デュエルマスターズ
作・松本しげのぶ てんとう虫コミックス 1〜17
コロコロでやっている、ありがちなタイアップ系カードマンガである。
最初はマジック・ザ・ギャザリングで現在はギャザの会社と共同開発した同名カードのマンガだ。
正直言おう。
絵は上手くない。幼年誌ギャグマンガでも並クラスだ。
ギャグ。二束三文程度でバカマンガと言うには程遠い。
ストーリー。タイアップ物なので敵、対戦、挫折、復活と言った感じの繰り返しだ。
…じゃあ、何が良くて記事にまでするのか?
このマンガは熱いのだ!理由は無い!
バカな程、熱過ぎるのだ!
この熱さは読ま無きゃ伝え難いのだが、手に取ろうと思うよう少しばかし紹介。
ストーリー1
主人公、切札勝舞は単純だが、一本気のデュエル大好き少年。伝説のデュエリストの父が
海外修行から帰ってくるので大喜びで迎えに行くと、
そこには連れのNAC名人(実在)しか帰ってきていない…
理由を問いただすと、悪のデュエル集団に破れ、父は行方不明だと言う。
手がかりは残されたカードと、真のデュエリストになり、悪の集団に立ち向かうしかない。
勝舞は父の消息を探す為、デュエルの腕を磨いて行く。
早くも序盤から片鱗を覗かせるオイシさ。
カードはマンガ遊戯王と違い、「デュエルシステム」「闇のゲーム」などの理由は全く無いにも関わらず
魔法、敵クリーチャーの攻撃で普通にプレイヤー本人が傷ついていく。
何でか知らんが、命懸けの真剣勝負だ!カッコイイ!
ストーリー2
デュエリスト養成機関での成長を遂げ、卒業した勝舞に謎の影。
それは日本ジュニア最強集団「白い騎士団」のスカウトであった。
だがリーダーにして完全無敗のデュエリスト「白凰」はあまりにも冷酷無比。
彼を慕う部下も負ければ次々切り捨てるやり方に逆上する勝舞。
「白凰と戦うには最強の四天衆が守る部屋を倒し、進んで行くしか無い!!」
12宮編も超ビックリのベタ展開!
ポータル三国志を操る三国!
一見美少女だが、凶悪デュエリスト少女ミミ!
邪悪な頭脳、牛次郎!
そして四天衆を倒し待ち受けるライバル黒城狂死郎!
ぶっちゃけ一番熱いのはココ。
四天衆戦は一戦一戦がどれをとっても面白い。
互換した別のカード、ポータル三国志!
同じカードを入れてはいけないハイランダー!
自分で選んだ特殊能力を追加した状態で戦うバンガード!
負けたら焼け死ぬファイアーデスマッチ!
と毎度特殊な戦闘を強いられ、苦境からの逆転劇には
ベタだベタだと思いつつも、ついつい引き込まれてしまう面白さがある。
そして負けた者は不要だと、慕う白凰に切り捨てられる四天衆の悲哀の対比。
特に黒城戦は一品。
死力と死力、意地と意地のぶつかり合い。
熱くならぬ訳が無い!
そして割り込んで来た黒城君に与えられる
敗北のデメリットは爆死。(一応生きてるけど)
白凰の間に向かう2つの鍵。
敗者の方は爆発する仕掛けになっていて…
悪のデュエリスト黒城すら『ライバル』と呼び握手をする仕掛けを知らない勝舞を蹴り倒し、
一人爆発する黒城。
小学生の身で「死神の様に美しく生きるんだ!」
と豪語する彼なりのニヒリズムであろう。
つーか爆発しちゃマズいだろ。
ストーリー3
ついに白凰の元へ辿り着いた勝舞。
そこで渡されたのは真のデュエリストしか使えぬ究極のカード「デュエルマスターズ」であった!
実際にクリーチャーは実体化しプレーヤーに牙を剥き、
時には死ぬ事すらあるカードを手にするも
勝舞は果敢に立ち向かう闘う!
以降はデュエルマスターズが一般版として世に出回り、メインもこちらになって行く。
展開は現在連載中の全国大会になり
ここから「デュエルマスターズ」カードになってしまう。
ギャザの時には長年確立されたルール、価値観、環境、強さ等が
実際のモノとしてあったが、同時進行ゲームになってしまうと、
作品に併せカードが出る、正に遊戯王的ご都合主義バトルになりがちなのでヌルめ。
やってる事は同じなのだが…
とは言いつつも普通に命を賭けて闘う現在の展開も十二分にオイシイので是非見て欲しい。
あと、10/21からおはスタ内でアニメが始まったのだが、
こちらは最初からデュエルマスターズ版で繰り広げられる事になる。
数々の激戦の熱さをちゃんと引き継いでくれているのか心配ではあるが、
グダグダ言っても仕方無いのでこちらも最後まで見よ。