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ざしきわらし
H17.2/9 著・泉獺
 タクシーの運転手さんが永田町界隈で流していると、小学生くらいの子供を拾った。
 子供は運転手さんに、民主党本部に行くよう告げた。運転手さんは子供の身なりがいいのを見て、この子は政治家の息子だろうと思った。
 子供はこう言った。
「今まで自民党にいたんだ。角栄・竹下の頃には利権がたまさかあって俺もそのおこぼれにあずかっていい思いをしてきたんだけど、小泉が総理になってからは渋チンですっかり住みにくくなってしまった。だから、今度は民主党へ行こうと思ってね。あそこはまだ若いから、やりようによってはうまい汁が吸えるんだ。」
 運転手さんが、この子供は不思議なことを言うものだと思っていると、民主党本部に着いた。運転手さんが子供のいる後部座席を振り返ると、子供は消えていた。
 やがて総選挙になって、与党の自民党は没落して野党になり、野党の民主党は躍進して与党になったとさ。
 めでたしめでたし。
(おしまい)

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