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HUNTERXHUNTERの謎
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アイコン家族 −うれたまさん

家族

ボクは犬だ。どこにでもいるごくフツーの飼い犬だ。
ボクは、ご主人様にとても愛されている。なぜかよくわかるんだ。
ご主人様が何を想い、考えているか、なんとなくわかるんだ。
ご主人様は今、悲しみの中にいる。

ご主人様は今、天涯孤独なんだ。
ボクが小さい頃は、奥様と二人の子供がいた。
子供は男の子と女の子だった。二人ともボクをよーくかわいがってくれたよ。
あの時までは・・・
男の子は小さいときから念というものを使えた。
ある日の冬、『ハンター試験出かける』とボクにだけそっと言い残して出て行ってしまった。
男の子がいなくなった前日、夜中遅くまでご主人様と口論していたから、きっと反対されていたんだろうね。
それから、運命の神様はこの家に悪いことばかりを与えたんだ。
男の子がいなくなって間もなく女の子は病にふせってしまった。
ご主人様と奥様はしばらくつきっきりだったけど、半年後には家に帰ってきた。
女の子はもう帰ってこなかったけどね。
それ以来、ご主人様はふさぎこんでしまった。
奥様もつらかったんだろうけど、いつも笑顔でご主人様の傍にいたよ。
でもボクは知っているんだ。
奥様は毎日、家の裏のお勝手口の外で、誰にも見つからないように泣いているのを。
ご主人様の心の氷が溶けはじめてきた頃、奥様が倒れたんだ。
もともと体が弱かったうえにショッキングなニュースを聞いちゃったからね。
ハンターになった男の子が戦争で死んだことを。
そして入院して、もう帰ってこなかった。
奥様は最期まで笑顔を絶やさなかったって、ご主人様はいつも笑ってボクに言うよ。
ご主人様の両親は共にハンターで、ご主人様が小さいときに死んじゃったんだ。
だから、ご主人様は天涯孤独ってわけさ。

でも、ご主人様はいつもボクに・・・
『お前はオレの家族だ。お前のことは死んでも守るぞ。』って想ってくれるんだ。
ボクにはそれがよくわかる。
ご主人様にとってボクはたった一人の家族なんだ。
犬であるボクにはとてもうれしいことだよ。

だから、ボクはご主人様が生きてる限り死ねない。
ご主人様が一人になっちゃうからね。


fin
うれたま





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