- 364 :実習生×香 :2006/05/07(日) 00:12:54 ID:UtF7cdst
- 「それじゃあ、そろそろ帰ります、先生」
食器を洗い終えた(もちろん洗い方の細かい指導付きではあるが)香は、タオルで手を拭きながら立ち上がった。
時計を見ると時刻は8時過ぎ。夏場とは言え、外はもう真っ暗だ。
「そうだね、それじゃあ送ってくよ。暗いから危ないし」
「そんな、大丈夫です。いざとなったら自分でなんとか出来ますから」
実習生の申し出に、香は拳を作って笑顔を浮かべる。必死になって習得した体術だ。
そこらへんの変質者なら、自分の腕一本で何とか出来る自信はあった。
「本当に大丈夫か?」
「はい。先生こそ、明日は電車の時間が早いんですよね。今日はもう寝てください」
「あぁそうだな・・・ってこんな時間に眠れるわけないだろ」
実習生は苦笑いを浮かべると、ポリポリと頭を掻いた。
3週間の実習期間で見慣れたこの笑顔も、明日からはもう見ることは出来なくなる。
そう思うと、香の胸はきゅっと締め付けられるような感覚になってしまう。
「えっと、それじゃ……さようなら」
「うん、気をつけて。なんかあったら連絡するんだぞ」
「は、はい。ありがとうございます」
帰りたくない。そんな思いをぐっと胸にしまいこむと、少しだけ早まった鼓動を抑えながら、
香はぺこりと頭を下げて玄関を開けた。
-
365 :実習生×香 :2006/05/07(日) 00:13:37 ID:UtF7cdst
- 電灯で照らされた道をひとり歩く。
ゆっくりと空を見上げると、いくつもの星が光り輝いていた。さすがは田舎、とでも言うのだろうか。
海と山に囲まれたこの島は本当に空気が綺麗で、夜になればこうして星が輝くのだ。
「はぁ……」
香の口から、自然とため息が漏れる。
「先生に、バレちゃった」
ずっと隠していた。自分はお金持ちのお嬢様なんかじゃないということ。
両親が死んで、今は弟妹たちと暮らしているということ。それを彼は受け止めてくれた。
涙を流す自分をそっと抱きしめて、優しく頭を撫でてくれた。大丈夫だよ、とでも言うように。
胸の中が温かい。鼓動はいつもよりも少しだけ早く、頬は熱を持ち、口が乾く。
さっきまでは気がつかなかったけれど、こうしてひとりで落ち着いて考えていれば、その原因はすぐに分かった。
(私、多分、先生のこと……)
そこまで考えて香は足を止めた。もし、今日このまま帰ってしまったら、きっと実習生と会うことはもうないだろう。
仮に彼がこの地に帰ってきたとしても、それは教師と生徒という関係。
今よりも距離が遠くなってしまうのは確実だった。
実習生が遠くなってしまう。そう考えると、香の胸がじくじくと痛む。
足の力が抜け、思わず道端にしゃがみこんでしまい、香はきゅっと膝を抱え込んだ。
(このままお別れなんて、絶対に……いや)
そこまで考えたときには、香の足は既に実習生の家へと向かっていた。
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- 366 :実習生×香 :2006/05/07(日) 00:14:11 ID:UtF7cdst
- ピンポンピンポンピンポン!!
何度も鳴り響くチャイムの音に、自室で横になっていた実習生は驚き体を震わせた。
「な、なんだよ一体……」
もっとも、まだ「こんな夜更けに」などとぼやくような時間でもないのだが、
夜になって人が訪れることは、やはり少しだけ珍しいことだった。
実習生はのそのそと起き上がると、少しだけ癖の付いた髪を撫でながら玄関越しに声をかけた。
「はいはい、どちらさま?」
「…………」
返事はない。いたずらだろうか、とも思ったが扉の向こうから、
なにやら物言いたげな雰囲気が伝わってきて、実習生はそっと玄関を開けた。
「あれ、和泉? どうかしたか、何か忘れ物?」
「そういうわけじゃないんですけど……」
玄関前に立っていた香は、体の前で手を組みながら、なにやらもじもじしている。
必死に走ってきたのだろう、頬は上気し息は少しだけ荒くなっていた。
「えっと、その……なにか、あったのか?」
実習生が不思議そうな顔でそう尋ねると、香はごくりと喉を鳴らし、俯き加減だった顔を勢いよく上げた。
その瞳は潤み、実習生をしっかりと映し出していた。
「和泉、何かあったんなら話してみな――――っ!!!?」
ドサ!!
大きな音がすると同時に、実習生は背中に痛みを覚える。
目を開ければ、視界に入ったのは見慣れた天井。そして、ずしりとした重みを体全体に感じていた。
「いてて――って、和泉、急に何するんだ」
実習生は、仰向けになった自分の上に乗り、胸に顔を埋めていた香に困惑しながら声をかける。
いきなりのことでよく分からなかったが、おそらく香が実習生にタックル(?)をくらわせ、押し倒したのだろう。
「いずみ……?」
硬い床の感触を背中に感じながら、実習生は香の二の腕に手を添える。
すると香の手に力が入り、実習生の上着をきゅっと掴んだ。
「先生……私、先生が――好き、なんです」
ぎこちなく吐き出される言葉に、実習生は目を丸くし息を飲む。
先ほど自分も似たようなこと言ったとはいえ、こうして密着された状態で呟かれるのは
どうしようもなく恥ずかしく、胸が高鳴った。
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- 367 :実習生×香 :2006/05/07(日) 00:15:26 ID:UtF7cdst
-
- 香は実習生の服を掴んだまま、ちらりと彼を見上げた。
わずかではあるが、香の肩が震えているのに気がついた実習生は、そっとその肩に手を回し香を包み込む。
「先生……」
「どうしたんだ? 急に」
「私……先生に、その……」
「?」
香はごにょごにょと言葉を選んでいたが、やがて覚悟を決めたように息を大きく吸った。
「わっ、私を抱いてください!!」
「な、なにぃっ!?」
突然の申し出に、実習生は素っ頓狂な声をあげる。
「お、おい、急に何言ってるんだよ。意味分かってるか……?」
「そんなの分かってます。子供扱いしないで下さい。過去に教えてくれた人……じゃなくて人形がいましたから」
「は??」
人形、と聞いて実習生の頭には「?」がいくつも浮かぶ。
そんな実習生に、香は「深くは追求しないで下さい」と咳払いをしてみせる。
どうやら本人も言ったことを後悔しているらしい。
「……先生、ダメですか?」
「ダメじゃないけど…………って違う違う!! だめに決まってるだろ。俺たちは生徒と教師――」
「今は違います」
「うっ、そりゃそうなんだけど……」
確かに今はただの学生。もう実習生という肩書きは彼にはない。
もちろん彼とて男であるし、抱きたくないと言ったら嘘になってしまう。
だけど、相手はまだ子供である。それが彼の理性をなんとか保たせていた。
実習生がそのまま動かずにいると、香はもぞもぞと体を移動させ、そっと実習生の唇に自分の唇を重ねる。
「い、和泉……」
「私、自分に素直になろうって決めたんです。だから、えっと、先生とこのままお別れなんてイヤ……なんです」
「……」
そんな言葉を、こんなにも切なそうな顔で言われて。拒むことの出来る男がどこにいるだろうか。
(いるわけ――ないだろ)
実習生はすうっと息を大きく吸い込むと、香を抱きかかえたままくるりと体を反転させる。
香に覆いかぶさるような体勢になった実習生は、じっと香の目を見つめた。
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- 368 :実習生×香 :2006/05/07(日) 00:16:09 ID:UtF7cdst
- 「本当にいいんだな。途中でやめたいなんて言っても、俺止められる自信ないぞ」
実習生の言葉に、香は一瞬ひるんだような仕草を見せたが、
すぐにいつもの強気な瞳で彼を見つめ返した。そして、小さくとだがはっきりと頷く。
それがまるで合図であったかのように、実習生は香の唇に自分のそれを重ねた。
「ん……」
初めは軽く触れるだけ。次は少しだけ顔を傾け、強く押し付けて。
そして三度目は、大きく口を開かせ、香の中に自分の舌を滑り込ませた。
「ん、んぐ……む、ん――はぁっ」
香の中で器用に動く実習生の舌に、香は負けじと自分の舌を動かす。
初めはぎこちない動きであった香の舌だったが、実習生の舌に誘われるように徐々に滑らかに動き出す。
「苦しくないか?」
「平気、です」
香はふるふると首を振ると、そっと手の平を実習生に向けた。
実習生はその手に自分の手を重ね指を絡めると、香の頬に軽く口付けをする。
「和泉、可愛いな」
「かっ、可愛いとか言わないで下さい」
「なに照れてるんだよ」
「照れてなんていませんっ」
顔を真っ赤にする香に、実習生はクスクスと笑いながら、頬に寄せた顔を下にずらしていき、首筋にそって舌を走らせた。
「っん、ふぁ……」
ちろちろと舌を動かすだけで、香はぴくぴくと体を震わせる。どうやら首元が弱いらしい。
体中に走る電流のような刺激から逃れるように、香は実習生の手を握る力を強める。
「……和泉、胸触るよ」
実習生は香の首元、鎖骨を舐め上げ、時に軽く吸いながら、香のTシャツの裾から手を差し込む。張りのある滑らかな肌の上で指を走らせると、ブラの硬い感触が指先に触れた。
実習生はブラをそのままずらし上げると、小さなふくらみに手をあてがう。
「せ、先生っ!?」
「ん?」
「は、恥ずかしいです……」
香はかすれそうな声で小さく呟くとつないだ手を離し、顔を覆ってしまう。
そんな仕草を見ていると、実習生の中に悪戯心がむくむくと湧いてくる。
実習生は小さく笑うと、香の背中に手を回してブラのホックを外し、Tシャツもろとも一気にたくしあげた。
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- 369 :実習生×香 :2006/05/07(日) 00:17:03 ID:UtF7cdst
- 「ちょ、ちょっと先生!?」
突然胸が外気にさらされ、香は驚きの声をあげる。
「小さいな」
「ま、まだこれから成長するんです!! ……多分」
自信なさげな言葉に、実習生はクスリと笑い、香の胸の先端を口に含む。
「ふぁっ!? ん、はぁ……な、なんか……ぅ……はっ…ん」
ぷっくりと立ち上がった乳首を舌で転がし、もう片方の胸は空いた手でやわやわと揉みしだく。
前歯で刺激を与えたり、少しだけ強めに吸ったりするたびに、香は腰を浮かして声を漏らした。
それが余計に実習生の感情を高ぶらせ、彼の息も徐々に荒くなっていく。
ジーパンの中のそれが、既に痛いほどに硬くなっているのが自分でもはっきりと分かっていた。
実習生は香のスカートに手をかけると、そっとボタン外しファスナーをゆっくりをおろしていく。
「和泉、腰ちょっと持ち上げてくれる?」
「え……」
実習生の申し出に、香はびくりと肩を震わせる。
胸を見られるだけでもこんなに恥ずかしいのに、さらに下まで見られてしまったら、自分はどうなってしまうのか。
恥ずかしさと、その先に待つ行為に躊躇する気持ちのせいで、香はなかなか腰を持ち上げようとしない。
「和泉?」
「……」
「……香」
「……っ」
不意打ちの発言に、香は目を丸くする。名前で呼んでくれたらいいな、なんて密かに思ったことは
あったけれど、いざ呼ばれてみると、どうしようもなく照れくさい。
「も、もう。名前で呼ぶなんてズルいです、先生……」
「じゃ、もう呼ばない」
「えっ、そ、そんなの」
「呼んで欲しいのか?」
「……」
ニヤニヤと笑う実習生を見て、香は不満そうに口を尖らせる。
でも、ここで意地を張って、本当に名前を呼んでもらえなくなるのは絶対にイヤだった。
「……呼んで、欲しいです」
「香。腰持ち上げてくれる?」
「……もう」
まったく、とでも言うようにため息をつくと、香はそっと腰を浮かす。
実習生は香のスカートを引き、すらりとした彼女の足から抜くと、それを傍らに置いた。
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- 370 :実習生×香 :2006/05/07(日) 00:17:56 ID:UtF7cdst
- 「脱ぎっぱなし」
「後でたたむって」
そう言って、実習生は自分のポロシャツとジーパンを脱ぐと、同じように脇に放り投げた。
その間に、香は首元に引っかかっていた上着を脱ぎ去った。
実習生は香に覆いかぶさると、太ももの間に手を差し込む。
わずかな熱気を発していたそこを指でなぞると、香の体が大きく跳ねる。
ゆっくりと下着ごしに感じられる筋にそって指を走らせると、その場所が徐々に湿っていくのがはっきりと分かる。
ショーツの中に手を差し込むと、やはりそこは愛液でぬるぬるに湿っていた。
中指でそこを直になぞっていくと、すとんとくぼみに指が落ちる。
そのまま指を少しだけ差し込むと、ゆっくりと揉みほぐすように指を動かしていく。
「気持ちいい?」
「ぅっく……はぁっ、ん、ぁ、あ……気持ちよくなんて……あっ」
いやいやをするように首を振る香。実習生は香のわき腹に舌を這わせながら、指を徐々に速く動かしてく。
「んっ、ん、はっ、はぁッ……!!」
実習生の指の動きに合わせて、香の口から甘い声が漏れる。
香のそこからは次々と粘着質な液体が溢れ出してきているし、入り口はもうすっかりほぐれていた。
「和泉……もう入れても、いいか」
実習生は股間にむずむずとしたもどかしさを感じて、そう尋ねる。
彼のトランクスの中では、今か今かと出番を待つそれが、先端を濡らしながら震えていた。
「は、はい……」
香は緊張した面持ちで頷くと、目を泳がせてしまう。
この後自分が何をすればいいのかを決めかねているようだった。
「力抜いて」
実習生は優しく呟くと、すっかり濡れた香の下着を足から抜き取り、膝に手を添えてそっと左右に開く。
その中心部からはとろりと愛液が漏れ出し、畳を濡らしていった。
実習生はトランクスを脱ぎ去ると、赤黒くそびえ立つモノに手を添える。
「こ、こんなのが入るんですか」
「こんなのって言うなって」
苦笑する実習生を見て、香もつられたように笑う。
けれど、実習生が右手で掴んだそれを香の秘所にあてがうと、すぐに緊張したように表情を固くする。
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- 371 :実習生×香 :2006/05/07(日) 00:18:42 ID:UtF7cdst
- 「足の力、抜いて」
「っ、ぐ……!!」
予想を遥かに超えた痛みが香の中を突き抜ける。
一方実習生も、まだ成熟しきっていない香の中のキツさに、苦しさと快楽の混ざり合ったような複雑な表情を浮かべた。
ずぶずぶと徐々に香の膣内に埋まっていく実習生。
モノが半ばまで埋まったとき、実習生は動きを止めて、香の様子を伺う。
その目には涙が浮かび、眉間には苦しそうにしわがよっていた。
「平気……?」
「だ、だいじょうぶ……です……」
苦しそうにそう漏らす香の頭を、実習生は抱きかかえるようにして撫でる。
そんな実習生の行為に、香は安心したように笑顔を見せた。
「ちょっとだけ、我慢してくれな」
「……ん、いっ、痛っ……!!」
残りの半分を一気に突き刺すと、実習生は深く息を吐き、香を抱きしめる。
「ありがと……全部入ったから」
「そ、そう、ですか。先生……気持ちいいですか?」
「ん? 気持ちいいよ」
「でも、動いた方がもっと気持ちいいんですよね……?」
「まぁ、そりゃ。でも無理しなくていいから」
実習生はそう言って香の頭をぽんぽんと叩くと、にっこりと笑う。
ところが、香の方はというと、不満気に頬を膨らませていた。
「先生が気持ちよくなきゃ意味がないんです。もうさっきよりは痛くなくなったから、だから……」
玉の汗を浮かべながらも、香は柔らかい微笑みを見せる。
香に優しくしてあげたいという気持ちもあるけれど、思い切り動きたいという気持ちも当然ある。
香が自分のためにこう言ってくれているのなら、少しだけお言葉に甘えさせていただこう。
「……それじゃ、動くよ。痛かったら言うんだぞ?」
「はい」
香の返事を確認した実習生は、ゆっくりと腰を引く。
自分のモノが抜け落ちそうになるところまで引くと、今度は奥まで一気に突き刺す。
「う……すげぇ、気持ちいい」
思わず漏れる言葉に、香は嬉しそうに笑い、実習生の首に手を回した。
実習生も香の背中に手を回すと、徐々に腰を動かすスピードを速くしていった。
-
-
372 :実習生×香 :2006/05/07(日) 00:20:10 ID:UtF7cdst
- 「ぅ、く……ぅぐっ、いっ……はぁ、せんせぇ……!!」
「和泉……!!」
何度も何度も、執拗に自分の腰を打ちつけていく。
すると、最初は呻くようだった香の声は、だんだんと艶のある喘ぎ声へと変わっていった。
「いずみっ、いずみ!!」
「ぅ、んぁッ、はっ、あぁ、先生、私……はぁんッ!!」
ぶつかりあう肉体からは汗が滴りおち、やがて混ざり合っていく。
部屋には熱気が立ち込め、静かな部屋には粘着質な音、肉と肉がぶつかり合う音、そして乱れた息の音が響いていた。
「和泉、出るっ……!!」
「せ、先生、私も……なっ、なんか、ヘン――――っぅぁああぁああっ!!!」
「……っく!!!」
香の膣内がびくんびくんと痙攣するのを受けて、実習生のモノも一回り大きさを増す。
実習生が香の中からモノを引きぬくと、体の底からこみ上げてくるような快感が、彼の脳を揺さぶった。
ビュクッ、ビュルッ!!
そんな音をたてるような勢いで、彼の先端から白く濁った液が飛び出す。
それはとろりと香の腹を伝い、やがて床へと垂れていった。
「はぁッ、はぁ、い、いずみ……」
実習生が香に覆いかぶさると、香も荒い息のまま、実習生にしがみつく。
触れ合ったふたりのお腹の間には、実習生が吐き出した精液が垂れていたが、今は気にならない。
「先生……」
「ありがと、和泉。すごく……気持ちよかった」
「えっと……私も、ありがとうございます」
香は照れくさそうに笑うと、ゴロリと床に転がった実習生にしがみついた。
373 :実習生×香 :2006/05/07(日) 00:21:39 ID:UtF7cdst
- 「今日、泊まっていくか?」
「弟たちが待ってるから、帰らないと」
「そっか……」
「あっ!!」
実習生が残念そうに呟くと、香ははっと何かを思い出したように声をあげ、実習生をじっと見つめた。
「どうかしたか?」
「先生、途中からずっと“和泉”って呼んでました」
「え、そ、そうだったっけ?」
さっきは夢中だったからよく覚えてない、と頭を掻く実習生に、香は呆れたようにため息をついた。
「まったく先生ったら。それじゃ、やり直しです」
「は?」
「今度はちゃんと香って呼びながら……し、して下さい」
後半は言葉を濁しながら、香は呟く。そんな香の言葉に実習生はポカンとしている。
「もう一回していいの?」
「……香って呼んでくれれば」
「……んじゃ、香」
「“んじゃ”が余・計・で・す!」
実習生は「悪い悪い」と言って笑うと、再び香にそっと口付けた。
「……大好き、ダーリン」
「ん? 今なんて言ったんだ?」
「ふふっ、内緒です」
香はクスクスと肩を揺らして笑うと、目を閉じて実習生の唇に触れるのだった。
-