- 547 :実習生×久遠 :2006/06/14(水) 03:16:08 ID:87uBwCRu
- 「あれ……おかしいな」
大きなスポーツバッグを肩にかけた青年が、道路の真ん中でポツリと呟いた。
時はすでに夕方。カラスの声が遠くで響いて、なんだか物悲しい雰囲気が漂う。
季節は初夏。これから蝉の声もうるさくなってくるであろう時期に、彼はこの島――宮神半島に来ていた。
なぜこのような田舎にやってきたのか、その理由は簡単である。
彼は教職を目指す身であり、今日から3週間の教育実習が始まるのだ。
意気込んでこうしてやってきた彼――実習生であったが、これから住まわしてもらう
実姉の家に向かう途中で、どうやら道に迷ったらしい。
地図も持っていない、姉は海外へ旅行中で電話しようにも通じない。
一体どうしたものか、と首を捻る実習生だったが、ここで立ちすくんでいるのも時間の無駄だ。
そう考えた彼は、道行く人に道を尋ねることにした。
「あの〜、すいません」
たまたま近くを通った女性に遠慮がちに声をかける。
腰まで伸びた髪、少しだけキツそうな印象を与える瞳、そして何よりも、服の上からも分かるスタイルのよさ。
思わず頭のてっぺんからつま先までを何度も往復して見てしまう実習生だったが、
当初の目的をすぐに思い出し、小さく咳払いをした。
「あの、ちょっと道を教えて欲しいんですけど……」
「ええ、構いませんわ。それで、どちらまで?」
「えっと、この紙に書いてある住所まで行きたいんですけど、どっちの方向に行けばいいですか?」
「それでしたら、すぐ近くですわ。よろしければ、私が案内いたしますけれど?」
「本当ですか! 助かります」
あまりに美人なものだから、きっと性格はキツいんだろうなぁなどと勝手な偏見を
無意識のうちに持っていた実習生は、女性の親切な申し出を聞いて心の中で反省をする。
実習生が「お願いします」と頭を下げると、女性は「こちらですわ」と言って歩き出した。
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548 :実習生×久遠 :2006/06/14(水) 03:17:05 ID:87uBwCRu
- 「あの……こんなところを通っていくんですか?」
そう尋ねる実習生。ふたりが歩いていたのは、木々の生い茂る公園だった。
女性のあとを付いて歩くこと約30分。すでに陽は沈み、辺りは薄暗くなっていた。
どう考えても「すぐ近く」とは思えない移動時間に、さすがの彼も不信感を募らせる。
ひとり首を捻る実習生の言葉を受けて、女性はクルリと振り返った。
「こんなところに、男女ふたりが来る意味……分かりませんこと?」
「は?」
突然何を言い出すんだ、この人は。実習生は口をぱかりと開けたまま、マヌケな声を漏らした。
「私と――しませんか?」
「な、何をですか」
「そんなこと言わせないで下さいな」
「お、俺、金なら持ってないですよ。援助交際なら別の人と……ってそれもダメだ」
あまりに突然の流れに、実習生の頭は状況を理解しきれずにいた。
道を尋ねた女性が、なぜか自分を公園に連れ込んで。そしてセックスをしよう言ってきている。しかも相手はものすごく美人。
それは、あまりに非現実的すぎる。
しかし、そんな実習生を差し置いて、女性はニコリと笑う。なんとも優雅な笑みだ。
「私……あなたを一目見ただけで、気になってしょうがなくなってしまったんですわ。だから……」
「だ、だからって……こ、こら、引っ張るなって」
ぐいぐいと腕を引っ張られて、植木の生い茂る中へと連れて行かれる実習生。
振りほどこうと思えば出来たはずだが、なぜか力が入らない。
無意識のうちに、これから起こる出来事を期待してしまっているのだろうか?
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- 549 :実習生×久遠 :2006/06/14(水) 03:17:42 ID:87uBwCRu
- 茂みに入ったふたりは、黙ったまま見つめあう。
ちなみに実習生はと言うと、自分がこの後どうするべきかと模索中であった。
「あ、あのさ、君まだ若いんだから……こんなことで人生を棒に振るべきじゃ――んぐ」
ありきたりの説得の言葉は、女性の柔らかく湿った唇で遮られてしまう。
「ぷはっ、ちょ、ちょっと待っ」
なんとか顔を離して話をしようとする実習生だったが、それもまた彼女の中に飲み込まれてしまう。
そのまま女性に押され、実習生はいつの間にか木の幹を背にしていた。
唇を合わせたままでいると女性の舌がくねくねと動き出し、実習生の口内へ侵入してくる。
生暖かい感触が彼の口の中を動き回り、混ぜ合わさる唾液が、実習生の脳を溶かしていく。
(こんなこと、されて……我慢なんて……)
そう思った瞬間、実習生は両手で女性の肩を掴み、向きを変えて木の幹へと押し付けた。
「やっとその気になって下さいましたわね」
「君、名前は」
「……久遠、ですわ」
あっさり名前を言う。おそらく本名ではないだろう。だが、今の彼にとってはそれが彼女の名前だ。
「久遠……」
「んっ……ちゅ……んむ……はぁ」
実習生の舌が久遠の舌を求めて動き回る。
久遠の舌も、それに答えるようにせわしなく動き、ふたりのそれは激しく絡み合った。
一方的に舌を絡ませていたときとは全く違った感触に、久遠の方も少しだけとまどっているようだった。
「胸、触るから」
実習生は唇を離すと、久遠の耳元でそう呟いて、彼女の上着の中に手を突っ込む。
久遠の着ていた服の生地は、なんだかとても柔らかくて手に心地いい。きっと高級な
素材で出来ているのだろう、などとぼんやりと考える実習生。
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- 550 :実習生×久遠 :2006/06/14(水) 03:18:17 ID:87uBwCRu
-
- そうしている間に、彼の手は久遠の胸を覆っていたブラジャーに触れ、
なんのためらいもなく背中に手を回すと、ホックをパチンと外した。
「すごい……柔らかい」
「んっ……」
小さく漏れる久遠の声が、なんとも色っぽい。
実習生はマッサージをするように彼女の胸を揉みしだき、手の平にあたるコリコリとした突起を転がす。
「っぅ……んぁ……ぁ、ぅん……すごい、き、気持ちいい……です、わ」
「そりゃよかった」
実習生は手を動かしながら、久遠の首筋や鎖骨を舐めあげる。
「あ、あの……はぁッ……キ、キスマーク、付けてくれませんこと?」
「キスマーク? つけて欲しがるなんて、珍しいね」
まぁ付けて欲しいと言われれば断る理由もない。
実習生は鎖骨よりも少し上のあたりを強く吸い上げ、真っ赤な印を残す。
この位置ならそうそう見えることもないだろう、と妙に冷静な自分に少し笑いがこぼれる。
キスマークをつけ終わると、実習生の手は久遠のスカートに伸びる。
「久遠、木に手ついて、ちょっと屈んで」
「こ、こうですか……?」
実習生に言われた通り久遠は木の幹に手をつく。
そのまま少しだけ屈むと、自然と実習生の方にお尻を向ける姿勢になった。
実習生は久遠のスカートを腰まで捲り上げる。
これまた高級そうな下着が丸出しの状態になり、久遠は羞恥心から頬を染める。
「触ってもいい?」
「え、ええ、どうぞ―――ッ!!」
久遠が返事をするやいなや、実習生の指は久遠のそこを下着越しに撫で上げる。
胸への愛撫とキスだけでこんなにも湿っているのか、と思いながら、実習生はさらに指を動かし、
時折捻るようにして、その割れ目に指をねじ込んだ。
「んッ……い、いやぁ……はッ、っく、っぅう……!!」
途切れ途切れの喘ぎ声に、実習生の欲望もどんどん高まっていく。
自分の分身が、既にパンパンに膨れ上がっていることは、確認するまでもなかった。
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- 551 :実習生×久遠 :2006/06/14(水) 03:18:50 ID:87uBwCRu
- 「パンツ、脱がすからな」
今度は久遠の返事を聞かず、一気に久遠のショーツを引きずり下ろす。
少しだけ曲がった膝に引っかかって止まるショーツからは、すっかり湿った久遠の秘所から伝わった糸が伸びていた。
実習生は久遠を背後から抱きしめるようにして、左手は胸を弄り、右手は愛液溢れるそこを掻き回す。
「――っぁあ!! ん、す、すごい……んく……ぁ、あッ、ハァ、んッッ……」
「気持ちいいの?」
「……っ」
実習生の問いかけに、久遠はコクコクと頷いてみせる。思うように声が出ないようだ。
(もう十分濡れてるよな……)
久遠の中に入った二本の指を見て、実習生は思う。
やがて彼は、カチャカチャと音を立てベルトを解いてジーパンの前を開け放した。
ズホンを足首まで下げると、すっかりテントを張っているトランクスを引っ張り、モノを取り出す。
先端からはきらりと光る粘液が漏れ出しており、その出番を待ちわびているようだった。
彼はモノに握り締めると、ぬらぬらと光る久遠のそこにあてがった。
「ちょっと、足踏ん張ってな」
実習生の申し出に、久遠はコクリと頷くと木の幹に添えた手に力を入れる。
実習生の性器を見ていなかったため、どんなものが入ってくるのだろう、と少しだけ不安に思う久遠。
そんな久遠の不安を知るはずもなく、実習生は先端を久遠の入り口へと埋めると、一気に腰を突き出した。
「――――ッッ!!!」
びくりと久遠の体が跳ねる。
実習生は実習生で、予想外のキツさにぶるっと体を震わせた。
相手は援助交際に手慣れた女。痛そうなそぶりもまた、演技なのだろうか?
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- 552 :実習生×久遠 :2006/06/14(水) 03:19:58 ID:87uBwCRu
- 「……動くよ」
実習生はそう搾り出すよ、久遠の腰に両手を添えてそっと動き出す。
入れて、出して、入れて、出して。はじめはゆっくりとした動きだったが、徐々に彼の腰はスピードを増す。
「……っぅ、はぁ、すげー……」
思わず声が漏れるほどに、久遠の膣内は気持ちよかった。
ふたりの腰と腰がぶつかりあい、あたりにはパン!パン!と乾いた音が響く。
それと同時に、久遠の愛液をかき混ぜる粘着質な音もまた公園に響く。
久遠の方も快楽を感じているようで、その頬は朱に染まっていた。
「ん、あ、ぁ、ふぁ……っく、ん、あっはぁッ!!! 」
久遠の愛液は実習生の分身に絡みつき、実習生に快楽の波を送りつける。
ぶつかる度にはじけ飛ぶ愛液は、実習生の股間を汚していった。
「お、俺……で、出るかも……」
パン!! パン!! パン!!
リズムよく響く音が、徐々に早さを増していく。
久遠の方はと言うと、立っているのも辛いのか、木の幹に爪を立ててなんとか体勢を保とうとしていた。
「せ、先生……!! な、中に出して……んっ、ハァ、あぁ、っん」
「わ、分かった――――」
返事をするのもやっと、と言った調子で実習生は言うと、ラストスパートとでも言わんばかりに腰を動かし始めた。
大きく揺れる久遠の体、激しく動く実習生の腰。
そして、その瞬間久遠の体がひときわ大きく跳ねた――
「ん、っく、はッ―――っんあ、あぁあああぁぁああッッ!!!!」
「……ん、っく……!!」
甲高い久遠の声がしたかと思うと、実習生のペニスを包み込むそこが、小刻みに痙攣を起こす。
不規則な動きで強く締めつける久遠に、実習生の先端からは白く大量の精液が飛び出し、久遠の中へと注ぎ込まれた。
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- 553 :実習生×久遠 :2006/06/14(水) 03:20:47 ID:87uBwCRu
- 「はぁッ!! はっ……!!」
荒く息をついて、実習生はモノを引き抜く。
すると、まるでフタが外れたかのように、久遠の膣内からはトロトロとした液が漏れ出した。
久遠から漏れ出す液体に、赤いものが混じってピンク色になっていることなど、
暗闇の中で行為をしていた実習生は気がつくはずもない。
「す、すげー……気持ちよかった」
「はぁ……はぁ、私も、すごく……良かった、ですわ……はぁ……」
息も絶え絶え、と言った様子で答える久遠。うっとりと頬を染める久遠も見て、実習生も満足気に息を吐いた。
なんとか息の落ち着いたふたりは、服を着なおして、茂みの外へと出た。幸いあたりには人はいない。
先ほどの行為を見ていた人も、おそらくいないだろう。
「さっきの住所に行くには、この公園を抜けて右に行けばすぐですわ」
「あ、そんなに近くまで来てたのか」
「それじゃあ、今日はこれで……」
そう言って立ち去ろうとする久遠を、実習生は慌てて呼び止めた。
「どうかしましたの?」
「え、えっと、道を教えてくれてありがとう。……そ、それで気のせいかも
しれないんだけどさ、さっき俺のこと“先生”って呼んだ?」
「……さぁ、記憶にありませんわ」
「君、何歳なんだ?」
「……あなたは何歳ですの?」
「俺は21歳だけど」
「私は20歳ですわ」
「そ、そっか……」
「お話は、それだけですの?」
「それじゃあもうひとつだけ。……また、会えるかな、俺たち」
今日初めて出会った女を抱いて。罪悪感がないと言えば嘘になる。
だからと言って、もう一度会ったところでそれが詫びになるわけではないけれど。
実習生の問いかけに、久遠はにっこりと微笑んでこう答えた。
「こんな小さな島ですもの。きっとまた会えますわ」
「そ、そうか……」
「それじゃあ“先生”さようなら」
「ははっ、からかうなよ」
実習生は肩をすくめて笑うと、去り行く久遠に手を振った。
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- 554 :実習生×久遠 :2006/06/14(水) 03:21:29 ID:87uBwCRu
- 翌日、無事朝礼で教育実習生としての挨拶を終えた彼は、高鳴る心臓を押さえて舞台を降りた。
そこに、彼の指導教員である伊丹ゆきみがやってきた。
「先生、挨拶よかったわよ」
「ありがとうございます、伊丹先生」
「それで、一時間目の授業が始まる前に、極上生徒会に挨拶してくるといいわ」
「ごくじょう?」
「うちの学校の生徒会のことよ。詳しくはこの子が案内するから」
ゆきみはそう言って、横にいた女生徒を指差す。そこにいたのは右手にパペットをつけた女の子。
昨日、一番最初に道を尋ねた子だ。
「先生、それじゃあ案内しますね!」
「あぁ、よろしく頼むよ」
実習生がそう言うと、女の子は張り切った様子で歩き出した。
「我々が極上生徒会だ」
生徒会室まで連れてこられた実習生が見たのは、大人数の女子。その中でも
リーダー格と思われるショートカットの女の子が、生徒会のメンバーをひとりひとり紹介し始めた。
会計の市川まゆら、書記の蘭堂りの、遊撃の三人。そして時はやってきた。
「私が副会長の金城奈々穂だ。そして、こいつが同じく副会長の――」
「銀河久遠ですわ」
「なっっっ!!!!?」
紹介されて、優雅な笑みを見せる彼女は、昨日の……
「先生、どうしたんだ? 急に大声をあげて」
「い、いやっ!! 別に、何がどうというわけじゃ」
ひとり慌てる実習生に対して、久遠はにこりと笑うと
「先生、三週間よろしくお願いしますわ」
そう言って深々とお辞儀をした。
「よ、よろしくってお前……」
そこまで言いかけて、ふと実習生は思う。
(も、もしかして他人の空似なんてこと――)
ところが、深々と頭を下げた久遠の首元に、わずかに覗く赤い印。
――ど、どう考えても本人だ……。
実習生は、これからの三週間に不安を覚えずにはいられなかった。
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