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Shall we wash?

作・一葉ひよ



 桜月キラ・ユラ先輩と言えば、僕の通っている学園の姉妹校である女子校の中でも際立った存在で、
高等部や僕たちの中等部まで含めた、いわば学園全体のアイドルだった。

 そんな彼女たちに告白する男は珍しくなく、そして玉砕するのもいつものとおりだった。
 ただひとつ、今回がいつもと違っていたのは、断りの理由が「私たち、もう好きな人がいるんです」だったこと。

 学園中は大騒ぎになった。

 僕も友人達も、「そんな幸運なヤツって、いったい誰なんだろーね」と話し合っていた。
 その時はまだ知らなかったんだ。と言うより、想像さえ出来なかった。


 まさかその「好きな人」が、・・・・・・僕のことだったなんて。







 その後の、二人からの告白と、お付き合いを始めてからのドタバタ
(なにせ男子生徒全員を敵に回したみたいなものだから)についてはまたその内にという事で。
 これは何とか周りが落ち着いてきた、とある初夏の日のことお話。

 その日は朝から雲ひとつない青空が広がり、天気予報でも降水確率0%と言っていたはずなんだけど・・・・・・。


 ドザザーーーーー!!!


 三人での帰り道途中、急に雨雲が空を覆ったかと思うと、
まさにバケツをひっくり返す、という形容がピッタリなほどの豪雨が、僕たちに襲い掛かってきた。

 全身びしょ濡れになりながら、僕たちは走り続けていた。

「頑張って、もうちょっとだから!」

 キラ先輩が先導するように前を行く。

「大丈夫? もうじき着くからね」

 心配そうな表情のユラ先輩は、雨から僕を庇うように、寄り添ってくれている。
 先輩たちはこんな風にいつも、僕を守ってくれる。
 本当は、僕の方が二人を守らなきゃいけないのに。情けないなぁ・・・・・・。

 たどり着いたのは先輩たちの家。
 僕たちは襲い来る雨から逃げるように、玄関に飛び込んだ。

「はぁはぁ。着いたー」
「はぁ、よかった。あなたの方は大丈夫?」
「ぜぇぜぇ、は、はい。問題無いです」

 髪から服からポタポタと雫を垂らしながら、僕たちは息を整えていた。
 そこにバスタオルを持って、家の奥から先輩たちのママさんが出てきた。

「お帰りなさい。大変だったわね、はい、これ」

 渡されたバスタオルで、僕たちは濡れた髪を拭う。

「お風呂沸かしてありますから、入って温まりなさい。その間に服を洗濯しておきますから」
「そだね。じゃ、あなたが先に入って」
「ええっ!?」

 ちょっとキラ先輩。こういう場合はやっぱり女性が先でしょ?

「い、いえ。僕はいいですからキラ先輩とユラ先輩が入ってくださいよ」
「ダメです!」

 普段は大人しいのに、こういう時のユラ先輩はちょっと怖い。

「あなたが風邪なんて引いちゃったらどうするの? さ、行きましょう」
「そうそう、こっちこっち」
「ああっ、ちょ、ちょっと!」

 有無を言わせず、二人は僕の手を引いて浴室へと向かった。

「あらあら、相変わらず仲が良いわね〜」

 という、少しズレたママさんの言葉を後にして・・・・・・。






 結局先輩たちに押し切られ、お風呂には僕が先に入ることになった。
 びしょ濡れの服を脱衣篭にまとめて入れ、浴室への扉を開け中に入る。
 掛け湯をして湯船に入り、ゆっくりとお湯に浸かると、冷えた身体がじわっと温まってくる。
 先輩たちの家のお風呂を見るのは初めてだけど、まずその広さに驚いた。
 数人が同時に入っても大丈夫なくらい、浴室も浴槽も大きい。
 これなら、キラ先輩とユラ先輩と一緒に入っても余裕がありそうだなぁ。

「うっ!」

 ついそんな場面を想像してしまい、身体の一部が一気に硬化する。

「(な、何考えてんだよ、僕は。それよか早く上がって、先輩たちと代わらないと)」

 自分の考えに赤面しながらも、適当なところで浴室を出ようとしていたところ、脱衣所の方に人影が入ってきたように見えた。
 すりガラスを透したその人影二つは、なんだか服を脱いでるみたいなんですけど。

 ・・・・・・ま、まさかね。

 そう思いながらも僕は扉から視線を外せないでいる。
 そして扉を開けて入ってきたのは、やっぱりというかなんというか、
 タオルだけで身体を隠しているキラ先輩とユラ先輩だった。

「は〜い、お湯加減はどう?」
「お、お邪魔します・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」

 僕はそんな先輩たちの言葉に返事も出来ずに、ぼーっと二人を見つめていた。
 二人ともハンドタオルで前を隠してるけど、身体のラインはしっかりわかる。
 滑らかな曲線で構成されたシルエットは、僕のクラスの女子とはまったく違っていて。
 ようするに、・・・・・・僕は見惚れていたんだ。

 三人並んで、しばしお湯の中をたゆたう。
 僕の両側のキラ先輩とユラ先輩は、僕の肩にもたれるようにしてくつろいでいる。
 二人の柔らかな身体が僕に密着しているおかげで、身体の一部が大変なことになってます。
 幸いにも、まだ先輩たちは気づいていないみたいなので、
 バレない様に膝立座りをしながら、僕は所在なさげに浴室内を漂う湯気を眺めていた。
 だって視線を下げると、あの、・・・・・・見えちゃうんだもの、二人の身体。

「あ、あの・・・・・・」
「は、はいっ! な、なんでしょう?」

 ユラ先輩への返事は、情けないほどうわずっていた。
 な、なんか、こっけいなほどうろたえてるな、僕。

「よろしければ、あの、・・・・・・お背中、流しましょうか?」
「・・・・・・・・・・・・」

 絶句。

「そうねぇ、お背中といわず、ぜ〜んぶ洗ってあげましょ」

 嬉々としたキラ先輩が僕の手を引く。

「い、いえ! ご好意はありがたいですが、じ、自分で出来ますっ!」

 ちょっと待ってくれ、今のこの状態を見られたら・・・・・・。
 は、恥ずかしくて死んでしまうよっ!

「遠慮しなくていーのっ! さ、ユラちゃん、そっち持って」
「は、はいっ」

 二人が僕の両腕を抱えて、立ち上がらせようとする。

「わっ! ちょ、ちょっと待って下さいっ!」

 抵抗しようとするも、先輩たちよりも小さな僕は、案外あっさりと持ち上げられてしまった。
 不自然に硬化した部分が、オリャっとばかりに天を向く。

「あっ・・・・・・!」
「・・・・・・!」

 それを目に留めた先輩たちが、息を飲むのが聞こえた。
 僕はもう、これ以上は無いって位顔が赤くなっている。

「え、えと、えと・・・・・・」
「ま、まあ、とりあえず上がりましょ」

 浴槽を出、僕を座らせると、キラ先輩とユラ先輩は押し黙ったまま、
 泡立てたスポンジで僕の身体を洗い始める。

「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」

 僕ももちろん、恥ずかしさで言葉が無い。
 なにせ、何も身に付けてない先輩たちの身体が、ろくに目に入らないくらいだもの。
 ユラ先輩が首筋、背中、腕、と手を動かし、キラ先輩が足先から上に向けてスポンジを動かす。
 そして、最後に残った場所は・・・・・・。

「じゃ、じゃあ、ココも洗うね・・・・・・」

 キラ先輩の手のスポンジが、僕のその部分に触れる。

「うっ!」

 ぞくっ、という感覚が走り、僕の身体が一瞬硬直する。
 そして硬直しているものも、ぴくっと跳ね上がった。

「きゃん! ご、ごめんなさい! 痛かった?」

 慌てて手を引っ込めたキラ先輩が聞いてくる。

「い、いえ。だ、大丈夫です」

 ほんとは全然大丈夫じゃないけど。
 でも「実は気持ちよかった」なんて言える訳無いし。

「キ、キラちゃん。スポンジじゃなくて、直接、あの、手でした方が、良くないかな・・・・・・?」

 うおっ!
 ユラ先輩なんてこと言うんですかっ!
 ただでさえ限界が近いのに、素手なんかでされたらもう・・・・・・!!

「そ、そうね。それじゃ・・・・・・」

 キラ先輩はその手にスポンジの泡を取ると、僕の固くなってるところに這わせ、撫でるようにさすり始めた。

「うっ! ううっ・・・・・・・」

 思わず声が漏れてしまう。泡のぬるぬるとキラ先輩のすべすべした手の温もりが、今まで感じたことの無い快感を与えてくれている。

「あ、あのっ! わ、私もお手伝いしますっ」

 さらにユラ先輩の手が加わって、二人の手が竿をしごいたり袋の部分を揉み解すように動かしたりするものだから、
自分でする経験さえまだそんなに無い僕の限界は、あっさりと超えてしまった。

「あっ、ダメですっ! も、もう、出ちゃうっ!」
「えっ?」
「で、出るって・・・・・・」

 僕の言葉に二人は手を止めたけど、すでに遅く。


 びゅっ、びゅくっ、どぴゅっ、ぴゅっ・・・・・・。


 大量の白い粘ついた液体が、前にいるキラ先輩の胸やお腹に降り注いでいた。

「熱い・・・・・・」

 キラ先輩は飛び散った白い液を指に取り、、何か確かめるように玩んでいる。

「こ、これが男の人の・・・・・・」

 さっき初めて見た射精の瞬間を思い出すように、ユラ先輩が呟く。

 ぽたっ、ぽたっ。

「あ、あなた・・・・・・」
「泣いて、るの・・・・・・?」

 僕の涙が一粒、二粒と落ちる。
 恥ずかしかった。
 それ以上に、簡単にイってしまった自分が情けなかった。

「うっ・・・・・・・ううっ・・・・・・」

 高まった感情をどうすることも出来ず、僕は子供みたいに泣いていた。
 その時、ふわっと横から抱きしめられた。
 うつむいた僕の顔に、白くて綺麗な指が添えられる。
 顔を上げると、ゆっくりとユラ先輩の顔が近づきそして、
 僕の唇にユラ先輩の唇が重ねられた。
 突然のことで僕は何も反応出来ない。
 ボディソープとは違う、甘い香りが僕の鼻腔をくすぐる。
 そしてゆっくりと唇を離したユラ先輩は、僕の目をじっと見つめた。
 僕を見つめるユラ先輩の目にも、うっすらと涙がにじんでいる。

「ごめんなさい・・・・・・」

 そう呟き、ユラ先輩は強く僕を抱きしめる。

「あなたに嫌な思いをさせてしまって、・・・・・・本当にごめんなさい・・・・・・」
「ユラ先輩・・・・・・」
「ご、ごめんねっ!」

 今度はキラ先輩も僕に抱きついてきた。

「わ、私ったら、ホンと考えなしで・・・・・・。謝るくらいじゃすまないかもしれないけど・・・・・・」

 チュッ。
 キラ先輩はそう言いながら、キスするように僕の涙を拭ってくれた。
 先輩たちに抱きしめられて、僕の感情も落ち着いてきた。
 こんなことで泣くなんて、しかもそれで先輩たちを泣かせてしまうなんて。
 そっちのほうがよっぽど情けないじゃないか。
 僕は心を落ち着け、先輩たちに笑顔を向けた。

「大丈夫です、キラ先輩、ユラ先輩。別に嫌だからって訳じゃないですから」
「本当?」

 心配げなキラ先輩の瞳。

「はい、ちょっとビックリしただけです」
「あ、あの・・・・・・、私たちのこと、嫌いになったり・・・・・・しない?」

 ユラ先輩が抱きしめる腕に力を込める。

「しません! 二人とも・・・・・・大好きですよ」

 今度は僕が二人の背中に手を回して、力強く抱きしめた。

「・・・・・・よかった・・・・・・ぐすっ」
「私もユラちゃんも、あなたこと・・・・・・大好きっ!」

 三人で抱き合いながら、僕は突然今の状況に気がついた。
 先輩たちの胸のふくらみは僕に押し付けられ、少し固くなった突起が僕の身体をくすぐっている。
 視線を下に移すと、淡い繁みと、その奥の秘密の場所が目に入る。

 ピクッ、ピクピクッ。

 一度出して萎れていた処が、また元気を取り戻してきた。
 もちろん先輩たちもそれに気がついた。

「あっ・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・すみません、節操が無くて・・・・・・」

 情けなさに、穴があるなら入りたい気分だ。

「・・・・・・なんだか、苦しそう・・・・・・」
「ねぇ・・・・・・もう一度・・・・・・したほうがいいかな?」

 悪いと思いながらも、こんな状態じゃ収まらないし。

「・・・・・・すみません。お願いします」
「それじゃ・・・・・・」
「えっと・・・・・・」

 二人の指が、僕の勃ち上がった部分を優しく包むと、快感が尾骨から背骨を駆け上がった。

「ううっ・・・・・・」
「あっ・・・・・・」
「大丈夫?」

 僕のうめき声を聞いて、二人が心配そうに聞いてきる。

「は、はい。ちょっと、気持ち良すぎて」
「そっか、気持ちいいんだ・・・・・・」

 少しはにかんだように、キラ先輩が微笑む。

「あ、あの・・・・・・、どんな風にしたら、もっと気持ちよくなりますか?」

 恥ずかしそうにユラ先輩が尋ねてくる。

「じゃ、じゃあ、ちょっと強めに握って、上下に動かしてくれますか」
「こ、こんな感じですか?」
「あ、私はどうすれば」
「キラ先輩はその袋みたいなところを揉むような感じで」
「えと、こ、こう?」

 シュッ、シュッ。
 ふにふにふに。
 先輩たちの指が、僕のアソコを玩んでいる。

「あ・・・・・・・はぁ・・・・・・・」
「んん・・・・・・ふぅ・・・・・・」

 キラ先輩とユラ先輩の息も、少し激しくなってきたみたいだ。
 手を動かしながら体をゆすり、胸を僕の身体にこすりつけている。
 その行為に僕の興奮がさらに高まる。

「・・・・・・なんだか先のほうが、ぬるぬるしてきました・・・・・・」
「・・・・・・気持ちよくなると、そうなるんです」
「あ、じゃあ私たちと同じ・・・・・・!」

 しまった! という風のキラ先輩。顔が真っ赤になってる。
 見るとユラ先輩も真っ赤だ。
 二人の繁みは、明らかにお湯以外のものでてらてらと輝いていた。
 僕は二人を抱いていた手を背中からまわして、先輩たちの胸のふくらみに持っていった。

「きゃん!」
「はぁん!」
「先輩にさせてばかりじゃ不公平です。だから、僕にもさせて下さい」

 まだあまり大きくない(失礼!)ふくらみを、頂上の突起に触れるか触れないかの形で手のひらで包み、
力をいれ過ぎないように揉みしだく。

 くにくに、ふにふに。

「あんっ! はぁ、あうっ、ううん」
「ふぁ、ううん、あはぁ、くぅん」

 シュッシュッシュッ。
 もみもみもみ。

「う、ううっ」

 しばらく続けて、いよいよ限界のときが来た。

「せ、先輩。僕、もう・・・・・・」
「あ、はんっ。う、うん、いいよ。わ、私も・・・・・・」
「は、はい。あはぁ、だ、出して、思いっきり、出して下さい!」

 三人とも最後に向けて、手の動きが激しくなっている。
 焼けるような感覚が、尿道をせり上がる。

「ううっ、出るっ!」
「あ、ああっ、わ、私も! あ、あはぁっ!」
「ふわぁ、はぁ、あ、来るっ、何か来ますっ、あああっ!」

 どぴゅっ、びゅくっ、びくっ・・・・・。

 再び、白い液が浴室に飛び散った。

 ぴゅっ、ぴゅくっ。

 それと同時に、先輩たちの秘所からも、何かの液体が噴出していた。





 精根尽き果てた僕と先輩たちは、ぐったりと浴室の床に、寄り添って倒れている。

「はぁ・・・・・・、こんなの初めて・・・・・・」
「うん・・・・・・。あなたは、どうだった・・・・・・?」
「はい、すごく良かったです」
「ふふふっ」

 寝そべりながら三人笑い合うと、お互いを支えあいながら身を起こした。

「さ、もう一回身体洗い直そ」
「そうだね。あ、今日のこと、三人だけの秘密だよ」
「はいっ!」
「それから・・・・・・」

 そっと顔を寄せ、キラ先輩とユラ先輩がこう僕に耳打ちした。

「今度は私たちが、あなたに、私たちの初めてをあげるから、ね」




【終】



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