッコミたい箇所があるが、引用が長くなるので止めておく。ともかくも、これはトンデモ本である。
【参考文献】
と学会『トンデモ1999』光文社、1999.1.30
脱常識委員会『痛快トンデモ活用術――もしものときでも困らない』なあぷる、1997.1.30
H14.7/4 泉獺
【戻る】
【ホーム】