サイボーグじいちゃんG
作・土方茂(小畑健) ジャンプコミックス全4巻 21世紀再販版全2巻
ストーリー
農業と発明を愛する老人、懐造時次郎。
カラスから自分の畑を守る為にガトリング内蔵カカシやミサイルランチャーを配備したりする過激な老人だが、
ある日、朝早いハズのその姿が見えない…
家族が心配して駆けつけると…なんとサイボークになっていた!
じいちゃんは世界でトップの農作業を営む為に自らを改造、
農作業用サイボーグ『サイボーグじいちゃんG』となったのだ!
時に悪党を打ちのめし、宿敵・社礼頭博士の野望をくじき、時にハチャメチャに暴れまわる
痛快極まりないギャグマンガだ!
リアルタイムでジャンプで見た幼少時、胴体が折れ曲がりバルカンを繰り出すカカシや
毎度の爆発オチには抱腹絶倒し、村上のバカマンガの原点的存在の一つである。
この記事用に読み返したら、つい爆笑して読みふけってしまったよ。
そんな訳でサイボーグじいちゃんGを紹介していこう。
その最大の特徴はメカでありつつ老人であると言う点だ!
趣味は農業と盆栽と発明。
農業の為には重火器の使用も厭わない。むしろ積極的に使う。
本体にもガトリング、ミサイル、火炎放射器等々を内蔵し怒るとスグぶっ放す。
盆栽もサイバーパワーでデザインを計算。
バランスを崩す枝は回転丸ノコを射出して整える。
だが老人の為、サイボーグになってもリュウマチに苦しめられたり
電磁サロンパスや血行がよくなる入浴剤入り風呂(帯電してる為常人には有害)に使ってパワーを回復したりと
無駄な特徴&弱点も完備。
その他体内で漬物を漬けていたりとやりたい放題だ。
そしてもう一つの趣味発明も大問題。
人が怪我をするとすぐさまサイボーグ化したり、他人の頭をすぐ電子頭脳に挿げ替えたりと、
銃夢の違法サイバネ屋もかくやの暴虐っぷり。
また時折登場する乗り物も勝手に使いやすいよう改造するので
F−16戦闘機なみの戦闘力を誇りパワードスーツ化するトラクターや、
垂直離着陸するリヤカー、
レーシング仕様になりイモを自動射出する焼き芋屋台など、
よそでは決して見られないような(当然)アヤシイ乗り物も多数登場するので見逃せない。
そして極めつけは爆発!
どんな展開だろうと悪の最後とギャグの締めは爆発オチ!
ギャグマンガに爆発は欠かせない事をみっちり叩き込ませてくれる。
美麗な絵柄と作者。
この漫画はバカな内容に反し超絶美麗な絵柄である。
むしろ、バカマンガは絵が上手ければ上手いほどそのギャップが笑いになる好例とも言えよう。
特にジャンプ版一巻の表紙はGちゃんがサイバーボディに麦わら帽子+手ぬぐいで、
畑から大根が何故か放電して浮いていると言う珍妙なシチュエーションが
超ハイスキルで描いてあるので必見!
この表紙の為だけでも再販版でなく、旧版を探す価値はあると断言できる。
やたら滅法上手く、るろうに剣心の作者が師匠とさえ崇めるこの作者。
冒頭でネタバレしているが実は「ヒカルの碁」の作者・小畑健先生なのだ!
あの小畑先生がバカマンガを…と今とのギャップだけでもまた笑いが起きる。
再販版の際にはキャンペーンでヒカルとGちゃんが碁を打つ柄のTシャツがプレゼントであったのだ!
欲しかった…
と言う訳で長々解説してきたが、俺がくどくど言わずとも名作なのは動かしがたい事実である。
バカマンガBEST5を選べと言われたら確実にランクインするこの作品。
好事家なら見ずには死ねまい。