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パイワン族の月

 昔から月中に「バチガ」樹があって二匹の猿が樹上にいる。サリムヅという者がどうかしてその猿を殺そうとして、毎日毎日斧を揮って「バチガ」樹を伐っても伐っても、また元のようになって到頭切り倒す事が出来なかった。今、月中にいる猿はその二匹の子孫である。

(台湾パイワン族スクスクス社)

『生蕃傳説集』より