NGO(非政府組織)のグリーンピース(以下緑豆)がクジラに関するアンケートを行っている。
内容は次のようなものだ。
1 クジラを食べたことがありますか。
ある ない わからない
2 あなたはどのくらいクジラを食べたいと思いますか。
売って いたらきっと買う 買うことがあるかもしれない 買わないと思う
3 国際的に信頼のある国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで、捕鯨対象の全てのクジラが絶滅危惧種か準危急種だということを、ご存じでしたか。
知っていた 知らなかった
4 クジラが哺乳類で一回に一頭しか子どもが生めないので、魚のようにはふえないという ことを知っていましたか。
知っていた 知らなかった
5 調査捕鯨で税金が毎年10億円投入されているのをご存知でしたか。
知っていた 知らなかった
6 南極海がクジラのサンクチュアリー(禁漁区)に指定されていることをご存知でしたか。
知っていた 知らなかった
7 グリーンピースがクジラのことだけではなく、地球温暖化や森林保護などの地球環境保護に取り組んでいるNGOだということを知っていましたか。
知っていた 知らなかった
一見するだけでも怪しさがにじみ出ているだろう。
まず、質問3の国際自然保護連合(IUCN)だが、「国際的に信頼のある」と当然のように書いてある。
だが実際にはそうではない。
IUCNはボランティアの専門家からなるが、調査の背景、状況が不透明であったり、
一部の利益団体の影響を強く受けたりと、その信頼性は疑わしいと言わざるを得ないのだ。
次に質問4を見てみると「クジラは一度に1頭しか生まないので、魚の様には増えない」とある。
なんと馬鹿げた質問であろうか。
食物連鎖のピラミッドは中学生ですら知っている。
マンボウは一度に数億個の卵を産むが、そのうち成魚になるのは一個、またはゼロだ。
一方クジラは海の食物連鎖の頂点に立つため、1頭生めばその1頭はかなりの確率で成人する。
こんなことは生物の時間に誰もが習うことだ。
緑豆は中学生以下の知識で環境保護に励んでいるのだろうか。
アンケートを一通り終えたのならば、そこに明らかな不自然さを感じるだろう。
例えば質問5。何にを訊いているのかといえば、10億円が捕鯨に使われている事を「知っているか否か」なのである。
10億円を使うことへの賛否ではない。なぜだろうか。
よく見てみると、他の質問も殆どが「知っているか否か」であり、そこに回答者の意見を挟むことは出来ない。
どう答えても質問者の掌の上なのである。
つまり、アンケート結果がどうであろうとその結果は質問者の都合のいいように使うことが出来る。
これではアンケートとは呼べはしない。
人々の意見を集めるためならば「知っているか否か」ではなく「適切であるか否か」になるべきだろう。
緑豆がこのような悪質な方法まで使って捕鯨に反対する理由を是非ご拝聴したいものだ。
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