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第6回 英雄編

 世界中から英雄たちが集まりました!
 シュメールよりギルガメシュ、アイルランドよりクーフリン、キリスト教よりプレスター・ジョン、ギリシアよりヘラクレス、ハワイよりマウイ、日本よりヤマトタケル、イスラエルよりユーディット、インドよりラーマが出場します!

 ここで、神々の辞典に載っていないユーディットについて説明します。(他の者は全部載っています。)
 ユーディットとは、『旧約聖書続編』「ユディト記」によると次の通りです。古代イスラエルがバビロン捕囚を終えて建国し、エルサレムの神殿を再建して間もない頃、アッシリアの大軍が攻め寄せてきました。そのアッシリア軍の総司令官はホロフェルネスという者で、ユダヤ人寡婦のユーディットは彼の陣営へ行って彼と臥所を共にし、寝首を掻いてその首をイスラエルの陣営へ持って帰りました。そのため、ユーディットはイスラエルにおいて今でも建国の英雄と称せられているのです。
 又、この話の題材は西欧の絵画に広く取り入れられ、ユーディットの勇姿を描いた多くの作品が残っています。もし剣と男の生首を持った女性が描かれている絵を見たら、それがユーディットであると見て間違いないでしょう。(ちなみに、ここでお見せしているユーディットは剣を持っていますが、生首は後ろの侍女に持たせております。)
画像
名前ギルガメシュクーフリンプレスター・ジョンヘラクレスマウイ日本武尊ユーディットラーマ
剣士6868121748414849
闘士3428123021282621
術士033222221726
BonusA+1A+1A+1A+1

結果は…

【ギルガメシュVSクーフリン】
 いきなり半神(神と人間のハーフ)同士の対決です! メソポタミア対ケルト! 神話の知名度ならケルトのほうが若干上回っていますが(『指環物語』や『ハリー・ポッター』にはケルト神話の影響があると指摘されている。)、ギルガメシュ叙事詩も侮れない!
 結局は闘士を多く抱えるギルガメシュが占拠数29:15で勝利!

【プレスター・ジョンVSヘラクレス】
 キリスト教VSギリシア神話! 歴史上はキリスト教がギリシアの信仰をぶっ潰してしまいましたが、こちらはそうも行かなかった。占拠数7:45でヘラクレスの圧勝! ヘラクレスの伝説は今も生き生きと伝わっているのに対し、プレスター・ジョンの伝説は、ジンギスカンの襲来によって見事に打ち砕かれた(※)ことが災いしたようです。
※キリスト教社会では当初、ジンギスカンがキリスト教国の王プレスター・ジョンだと思われていた。ジンギスカンがイスラム諸国を征伐している時は良かったが、やがてキリスト教国のロシアやポーランドを劫略するに及んで、ジンギスカンがプレスター・ジョンだと考えるのは幻想に過ぎない事が明らかになった。

【マウイVS日本武尊】
 ハワイVS日本! 真珠湾奇襲攻撃ではありません。英雄対決です!
 片や大地を釣り上げたり太陽をぶん殴ったりした創世神話の英雄、片や大和朝廷を日本の統一国家に導いた英雄王子。
 規模の気宇壮大さからするとマウイに軍配が上がりそうなものですが、結果は、術士を多く抱え、アタックボーナスを持つ日本武尊が占拠数20:40で圧勝! 今の日本は不景気ですが、ジャパニーズパワーは健在です。

【ユーディットVSラーマ】
 ユーディットはかつてホロフェルネスに使った色仕掛けをラーマにもしようとした! しかし英雄王子ラーマは愛する妻シーターひとすじ! ラクシャサ王ラーヴァナの妹シュールパナカーの求愛を拒絶し、愛妻の為にスリランカで大戦争をやらかすほどのラーマ、当然ながらユーディットの誘惑なんぞには目もくれない!(これがまあ、好色者のクリシュナだったら応じていたんだろうけど…)
 結果は占拠数21:42でラーマの圧勝!

準決勝
【ギルガメシュVSヘラクレス】
 永遠の命を求めて長く危険な冒険を続けてきたけれどもついには叶わなかったギルガメシュと、12の冒険やギガントマキアー(オリュンポスの神々とギガンテスの戦い)での功業により神の座を手に入れ、結果として永遠の命を手に入れちゃったヘラクレス。う〜ん、二人の違いって、なんだったんだろ?
 そんなわけでギルガメシュは、永遠の命を手に入れているヘラクレスにジェラシーパワー(?)を爆発させたに違いなく、占拠数44:10でギルガメシュの圧勝! ヘラクレスの怪力もここでは通用しませんでした!

【日本武尊VSラーマ】
 英雄王子同士の対決です!
 兵数もほぼ互角、アタックボーナスも両者持っておりますので、接戦となりました。激戦の末、占拠数27:26で日本武尊が辛勝。どちらが勝ってもおかしくない戦いでありました。
 経済大国日本、まだまだ健在らしいです。裏でジャパニーズマネーが飛び交ったとか…

決勝戦
【ギルガメシュVS日本武尊】
 さあ、いよいよ決勝戦となりました。しかしながらアタックボーナスを持つ日本武尊が終始リードし、占拠数20:35で日本武尊がギルガメシュを打ち破りました。
 そういえば日本武尊への信仰は今でも健在ですが(建部神社など)、ギルガメシュの方は…あのあたり一帯はイスラム化してますから、キリスト教に塗り潰されたクーフリンやヘラクレスと同様の目に遭っていますな。

※トーナメント表の数字は戦闘での占拠数。
画像
名前ギルガメシュクーフリンプレスター・ジョンヘラクレスマウイ日本武尊ユーディットラーマ

というわけで、

優勝は、日本武尊(やまとたける)!

 世界最強の英雄は日本代表の日本武尊と決まりました。山の神や坂の神をぶっ殺した経験がモノを言ったのでしょうか? あるいは、信仰が今もなお続いている事がモノを言ったのでしょうか? あるいは、ジャパニーズマネー?

 ユーディットの伝説は今もイスラエルで生きておりますが、殺したのは人間一人であり、建国の英雄といえど神格化されておりません。
 又、信仰が今もなお生きているのは英雄王子ラーマです。ヒンドゥー教はまだまだ健在ですからね。イスラム教やキリスト教の布教が長年に渡って行なわれておりますが、たいして効果がないようです。
 その上、ラーマが世界維持神ヴィシュヌの化身であるという点では、景行天皇の息子の日本武尊に優越します。
 しかしながら、征伐の数量では日本武尊が上です。ラーマはランカー島(いまのスリランカ)を征伐しましたが、日本武尊は有名なもので薩摩・出雲・関東、又一説に寄れば宮城県まで行ったとか。
 まあ、その辺が勝因という事にしておいてください。お願いします。

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