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HUNTERXHUNTERの謎
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アイコンネタバレ!(現出編) −ヒラガ・ゲン9さん

ネタバレ!(現出編)

大阪は難波。道頓堀の橋を渡ってきた。ここがあの有名なダイブの場所か。きたないな、この川。
ぶらりと御堂筋に出た。スターバックスが見えたので、ちょっとくつろぐことにした。今や珍しくなくなったこのタイプの店。
あまり混んではいなかったが、僕がすわると、ほぼ時を同じくして右隣に女がすわった。妙に気になった。すらりとしたスタイルばかりでなく、雰囲気が周囲とは違う。横顔がきれいだった。女優という感じがする。年の頃なら20代後半か。いや、若く見えてはいるが、もう三十路を迎えているのかもしれない。
いや、そんなことじゃない。僕が書きたかったのは。
彼女はパソコンを取り出し、起動させた。そこには見たことのある画面が。 
ハンターXハンターの謎。黒い背景の、あの画面だ。しかし、ちょっと違う。何かが違うんだ。そう。ツールバーの感じが。ブラウザじゃない。そうか、HTMLエディタだ。僕も持ってるホームページビルダ・バージョン7じゃないか。
彼女に気づかれないように画面を横目で見続けた。ストーリー対談ページだ。何度か見たことがある。女はPCの左横に置いたノートを見ながら文章をタイプアップしている。
えっ。ページ編集をやってる。ハン謎の。
僕はあっと驚いた。ハン謎の編集?そうか管理人、あの奇妙な名前の、そう教来石なんとか。でも目の前にいるのは女じゃないか。それにしてもきれいな女だ。
そう宗春だ。教来石宗春。でもまさか。女?そんなはずはない。BBSに書き込んでる内容、ボク、とか書いてたじゃないか。
待てよ。
カルトだってそうなんだ。ボク、って言ってたって男か女かわかるわけじゃない。ワシ、という女子高校生だっている。そうすると…いや、対談相手のなんとか四季という男。そう、きっとあれが女なんだ。柔らかな名前じゃないか。
そうだ、間違いない!目の前の女は管理人の対談相手、四季に違いない。
その証拠に、対談内容を閉じて別のウインドウを画面に開き、なにやら操作をすると、PCからはみ出しているモバイルカードのライトが点滅し始めた。データを送っているんだ。内容確認のために。そうだ。間違いない!

驚いた。ハン謎のページ作成現場を見てしまった。
が、本当の驚きはそれからだった。データ転送が終わってから女はバッグからB4サイズくらいの白い用紙を取り出した。そこには長方形で区切られた場所があり、白と黒で描かれた風景や建物、部屋の中の様子などが描かれていた。
女はテーブルに置いたその用紙の上に、マジシャンのように手をかざし、目を細めて、何かを考えるかのようにじっと紙面を見つめた。そして少しずつその手を上に上げ始めた。
なんと!なんとそこに現れた、というより現れてきたのは、ビスケ、キルア、そのほかまだ見たこともない角度から描かれたHXHのキャラクターだ。この女性は、もしかして。そう、そうだ。間違いない!
トットットットガスィィィイイイイイ!!
冨樫義博は女だった!
いや、そんなはずはない。そんなことは聞いたことがない。
そうだ、あのビスケの表情、キルアのどちらかというと愛らしささえ表現されたあの描き方。今までも見たことがあったじゃないか。奥さんだ。かの有名なセーラームーンの。
それよりもあのキャラクターの現れ方。あれは何だったのだ。決して描いたのではない。たしかに現れてきたのだ。かざした手の神がかり的な能力か何かで。そうだ、間違いない。念だ。念能力だ。冨樫義博の奥さんは、奥さんは、実に、実に、念能力者だったのだ!
ぁぁぁぁああああああ!
何ということだ。僕は見てしまった。あれこそ、紙の表面にキャラクターを現出させたあの能力こそ、かの有名な、
ドドドド、ドックィリィテクスチュアウァァァアアアア!!
ああ、ほんとうに何ということだ。僕は見てしまったのだ!

ふとケイタイのバイブ音がした。僕の視線の先にある、このスターバックスのテーブルに置かれた奥さんのケイタイだ。
"はい。ああ、なんだ。あなた。…ふーん。いいわよ。今難波のスタバ…待ってるわ。"
奥さんはケイタイを置いた。会話の相手は。そう。間違いない!冨樫義博。そうなんだ。冨樫が、冨樫がここにやってくるぅぅぅううう!

つづく
ヒラガ・ゲン9






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