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世間の世界審判

泉獺 H15.10/21
見よ、大地は裸にされて、荒廃し
地の面が歪んで住民が散り散りになる。
衆生も坊主も、労働階級も支配階級も、勝ち組も負け組も
売る者も買う者も、貸す者も借りる者も
債権者も債務者も、すべて同じ運命になる。
地はまったく裸にされ、強奪に遭う。
どこからともなくこの言葉が語られた。

地は乾き、衰え
世界は枯れ、衰える。
地上の最も金満な民も弱り果てる。
地はそこに住む者のゆえに汚された。
彼らが道徳を犯し、平和を破り
国連の理念を棄てたからだ。
それゆえ、怨みが地を食い尽くし
そこに住む者は憎悪を負わねばならなかった。
それゆえ、地に住む者は焼き尽くされ
わずかの者だけが勝ち残った。

清らかな水は乾き、オリーブの枝は枯れる。
心の豊かだった人々も皆、目をつり上げる。
楽器の音は絶え、陽気な若者の騒ぎは終わり
歌姫の声も絶えた。
酒を飲んで歌う人々もいなくなり
うまい酒も、飲んでみればまずい。

混乱の街は破壊され
どの商店も閉ざされ、入る者もない。
巷には金儲けを求めて叫ぶ声がある。
喜びはことごとく失せ
人間の楽しみは取り去られた。
都には没落だけが残り
騒ぎのうちに巨大なビルは崩れ落ちた。
世界のただ中、諸民族の間で
儲けを求めて搾り尽くすようなことが
落穂拾いの後になお落穂を探すようなことが起こる。

彼らは宗教に走り、神々に御利益を祈願して
海や山から叫び声をあげる。
それゆえ、あなたたちは世界各地で神々を崇め
海外でも、世界中の神々、神々の名を尊ぶ。
地の果てから、念仏が聞こえる。
「何妙法蓮華経、何妙法蓮華経」と。

しかし、世間は思った。
「世界は衰える、世界は衰える
 世界は災いだ。欺く者が欺き
 欺く者の欺きが欺く。」

地に住む者よ、戦争と貧窮とテロがお前に臨む。
戦争から逃れた者は、貧窮に落ち込み
貧窮から這い上がった者は、テロに遭う。
異常気象が頻発し、地殻変動が続く。
地は裂け、甚だしく裂け
地は砕け、甚だしく砕け
地は揺れ、甚だしく揺れる。
地は、新橋の酔っ払いリーマンのようによろめき
欠陥住宅のようにゆらゆらと揺れ動く。
人の罪は、人の上に重く倒れて
二度と起き上がることはない。

いつの日かきっと、悪人どもが報いを受ける。
先進国では、儲けのために弱者を虐げる者を
後進国では、権力のために弱者を虐げる者を。
彼らは犯罪者が収監されるように、牢に入れられ
獄に閉じ込められる。
いつの日かきっと、彼らは報いを受ける。

三日月は辱められ、太陽政策は恥じる
栄枯盛衰・盛者必衰の理の通りになり
世間が注目する中で因果の報いを受けるとき。
(おわり)

元ネタ:『旧約聖書』「イザヤ書」24.1-23「神の世界審判」
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