自己啓発セミナー
泉獺 H15.10/23
某宗教団体の信者たちが、聖者のところへ来て、言った。
「あっちの宗教団体も、こっちの宗教団体も、また、我々のところでも、度々自己啓発セミナーを開いています。しかし、あなたがたのところではそんなことをしていないのはどうしてですか。ノウハウを御存知ないのでしたら、我々がプロデュースしてさしあげますが。」
そこで、聖者は言われた。
「弟子たちは私によってすでに啓発されているのに、更に啓発することがあなたがたにできようか。しかし、それでもなおセミナーを開くとすると、信者から参加費を集めることになって、坊主丸儲けになる。」
そして、聖者はたとえを話された。
「だれも、新しい車から部品を抜き取って、古い車に補充したりはしない。そんなことをすれば、新しい車も故障するし、新しい車から取った部品も古い車の規格には合わないだろう。
また、だれも、政策新人類が旧体質の政党に入るのがふさわしいとは思わない。もしそんなことになっていれば、政策新人類は旧体質の政党をブチ破って離党し、その政党は議席を失ってしまう。
また、従来の利権で甘い汁をすすれば、だれも改革を欲しない。『今までのとおりで良い』と言うのである。」
（おわり）
元ネタ:「ルカ福音書」5.33-39、「マタイ福音書」9.14-17、「マルコ福音書」2.18-22 断食についての問答
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