山上の説教
泉獺 H15.9/29
聖者は山に登った。聖者が腰を下ろすと、衆生が近くに寄ってきた。そこで、聖者は口を開き、教えた。
貧しい人々は、幸いである。
その人たちは一円の有難さを知っている。
飢えている人々は、幸いである。
その人たちは何を食べてもおいしく感じる。
不況に苦しむ人々は、幸いである。
その人たちは好景気を人一倍喜ぶようになる。
ケチな人々は、幸いである。
その人たちは貸す方になっても借りる方にはならない。
托鉢に応じる人々は、幸いである。
その人たちの心は救われる。
原理主義を貫く人々は、幸いである。
その人たちは聖者となれる。
カルトだの、インチキだの、胡散臭いだのとののしられ、迫害され、身に覚えのないことであらゆる悪口を浴びせられるとき、あなたがたは幸いである。喜びなさい。大いに喜びなさい。天が大きな報いを用意してくださる。あなたがたの前にあらわれた出口王○三郎も池田○作も大川○法も、同じように迫害されたのである。
しかし、
金持ちは不幸である。
あなたがたはいつも金の亡者にたかられる。
勝ち組に分類されている者は不幸である。
あなたがたはそのうち負け組になる。
株式や相場で儲けている者は不幸である。
そんな栄華は気まぐれで、長くは続かない。
成功を収めて賞讃を受けている者は不幸である。
それを妬む者があなたがたの揚げ足取りをしようと待ち受けている。
六本木ヒルズに住む者は不幸である。
六本木ヒルズは今をピークに没落してゆく。
有利な資格を取得している者は不幸である。
あなたがたの資格はそのうち無用になる。
無神論者は不幸である。
あなたがたが死んだら、そこには何もない。
合理主義者は不幸である。
つきつめてゆけば、自分自身が不合理な存在だと悟るようになる。
狡智に長けた者は不幸である。
あなたがたはその賢さのゆえに世の醜さを思い知らされる。
ハングリー精神に富む者は不幸である。
あなたがたの心は貧しい。
すべての人にほめられるとき、あなたがたは不幸である。誰からも非難されないということは、北朝鮮の金正日やソ連のスターリンと同じなのだ。
聖者はこう言った。
（おわり）
元ネタ：『新約聖書』「マタイ福音書」5.1-12、「ルカ福音書」6.20-26
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