カラムディスと龍
昔、ツルル(tsulul)家のカラムディス(Qalamudis)という人が狩りに行った。ところが、転んだ拍子に持っていた槍をディノアラン(dinoalan)をディノアランの淵に落としてしまった。
そこでカラムディスが淵に潜って行くと、ヴァラルヴァル(Valaluval)という龍が居た。カラムディスが槍の事を尋ねると、龍は「竹筒と並べておいたから持っていけ」と言った。
それ以降、カラムディスと龍は、互いに往来して酒を共に飲む仲となった。
ヴァラルヴァルは、他人が見ると蛇であったが、カラムディスが見ると人であったという。
(台湾パイワン族)(『原語による台湾高砂族伝説集』より)
(解説)芥川龍之介「河童」と比較すると…。