夢枕獏講演会in世田谷文学館
どうも、文系のヘタレ野郎・泉獺です。
そんな私が夢枕獏講演会に行ってきました。
当日、会場へ行く途中、コンビニに立ち寄って肉まんを買い食いしたため、ちょっと遅めの入場(公演開始10分前)になりました。その結果、いい席はみんなふさがっていて、私は仕方なく隅っこに座りました。
客を見渡すと殆ど老人。まあ、こういうことには慣れているし、クラッカードキュンなんて入り込む余地がないから、いいや。
そういえば講演なんて久しぶりだな。最後に行ったのは、世田谷区役所のリレー講演会でした。確か、あれ以来、ただでさえ壊れていた体が更に壊れて食欲というものを感じなくなりました。それから私は貴ノ花現象(激痩せ)したという、あまりロクでもない思い出があります。
そんなことを考えているうちに講演の開始となりました。
さて、講演の内容は一応メモしてきましたが、講演内容を全部述べると年が明けてしまいますので、一部分を紹介してその上に私の考察を書き連ねてみたいと思います。
今回は本業(小説)がメインでしたが、取り上げた作品は大型連載「大江戸釣客伝」ということであり、本人も釣りが大好きとあって、講演全体の6割は釣りの話でした。
「江戸川の川で釣りたい」「日本は釣りが異常な国」「魚の種類より針が多い」「投竿翁」「山立て」「片うきす・双(もろ)うきす」「青ギスは法的には絶滅していない」「格闘技と釣りがなぜ好きか? それは根本原理である。問われてもわからない」などなど、メモからちょっと抜き出してみただけでも多い。実際にはもっと色々話してくださったのですが、あいにく私は釣りの知識が乏しく、拾うに拾えぬ点も多々ありました。残念!
夢枕獏流小説の書き方
(1)手書き
「獏さん、ワープロだと多少〆切が延びますよ」
と言われることがあるが、現在、自分にとって原稿を書く速度は、手書きが一番速い。時速…400字詰め原稿用紙を1時間で8枚。(※1)
(2)まず、書く前に年表を作る
年表作成に陥りがちなのは、何もないところは抜いちゃうということ。1年1マスにして、小説に使えそうなエピソードを書き込む。すると空白の部分ができるので、そこにウソを入れる。
(3)予定表(※2)も手書き
上下2段に分かれていて、上がプライベート、下が原稿を書く予定(を書き込む)。大体、格闘技(の観戦)から埋まる。
(4)キャラクターが先か、設定が先か
(「夢枕先生は小説を書く場合、キャラクターから作り始めるのか、それとも設定が先にあってそこから作るのか?」という聴衆からの質問に対して)キャラクターから始まる場合もあるし、設定から始まる場合もある。書きながら考え、書きながらキャラクターを育て、書きながら取り混ぜる。(※3)
おまけ
夢枕獏「ウルムチ ムチムチ プッチンプリン♪」
↑シルクロード旅行中の夢枕獏先生の歌。
あとがき
というわけで、2時間の講演はあっという間に過ぎてしまいました。ここには書ききれなかった面白いネタが
「俺も紹介しろやゴルァ!」(※4)
と叫んでいるような気がしますが、そこまで面倒見切れないので抑圧。でも、楽しかったことは申し上げておきましょう。
最後に一つだけ指摘しておきますが、この人の講演では数字が少なかったように思います。経済統計がポンポン飛び出す森永卓郎さんとは対照的でした。
おまけ2
夢枕獏公式HP「◆◆◆夢枕獏公式HP--蓬莱宮--◆◆◆」です。毒々しい商業主義が溢れていて実にナイス。(※5)
まあ、夢枕獏先生は両手の人差し指だけでメールを打つと仰ってましたから、このHPの製作なんかやっているはずもなく(※6)、どこかの会社が作っているのは明白。商業主義的になるのはやむをえないのでしょう。
(おわり)
※1.この時、「陰陽師」の生原稿(小田急線で書いてきた!)を見せてもらいましたが、なんというか、実にスカスカ。タイトルと名前だけで用紙の半分は埋めちゃうし、短い文章を一々改行するわ、短い会話が多いわで、これなら時速8枚というのも無理からぬ話だと感じました。
※2.執筆の予定表である。この中には当然ながら構想や調査、執筆後の点検などの予定も入っていることだろう。
※3.ゆるいです。綿密に計画を立ててその計画通りに運ぶというタイプではありません。
※4.紹介したいんですけど、これ以上知りたかったら講演へどうぞ。おそらくは別の講演でも話す内容は大して変わらないものと思われます。私は森永卓郎さんの講演を3回聴きましたが、それぞれ微妙に変わっているだけで、大差はなかったように記憶しております。
※5.宣伝バナー大すぎ。それと、占いに金取るのか? 細木数子の六星占術は無料でできたぞ。
※6.監修ぐらいはしているんでしょうが。
著・泉獺(H17.11/15)
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