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空中を駆けるUFOの出現

泉獺 H16.2/22
 そのころ、アメリカは再度のイラク空爆の準備をしていた。折から、ニューヨークにおよそ四十日にわたり、金色の光を放ち、円盤を回転させながら動き回るUFOの編隊が空中を駆け巡るという出来事が起きた。すなわち、隊を整えたUFOがおのおの旋回や蛇行をし、円盤が揺れ、ライトは点滅し、光線が飛び、金の光やさまざまな色の光がきらめいた。

 そこで軍事産業は、この出現が敵国の新兵器によるものであるようにと願った。
 そこで投資家は、この出現が自分の予想したとおりに株価に影響を与えるものであるようにと願った。
 そこで科学研究者は、この出現がその真相を究明するための予算獲得につながるものであるようにと願った。
 そこで十九世紀的唯物論者は、この出現が人々の願望に基く集団幻想に過ぎないものであるようにと願った。
 そこでオカルチストは、この出現が科学によって説明できないものであるようにと願った。
 そこでノストラダムス研究家は、この出現がノストラダムスによって既に予言されていたものであるようにと願った。
 そこでラエリアンは、この出現がエロヒムの降臨を告げるものであるようにと願った。
(終わり)

元ネタ:「マカバイ記 二」5.1-4 空中を駆ける騎士の出現
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