remove
powerd by nog twitter
490 :masquerade・1 :2006/01/26(木) 12:03:28 ID:iQyV2Ifg

 冷たく乾いた風が教室の窓を叩く。
 夕暮れに照らされて、空も校庭も茜色に染められていく。
 放課後の教室、和泉香は一人でクラスメイトを待っていた。
「まったく、りのってばわざわざ呼び出さなくてもいいのに…」
 香は独り言のように呟いた。
 此処に香を呼び出した張本人、蘭堂りのは未だその姿を現してはいない。それが香を苛立たせた。
「もぉー…帰ったら買い物と掃除をしなきゃならないのにぃ…」
 椅子に座り、机に突っ伏す。
 大事な話があるから教室に残ってて欲しいと、掃除の前に一言だけ告げて、自分の清掃区域に移動したりの。
 とっくに掃除など終わったはずなのに、どうして戻って来ないのだろう。
「また何か厄介な事に巻き込まれているんじゃないでしょうねぇ…」
 自他共に認める天性のドジっ子。心配を通り越して呆れてくる。
 その日、何度目かの溜息を吐いた時、教室の扉が開く音がした。
「ごめんなさい、和泉さん!遅くなりましたぁ!」
「遅くなったじゃないわよぉ、一体どれくらい待ったと思ってるの?」
 走ってきたのか、りのの息は荒かった。
 どうやらただ遅れただけのようで、香は少し安堵した。
 りのは「ごめんなさい」と言いながら、教室の扉を静かに閉めて、鍵を掛けた。
「…何で鍵を掛けるの?」
 その行動に、少し不審に思った香。
「あ、大事な話だし、他人に聞かれると困るから」
 香の方を振り返り、笑顔で答えるりの。
 そんなに大事な話なら、学校じゃない方がいいのではないだろうか。
 香がそう疑問に感じる中、りのがゆっくりと近付いてきた。
 上履きが床を叩く音がやけに耳につく。
「それで、話って何よ?」
 何となく、いつものりのと雰囲気が違うように感じる香は、さっさと用件を済まそうと話を促した。
 りのは笑顔を保ったまま、はっきりとした声で香に言った
「うん。あのね、和泉さんって、奏会長の事好きなんだよね?」
「…はぁ?」
 それが大事な話の内容なのだろうか。香は訝しげな表情をした。そんな事を訊く為に、わざわざ人を呼び出したのか。
「いきなり、何よ、それ」
 しかし、香は少なからず動揺した。
 確かに奏の事が好きだ。それは周囲の人間も知っているとおり。けれどはっきりと言葉にして訊かれた事がなかった。
 心の奥に秘めていた、本当の気持ちを土足で踏み入られたような嫌悪感。香は思わずりのを睨んだ。
 しかし、りのは先程と同じ笑顔のまま、香にどんどん近付いてくる。その笑顔に、香は違和感を覚えた。
 いつものような眩しい笑顔ではなく、作り笑いをそのまま貼り付けたようなりのの表情に、背筋にゾクッとしたものが走る。
 言い知れぬ恐怖心を感じ、椅子から立ち上がろうとする香の肩を、りのは強い力で押さえ付けた。


491 :masquerade・2 :2006/01/26(木) 12:04:36 ID:iQyV2Ifg

「り、りの…?」
 身体能力では圧倒的に劣るりのからは想像も出来ない強い力。
 感じた事のない恐怖に苛まれ、香は僅かに身を捩るだけしか出来なかった。
「ちょっと…りの…何…?」
 顔も表情も弱々しくなっていく香を、りのは変わらない微笑みを浮かべて見下ろしていた。
「和泉さん、知ってる?奏会長って、本当はすっごいエッチなんだよ?」
 クスクスと声を漏らしながら、りのは香の頬をそっと撫でた。
「何…言ってんの…?」
 憧れる人を愚弄するようなりのの口ぶりに怒りが湧き上がる。
「だって、私が奏会長の事好きって言ったら、直ぐに身体を開いたよ?」
「…え…」
 りのの言っている言葉の意味が分からず、香は混乱した。
「奏会長は、私が好きなんだって。だから、和泉さんが――」
「な、何よ、それっ!?」
 突然声を荒げる香。強い眼差しでりのを睨み付けた。
 それが嘘でも真実でも、自分の憧れの人を愚弄するのは、誰であっても許さない。
「冗談でもそんな事言わないで!奏さまをそんな風に言うのなら、いくらりのでもっ――」
「ふぅ…ん…信じないんだぁ…」
 瞬間、りのの顔から笑顔が消え、代わりに冷たい表情がそこにはあった。
 頬を撫でていた手に力が込められ、両側を固定される。
「り、りの…!?」
「『…動かないでね』、和泉さん…」
 その言葉が香の心に響き、身体の自由が奪われる。
「え、な、何?身体が…ちょっと、りの?」
「動かないでって言ったよね…」
 温度のない声を発すると、そのまま香の唇を奪った。
「んんっ!?」
 素早く舌を差し入れて、なおも深く口付ける。
 声や表情とは対照的な熱い舌が、香の口腔を這い回る。
「んっ、む、んぁっ…ふ…」
 りのは自分の口内で分泌される唾液をそのまま香の中に流し込んだ。
「んんっ!んっ、ん…んく…っ」
 流し込まれた唾液を吐き出す事も出来ず、香はそれを呑み込むしかなかった。
 ゴクリと咽喉を大きく鳴らすと、りのは満足げに微笑んだ。
「…どう?奏会長との間接キスだよ、和泉さん…」


492 :masquerade・3 :2006/01/26(木) 12:06:23 ID:iQyV2Ifg

 子供ながらに少し背伸びをしたい香が夢を見ていたファーストキス。
 きっと好きな人とするそれは、もっとずっとロマンティックなものだろうと想像していた。
 少なくとも、こんな一方的なものじゃない。
 唇を離すと、香は咄嗟に左手で唇を拭った。
「い、いきなり何をするのよっ!!」
 込みあがる怒りのような感情を抑えきれずに、それをりのにぶつけた。
「そんなあからさまに拒絶されると傷つくよぉ〜…」
 言うとその場に跪き、香のスカートの裾を捲った。
「りっりの!?」
 りのの行動に驚愕する。逃げようにも、身体はまだ思うように動かない。
 そんな香を半ば放置し、りのの手は更にスカートを捲り上げた。
 まだ性的な知識に乏しい香は、自分が何をされるのかが分からない未知の恐怖に襲われる。
「ちょ…りの…何、するのよ…や、止めて…」
 震える声は今にも泣き出しそうな雰囲気を漂わせていた。
 そんな香を笑顔で見上げるりの。その瞳は、笑ってはいなかった。
「大丈夫だよ…痛いのは最初だけだから…」
 腰の辺りまで捲り上げたスカート。香の下着が露わにされる。
「奏会長も悦んでたよ…だから、同じ事、和泉さんにもしてあげるね」
「や…ヤダ…りの…やめ、て…!」
 りのはショーツ越しに香の秘所に触れる。
「気持ちいい事…いっぱいしようよ、和泉さん…」
「いやあぁっ!!」
 掠れる様な悲鳴を上げるが、りのの手は止まってはくれない。
 人差し指をあてがって、女性器のスリットをなぞると、香の身体がビクリと反応をみせた。
 上から下へと往復すると、その一線から熱が沸きあがってくる。
「ふぅっ…!」
「感じてきた?和泉さん…」
 それは今まで感じた事のない感覚。身体の中心が疼いてくるような刺激。
 それが快感だと理解するには、香にはもう少しの時間がいった。
「段々良くなってくるからね…奏会長みたいに…」
 りのが嬲っていた場所から僅かな水音が漏れ出した。指に湿り気を感じて、りのはクスリと笑った。
「…ほら、気持ちよくなってきた証拠だよ?」
 そう言って微かに濡れた指先を香の眼前に持っていく。
 親指に人差し指を擦り付け、そっと離すと粘着性の糸が引く。
「なっ…何、それ…分かんな…」
 頭が混乱してきた香は、途切れ途切れに言葉を吐き出すしか出来なかった。
「知らないの?気持ちよくなるとココから出てくるんだって、会長が言ってたよ?」
 霞がかった思考でも、りのの口から何度も紡がれる会長という言葉が、香の知っている神宮司奏とを結びつける事は難しかった。


493 :masquerade・4 :2006/01/26(木) 12:08:01 ID:iQyV2Ifg

 目に見えない何かに拘束されている香は、自分の下着が脱がされていくのを、どこか他人事のように眺めていた。
「やっぱり、奏会長のとは違うんだね」
 薄っすらと生えた恥毛を指で掻き分けながら、親指で膣口を弄る。
 トロトロとした愛液の流れる場所に唇を寄せ、紅い小さな舌を差し出した。
「…ん、あ…」
 舌のざらざらとした感触が膣を刺激し、香は思わず嬌声を上げた。
 その事に羞恥心を感じ、必死に歯を食い縛った。
「ん…声、出してよ、和泉さん」
「っく…ん…」
 りのの言葉を無視し、何とか零れそうになる声を抑える。
 快感に必死に耐える香の様子を、始めは面白がっていたりのも、このままじゃ面白くない。
 一度膣から舌を離し、鋭い声を香に発した。
「『声を出して』、和泉さん」
 再び膣に口付け、舌の先端を沈めた。
「んっ、あ、あぁっ!」
 抑えていた嬌声を発して、香の頭は益々混乱する。
「あ、んぁっ!え、あ、いやっ、何で?何でぇっ!?」
 香の目尻に溜まっていた涙がゆっくりと紅潮した頬を流れていく。
 叫びにも似た香の喘ぎ声を聴いて、りのは思わず口角を上げた。
 そして舌を深く挿入させると、頭上からはなおも大きな嬌声が響く。
「あぁんッ!やぁっ、あ、んぁ、はぁんッ!!」
 膣からは止めどなく愛液が分泌され、りのの口腔に流れていく。
 やがて舌を抜き取ると、今度はその場所に指を差し入れる。
 一気に奥まで挿入するりのの指は、痛みを感じた膣壁によって強く締め付けられる。
「いっ…!?あ、や、あぁッ!」
「…っ、そんなに締め付けないでよ、和泉さん…指が折れちゃう」
「あはぁっ、あ、んんっ、くぅッ…!!」
「それとも、そんなに気持ちいいの?」
 髪を振り乱しながら喘ぐ香に、りのは気をよくした。
 自分よりも優秀な同級生のあられもない姿に、りのの支配欲が満たされていく。
 剥き出しになった秘芯を指で摘まみながら、更に香を快感の波に沈めさせようと、りのは言葉を発する。
「『気持ちいいでしょう?素直になってよ』、和泉さん」
 強い強制力を持った声が香の心と身体を突き抜ける。
 冷静な思考はもうどこかに消えうせて、理性も粉々に砕けていった。
「うっ、あ、ああぁ、ん、い、いいッ!んはぁっ、気持ち、い、いよぉっ!!」
 欲情した動物のように腰を振り出して、もっと強い快感を得ようとする香の姿に、りのは満足げに微笑んだ。
「あははは、和泉さん、今すっごいエッチな顔してるよ」
「あぁんっ!ん、んく、ふ、ふぁっ、やぁ、ら、らめっ…ん、もぉ、あぁっなん、か、くるよぉっ!!」
「ふふふ、イッテいいよ、和泉さん。そのまま『イッテ』!」
 ぐちゅぐちゅと大きな音を立てながら、香の膣内を掻き混ぜると、大きく身体を痙攣させて、香は絶頂に押し上げられた。
「あ、あ、あ、あ、ん、んあぁぁぁぁぁぁぁッ!!」


494 :masquerade・5 :2006/01/26(木) 12:09:14 ID:iQyV2Ifg

 鼻歌交じりに歩くりのが校門をくぐった先に、クラスメイトの歩がいた。
「あ、アユちゃん!」
 姿を確認して、りのは歩の方に駆け出した。
 歩の所に辿り着くと、二人は並んで歩き出した。
「お疲れ、りの。和泉、どうだった?」
「うー…ん、もうちょっと素直になってくれれば『力』使わなくて済むんだけどねぇ」
「あ、能力使ったんだ」
「やっぱり折角目覚めたものだし、使わないと損かなぁって…」
「すっかり黒くなっちゃったねぇ…りのったら」
「そういえばアユちゃん、プッチャンは?」
「あぁ、りのに言われた通りに、媚薬含ませてからシンディさんに渡しておいたよ」
「さすがアユちゃん、仕事が早いね」
「まぁね。ところで、次は誰にするの?」
「えっと、遊撃の人達は全員終わったから、次は隠密の先輩達かなぁ…」
「そっか……ねぇ、りの、あのさ、お願いがあるんだけど…」
「ん?何?」
「えっと…こ、琴葉さんとする時、私も一緒していい?」
「あぁ〜、アユちゃん、琴葉先輩の事好きだもんねぇ」
「ちょっと、大きい声で言わないでよぉ、恥ずかしいじゃん!」
「あはは!いいよ。それじゃあ、明日は琴葉先輩と三人でしよう!」
「ありがとう、りの!」
 二人は仲良く手を繋ぎ、夕闇に彩られた道を歩いていった…。