- 302 :奈々穂×まゆら 百合
:2006/01/07(土) 11:47:44 ID:XK3QRLHr
- 「でね、佐藤さんの彼氏がいきなり押し倒して来たんだって―――」
「やだーいきなり本番!?」
「うっそぉ、てことはもうヤっちゃったのかなぁ!?」
性について興味があるのは、年頃の子なら当然のこと。
そしてそれは、奈々穂のクラスも例外ではなかった。
「…全く、くだらないな」
教室で繰り広げられる性の話に、奈々穂は腕を組んだまま耳を傾けていた。
聞くつもりはない。けれど女子高ということもあり、こうした話も
ひそひそと話されることはない。そのために、自然とそれは奈々穂の耳に入ってくるのだ。
「奈々穂さん、何がくだらないんですか?」
奈々穂の呟きを聞いていたまゆらは、ひょっこりと奈々穂の顔を覗き込んだ。
「いや、どうしてみんな、ああいう話が好きなのかと思ってな」
奈々穂は腕組みを解くと、ちらりと女子の集団を見やる。
奈々穂の視線の先を見たまゆらは、なるほど、と納得したように苦笑する。
「あの子たちはそういう話好きですからね」
「だけど、そんな話ばかりしていて何が楽しいのか、私には分からないな」
もちろん彼女とて、そういったことに人並みに興味はある。
けれど奈々穂には、常にそんな話をしていることが楽しいとは、どうしても思えなかった。
「それは同感ですね」
そう言ってまゆらが笑うと、奈々穂もつられたように笑い出した。
「ねぇねぇ、金城さん、市川さん」
奈々穂とまゆらが、ふたりで顔を見合わせてクスクスと笑い合っていると、背後から名前を呼ばれる。
呼びかけに反応して奈々穂が振り返ると、そこには先ほど奈々穂が見ていたグループのうちのひとりが立っていた。
- 303 :奈々穂×まゆら 百合
:2006/01/07(土) 11:48:14 ID:XK3QRLHr
- 「どうかしたか?」
椅子に腰掛けたまま奈々穂がそう尋ねると、女生徒は奈々穂の耳元に顔を寄せる。
「金城さんと市川さんってさ、誰かとえっちしたことある?」
「「〜〜〜っ!!」」
あまりに唐突な質問に、奈々穂とまゆらはビクっと体を震わせる。
そんなふたりにお構い無しに、女生徒はさらに続ける。
「今時の女子高生ってさ、大体半分が経験済みなんだって。だから、極上生徒会のおふたりなら
とっくに経験済みなんじゃないかって、さっき話してたんだ」
「そっ、そんな質問に答えられるか!」
「ということは、やっぱりまだ処―――」
「やっぱりってどういう意味だ! そ、それくらい私だって、したこと、あ…る」
咄嗟にそう口にしてから、しまった、と奈々穂は口を塞ぐ。
しかし時既に遅し。女生徒は目をキラキラと輝かせた。
「え、マジ!? 誰と!?」
「な、ないしょだ」
「てことは、市川さんも経験済み?」
「あ〜…私はノーコメントで」
女生徒は奈々穂の答えで十分に満足したのだろう、曖昧なまゆらの答えにこくりと頷くと、
それじゃあね、と言って仲間の元に戻っていった。
まるで嵐が去った後のような空気が、残されたふたりの間に漂う。
微妙に重いその沈黙を先に破ったのは、まゆらだった。
「…奈々穂さん、経験済みだったんですか」
「訊くなっ」
- 304 :奈々穂×まゆら 百合
:2006/01/07(土) 11:48:49 ID:XK3QRLHr
- その日の夜中、決算書を作成していたまゆらの部屋の戸が、小さく叩かれた。
「…まゆら、いるか」
ドアの向こうから小さくそんな声がして、まゆらは慌てて玄関を開ける。
「奈々穂さん、どうしたんですか、急に。もう一時半ですよ」
「ちょっとあがってもいいか?」
「いいですけど?」
まゆらがそう言って玄関を大きく開くと、奈々穂はお邪魔します、と一言呟いた。
「ん、もしかして会計の仕事中だったのか」
まゆらのベッドの上には、たくさんのプリントや領収書が散らばっていた。
その脇には、まゆら愛用の算盤ももちろん置かれている。
「明日会長に提出しないといけないんで」
「そうか…だったら邪魔しちゃ悪いかな」
会計の仕事をしているときのまゆらは、ものすごい集中力を発揮する。
きっと今日も集中しすぎて、こんな時間になってしまっていたのだろう。
だとすれば、こんな風に部屋にあがってくるのも、まゆらにとっては邪魔なだけかもしれない。
そう思った奈々穂は、ポリポリと頭を掻くと玄関に足を向ける。
「あれ、奈々穂さん? 何か用事があったんじゃないんですか?」
「い、いや、たいした用事じゃないんだ。忙しいならまた今度にするよ」
そう言って奈々穂が歩き出すと、まゆらは慌てて奈々穂の手を掴んだ。
「気を使わなくていいですよぉ。他でもない奈々穂さんのお話ですから、ちゃんと聞きますよ?」
「…本当に?」
「本当に」
あぁ、これこそが同級生の絆なのか、と奈々穂は感激する。
普段は会計、副会長として接することが多いために、こんなささいなやりとりでも
小さな友情を感じて、奈々穂は少しだけ嬉しくなってしまう。
「それで、話ってなんなんです?」
「いや、その…今日、学校で…の話をしただろう?」
「え、なんですか? よく聞こえなかったんですけど」
ベッドに腰掛けてぼそぼそと話す奈々穂に、まゆらは顔を近づける。
「だ、だから! え…っちをしたとかしないとか」
よほど動揺していたのだろう、奈々穂の声は裏返り、顔もみるみる赤く染まっていく。
「あ、あぁ…話してましたね、そういえば」
奈々穂につられてまゆらも頬を染め、視線をそらしながら呟く。
こんな風に改めて言われると、なんだかそわそわして落ち着かなくなってしまう。
- 305 :奈々穂×まゆら 百合
:2006/01/07(土) 11:49:23 ID:XK3QRLHr
- 「まゆらは、したことあるか?」
「なっ、なんでそんなこと訊くんですかぁっ!?」
先ほどの奈々穂と同じように声を裏返させ、まゆらは叫ぶ。
「わ、私だって恥ずかしいのを我慢して訊いてるんだ! 答えろまゆら!!」
奈々穂にずいっと詰め寄られ、まゆらは目をそらしながらため息をつく。
「…ありません、けど」
「そ、そうか!」
まゆらの答えに、なぜか安心したような声を出す奈々穂。
まゆらがその理由を尋ねると、奈々穂は困ったような顔で話し出した。
「さっき久遠に訊いたんだが、私たちの歳なら、もうほとんどが経験済みだそうだ」
「えぇ!?」
奈々穂いわく、そう言う時の久遠の目は、
呆れたようで、それでいてどこかバカにしたような目だったという。
奈々穂は、それがなんだか悔しくなってしまったというのだ。
「そこで、だ。まゆら、お前をしょ、処女と見込んでお願いする」
「嫌な言い方しないで下さいよぉ!」
「お互い初めて同士なら、協力が出来るはずだ。だから、私と、しっ、しよう!」
「えぇっ!? 奈々穂さんいきなり何言ってるんですか!?」
素っ頓狂な声をあげるまゆら。もちろん奈々穂とて、唐突な誘いであることは
十分に分かっていたが、久遠に頼むのは癪に障る。
「…やっぱりダメか。会長にはこんなこと頼めないから、あとは聖奈さんに…」
「それは止めたほうがいいです」
奈々穂の呟きに、まゆらはぴしゃりと言う。
聖奈の危険さは、まゆらが一番よく知っている。奈々穂がこんなことをお願いしたら
一体どうなってしまうか想像も出来ない。
「…はぁ、分かりました。友達の頼みですし、ね」
「まゆら!」
まゆらから“友達”と言う単語が出たことが、なんだか嬉しくてたまらない。
奈々穂はにこりと笑顔を見せると、そっとまゆらの肩に手を置いた。
- 306 :奈々穂×まゆら 百合
:2006/01/07(土) 11:50:07 ID:XK3QRLHr
- 「実は少しだけ勉強してきたんだ。なんとかやってみよう」
奈々穂の言葉に、まゆらは緊張した面持ちでコクリと頷くのだった。
奈々穂の顔が近づいてくると、まゆらもそっと目を閉じた。
プニっとした感触が唇に触れると、奈々穂もまゆらも体をビクリと震わせる。
「な、奈々穂さん、そんな大げさに反応しないで下さい〜」
「まままゆらこそ」
そんなやりとりを交わしながら、再び唇を触れ合わせる。
奈々穂が舌でまゆらの唇を突くと、まゆらもおずおずと口を開き、その舌を受け入れた。
「まゆら…んむ…はぁ、ん……」
控えめながらもお互いに舌を絡ませる。
すぐに唾液が溜まり、まゆらの口の端から、つぅっと一筋こぼれ落ちる。
奈々穂はそれを舌で掬い取ると、ちらりとまゆらの様子を伺った。
「はぁ、は…なんか、ドキドキしますね」
まゆらの顔は上気し、胸を押さえてはぁはぁと息をつく。
奈々穂も自分の顔に血が上っていくのを、はっきりと自覚していた。
「よ、よし…次に行くぞ、まゆら」
そう言って奈々穂がそっとまゆらをベッドに押し倒すと、まゆらの前髪を留めていた二本のピンをそっと外した。
そしてまゆらの首元に顔を埋めると、そっと首筋に沿うようにして舌を這わせる。
「んっ…奈々穂、さん…ちょ、はぁっ……」
探り探りではあったが、奈々穂が舌をちろちろと動かすたびにまゆらが腰を浮かす。
そのまま奈々穂がまゆらのサマーセーターをたくし上げると、まゆらは驚いたようにその手を掴んだ。
「な、奈々穂さん!?」
「な、なんだ? え、まさか、違うのか!?」
思わぬ制止に、奈々穂も驚いて手を止める。
「違わないですけど…」
違わないけどなんとなく止めてしまった、とも言えずまゆらは言葉を濁す。
お風呂に一緒に入ったことだってあるのに、こうして服を脱がされることは、なんとも恥ずかしかった。
- 307 :奈々穂×まゆら 百合
:2006/01/07(土) 11:50:51 ID:XK3QRLHr
- まゆらは小さく息をつくと、覚悟を決めたように奈々穂を見た。
「お、お願いします、奈々穂さん」
「あ、あぁ…」
再び奈々穂はまゆらのセーターに手をかけ、そろそろとそれをたくし上げると、
姿を見せたブラウスのボタンをひとつずつ外していく。
ボタンを全て外し終えると、薄い水色のブラと、すべすべのお腹が顔を出す。
筋肉で引き締まったものではなかったが、女の子らしい柔らかそうなお腹に、奈々穂はそっと触れた。
「……っ」
奈々穂の指が走るたびに、まゆらは強く目を閉じて、その恥ずかしさからなんとか逃れようとする。
一方奈々穂も、自分は体をさらしていないにも関わらず
こうして人の服を剥いで触れるという行為に、気恥ずかしさが拭いきれない。
「まゆら、ブラ、外すぞ…?」
まゆらは閉じていた目を開けて、小さく頷く。
まゆらの了解を確認した奈々穂は、まゆらの胸の間に手を入れて、ブラのフロントホックを外す。
大きいとは言えないものの、形のいい胸が目に入り、奈々穂はゴクリと喉を鳴らす。
「まゆら…なんだかものすごく恥ずかしいんだが…」
「私の方が絶対恥ずかしいですってばぁ〜!」
強い羞恥心からまゆらの声が震える。
一方的に見られるのが恥ずかしいのだと気がついたまゆらは、手を伸ばし奈々穂のブラウスに手をかけた。
「まっ、まゆら!?」
「奈々穂さんも、同じ状態になってもらいますからね」
そう言ってまゆらは器用にボタンを外していく。
その間奈々穂は腕立て伏せの状態のまま、ただ視線を泳がせることしか出来ない。
ブラウスの前が開くと、まゆらは奈々穂の背中に手を伸ばし、プチンとホックを外した。
「奈々穂さん、ずいぶん可愛い下着つけてますね」
「余計なお世話だ…」
まゆらがブラを外したのを確認した奈々穂は、そっとまゆらの胸を包み込むようにして手を動かす。
「ぅんっ…」
奈々穂が器用に手を動かし、先端を手の平で転がすと、すぐにそこはぷくりと立ち上がって自己主張を始める。
全体をやわやわと揉みながら指先で乳首をいじり、もう片方の胸を口に含むと、まゆらは大きく体を跳ねさせた。
「あ、ぁ…んっ…奈々穂、さん…はぁッん」
- 308 :奈々穂×まゆら 百合
:2006/01/07(土) 11:51:22 ID:XK3QRLHr
- 「まゆら…どうだ?」
そう問いかけるも、まゆらは胸に走る刺激にいっぱいいっぱいで、答えることが出来ない。
答えることが出来ないことが答えだな、と納得した奈々穂は、ゆっくりと手をスカートの方へと伸ばしていく。
ところが、まゆらはその手を掴むと、むくりと体を起こして奈々穂を見た。
「まゆら? ちょ、ちょっと待て―――ひぁっ!?」
突然体に電気が走り、奈々穂は素っ頓狂な声をあげる。
見下ろすと、向かい合うようにして座ったまゆらが、今度は奈々穂の胸を舐め上げていた。
「ま、待て、まゆら…んぅ…っぅ、はぁッ…」
几帳面なまゆららしいというかなんというか。まゆらの舌はちろちろと細やかに動き、
ゾクゾクするほどの快感が奈々穂の背筋を駆け抜ける。
奈々穂は負けじとまゆらの胸を揉みかえすと、もう一方の手をまゆらの太ももの間に差し込んだ。
「あっ…奈々穂さん、そこ…きゃぁッ!?」
奈々穂がゆっくりと指を動かすと、先ほどとは比べ物にならないような強い電流がまゆらの中を駆け抜ける。
奈々穂の指先には、熱を持ったそこが触れていて、それが奈々穂を興奮させた。
まゆらが感じている、気持ちいいと思っている、というのはなんだかすごく生々しく感じてしまう。
奈々穂がショーツの隙間から指を差し込むと、案の定そこはぬるぬるに濡れている。
それが潤滑液となり、ぬるりとまゆらのくぼみへ指が落ちた。
「ひゃぁっ!?」
容易に奈々穂の指はまゆらの中へと吸い込まれ、ゆっくりと指を動かしていく。
「ん、ぁ、ぁ…奈々穂さん、気持ち…いい、はぁッ、っくぅ」
小刻みに息をつきながら、まゆらも奈々穂の胸に再び舌を這わせていく。
「まゆら、すごい濡れてる…」
率直な感想を述べる奈々穂を、まゆらは上気した顔のままキッと睨む。
「奈々穂さんだって…ち、乳首、立ってますよ……〜〜〜っ」
- 309 :奈々穂×まゆら 百合
:2006/01/07(土) 11:53:07 ID:XK3QRLHr
- 仕返しのつもりで言ったものの、言ったまゆら自身が恥ずかしくて顔を伏せてしまう。
それがなんだかおかしくて、奈々穂はクスリと笑うと、少しだけ激しく指を動かしていく。
「奈々穂、さんっ……そんなに、激しく―――ん、はぁ、はッ…あぁッ」
まゆらはかすれた声を出すと、ぎゅっと奈々穂の首に手を回して抱きつく。
ふたりの体は密着し、むき出しになった胸の先端と先端が触れ合い、擦れる。
「ぅく…まゆら…あんまり、くっつくと…ふぁ…」
「あ、あぁッ、もう、奈々穂さん……ぅ、ん―――っぅぁああぁああッん!!」
ひときわ大きな声を出して、まゆらがビクビクと体を震わせる。
その度にまゆらの秘部もヌチヌチといやらしい音を立てて、愛液を溢れさせた。
そのままはぁはぁと大きく息をしていたまゆらだったが、やがてくたりと力を抜くと
奈々穂の首元に顔を埋め、くんくんと匂いを嗅ぐように鼻を揺らす。
「はぁ、はぁ……奈々穂さん、いい匂い…」
熱に浮かされたようにそう呟くと、まゆらは奈々穂の頬に軽く口付けをする。
「まゆら…どう、だった?」
奈々穂がそう尋ねると、まゆらは柔らかく微笑む。
うっすらと汗をかき、乱れた前髪を整える姿は、普段のまゆらからは考えられないほどに色っぽくて、
奈々穂は思わずドキドキしてしまう。
「すごーく、気持ちよかった…と思います」
「そうか、よかった…」
奈々穂も笑顔を見せると、まゆらの頭を優しく撫でる。
それが気持ちよかったのだろう、まゆらも目を閉じて奈々穂に身を任せた。
- 310 :奈々穂×まゆら 百合
:2006/01/07(土) 11:53:38 ID:XK3QRLHr
- 「……ところで、奈々穂さん」
「ん?」
「これって“経験した”ことになるんですか? よく考えたら…ううん、よく考えなくても私たちって女同士ですし…」
「……」
言われてみればそうだ、と奈々穂は目をぱちくりさせる。
奈々穂の知っている知識と今の行為では、微妙に違っている。
「…まぁ、細かいことは気にするな」
「奈々穂さん、いい加減ですよぉ〜!」
まゆらはいつものような困った声をあげるも、結局諦めたようにため息をつき、クスクスと笑い出した。
「さて、まゆら。決算書、明日までに提出なんだろう? 手伝うから片付けようか」
「あ、ありがとうございます、奈々穂さん。ってもうこんな時間!? 急がないと間に合わないじゃない」
「そ、そんなに時間がかかるのか!? よし、急ごうまゆら」
「そ、その前にブラウスちゃんと着てください!」
「え……きゃっ!? は、それを早く言え、まゆら!!」
こうして二人は夜通し決算書作りに励むのだった。